投稿元:
レビューを見る
本日の一冊は、年商200億円の上場企業にして、通称「日本一のドケ
チ企業」、未来工業の「ドケチ戦略」を、創業者の山田昭男氏がま
とめた一冊。
引きひもスイッチ式の蛍光灯や、ドアノブをはずしたドア、警備員
のいない警備員室、線の切れた固定電話など、冒頭、吐き気がする
ほどの苛烈な「ドケチ作戦」が出てきますが、ここで疑問に思うの
は、「こんな会社でなぜ社員は辞めないんだろう?」ということ。
その答えは、じつは2章以降でわかります。
2章以降では、あれほどドケチ一辺倒だった著者が一転、「意外な」
太っ腹ぶりを披露するのです。
60歳ピーク時の給与が維持される定年延長制度、年間休暇140日、
育児休暇3年、1日7時間15分の勤務時間…。
さらにビックリしたのは、著者が創業者利益を捨て、社員に額面で
株式を売り渡したこと。
これにより、未来工業の社員には「1億円株主」がたくさん生まれ、
マスコミの話題をさらったそうです。
怠惰な浪費で社員を甘やかすよりも、給与と休日できちんと報いる。
高価なお中元やお歳暮を送るよりも、顧客サービスで差をつける。
自立した社員を育て、組織を成功に導いた著者らしい、骨太な「ド
ケチ戦略」に、最後はすっかり魅了されてしまいました。
コスト意識の高い社員を育てたい経営者に、ぜひ読んでいただきた
い一冊です。
ウチは主にローテクの電設用品メーカーで、商品単価も安い。泥棒
に入られて会社がこうむる損害より、どう考えても警備員の人件費
のほうが高くつく
業務課の女性社員たちに、「『お待ちください』禁止令」を出した。
問い合わせの電話をかけてきてくれたお客さんに対して、「お待ち
ください」という言葉を使ってはならないぞ、ということ。まずは、
ウチの製品機能や性能、その価格や材質などについて知識を深め、
製品番号もしっかりと覚える。そのうえで、お客さんからのどんな
問い合わせにも、営業マンの代わりに、すぐ的確に答えられる。彼
女たちにそんなプロフェッショナルになることを求めた
会社の経費だけでなく、お客さんの通話時間と電話料金をケチるこ
と、それも立派な顧客サービスだ。それはお中元、お歳暮以上だと
思っている
ドケチとは、社員にコスト意識を植えつける最良の教育
自社の売上げに見合った規模の営業チームを組織すれば、自社営業
と、中小問屋へのおろしだけで、身の丈にあった商売はできる
有給休暇40日余りを除いて、年間140日前後の休日。7時間15分と
いう日本一短い労働時間。大手ハンバーガーチェーン店みたいな
「名ばかり」管理職も、派遣社員やパートもいない。全員が正社員。
そのうえ、育児休暇は3年
出張費は渡し切り方式がおススメ(中略)宿泊費なら1人1泊1万
円。それ以下のホテルに泊まり、差額を自分のお小遣いにしてもか
まわない(中略)頭を使えば自���の得になるから、人は一生懸命に
考える。それが「常に考える」習慣づけになる
◆「3ナイ」主義
「教育しない」「管理しない」「強制しない」
他人が考えつかないアイデアを生むには、他人とは違う体験や時間
の過ごし方、あるいは、誰にも真似できない着眼点や感受性が必要。
いずれも、ぎちぎちな管理からは生まれにくい
違う失敗は100回でもOKだが、同じ失敗は2回で降格
会社都合で社員の既得権をないがしろにしてはいけない
◆目次◆
第1章 ドケチとは、社員にコスト意識を植えつけること
第2章 社員をやる気にさせる「反ドケチ」作戦
第3章 自主性と自覚をもったプロ社員の「反ドケチ」な育て方
第4章 ミライイズムは終わらない
第5章 「勘違いドケチ」をしてはいけない
投稿元:
レビューを見る
■思考
1.会社の無駄をなくす3つのポイント:A.社内をこまめに歩いて回り、何かを見たら必ず、「あれは本当に効率的なのか?」と考える B.社員の動きを有を注意深く観察し、無駄がないかを探す。 C.経営者や幹部自身が、自らの無駄遣いを率先して改める。
2.プロ社員を育成するには「3ナイ」が有効である。:教育しない=社員に仕事を任せる。 管理しない=社員をぎちぎちに管理しない。 強制しない=部下に何かの業務をさせる場合は、命令せずに、説得する。
投稿元:
レビューを見る
名物社長ですな。
ドケチと反ドケチのバランスを考えたお金の使い方。
内容自体には真新しいところはないけど、あとがきに彼の生い立ちが書いてあって気になった。
彼は上海に生まれ、第二次世界大戦のさなかは上海で優雅に暮らしていた。
しかし、戦後日本に戻り、ろくなものも食べることができない日本の生活ぶりをみて、なぜこんな国がアメリカに戦争を挑もうとしたのか理解できなかったという。
戦時中、政府は日本軍優勢とうその情報を流し、勝つ見込みのない戦争で国民を無駄死にさせた。
政府、新聞などは信じられないから、自分で考え、生き抜くべき方法をみつけだしたと。
投稿元:
レビューを見る
ちょくちょくTVで見かける未来工業の山田相談役の本。一時期の役所などでも蛍光灯を消したり、裏紙を使ったり、ちょっと感じのよくない節約がよく見られたが、この人のケチケチぶりは群を抜いているなぁと、TVで見た時はあまりよい印象はなかったが、本書で印象がずいぶん変わった。本書では、ドケチに対するご本人なりの哲学が語られており、決して節約一辺倒ではないこともわかる。特に、経費節減のあまり人件費もケチるのは本末転倒というところはその通り。お盆の休みを減らして(モチベーションが下がり)かえって売り上げは下がったとか頷けるエピソードも多い。一番面白かったのは、後書きにある著者の生い立ちで、上海の日本人租界での豪奢な生活から敗戦を機に価値観が一変してしまったという強烈な体験を語った部分。
投稿元:
レビューを見る
TOPPOINT 2010年12月号より。
著者は未来工業㈱の創業者であり、現在、相談役。
「ドケチ」の徹底で、1965年の創業以来、赤字ゼロの未来工業。
その創業者が節約のコツ、自身の経営哲学などを語る。
投稿元:
レビューを見る
最初はケチ過ぎて本末転倒では?と思わされたが、使うところでは使う。読み続けていくうちに筆者の人柄が見えてきておもしろさが段々と増した。
ポイント ⇨ 人と同じ事はやるな!
投稿元:
レビューを見る
ケチを貫く=コスト意識を持って、よく考えること。普通と一緒じゃつまらないと常に考えて、実践すること。面白くためになった。コスト意識が変わりそうだ。
投稿元:
レビューを見る
本の内容に関してはテレビで取り上げられてたようなものばかりだけど好きな内容。 こういう考え方の経営者ってほとんどいないんだろうけど、亡くなってからも10年20年と維持し続けることができるのか気になりますね。