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今後の日本人について知りたくて読書。
宗教、哲学の本というよりは、初級者でも理解しやすいエッセイのような内容で読みやすい。
後半の対談でルソーが登場する。ルソーといえば中学校の公民で登場する『社会契約論』が有名であるが、本書では『エミール』を取り上げている。
一度、ほぼ崩壊した日本が再び生まれ変わるためには教育の再構築が必要だと思う。先の敗戦で否定させられた日本の伝統や祖先たちの知恵を見直し、日本らしさを日本人自身の頭で考えていく時期なのかもしれない。
前半の美智子皇后の童話紹介のエピソードは知っていたが、日本語原稿から削除された箇所があったのは初めて知った。確かに現状の日本の教育の本質的な問題を指摘していると思う。
恥ずかしながら『エミール』も世阿弥の『風姿花伝』も読んだことがない。ぜひ読んでみたいと思う。
まえがきで三島由紀夫が残した言葉「このままいったら日本はなくなり、無機的な、空っぽな、ニュートラルな、富裕な、抜け目がない経済大国が残るだろう」が紹介されている。現状の日本を恐ろしいほど言い当てていて怖いくらいだ。もし、三島が現存していたら今の日本をどう言葉にするのであろうか。
読書時間:約25分