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2010/10/5 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。
2014/2/3〜2/4
約二年ぶりの柳作品。古代ギリシアに題材を取った三作品。パルテノン神殿ってそういう背景で造られたのか。(フィクション的なところは別にして)宮部みゆきさんの解説も良い。
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筆者の初期の歴史もの。昔から歴史ものであろうと何であろうと幅の広い作風をものにして、違和感なく読ませる。ギリシア連作の中短編集で、話をつなぐ前置きがあるが、これとは全く関係がなく、結びでも戻ってこない。これなら前置きは不要か。ただし、前置きで語られるギリシア人は何もかもやりつくして、待っているのだということの中身が語られるという意味で繋がっている。民主主義の確立から美の追求まで、確かにギリシアに端を発するものは多い。歴史ものとしては面白いが、もうひとひねりがあればなおよかった。
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柳広司さんのかなり初期の作品らしい。紀元前5世紀ごろのギリシアを舞台にした連作の短編集。ミステリー色はかなり薄いかなぁ。内容は結構難しい!?私は世界史を勉強したことがないから余計にそう感じていまったかも…。柳さんの歴史ミステリーは大好きなのですが、この作品が原点だと思うとなかなか感慨深いです。
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「同じことなのだよ、フェイディアス。たまたま私を殺すことになったからといって、私は自分が生涯をかけて作りあげたアテナイの民主制を恨んではいないし、ましてスパルタやペルシアに逃れることなど考えたことはない。なぜならそれは、まさに民主制の破壊にほかならないのだから。・・・そして、フェイディアス、私はこのことをお前から学んだのだ」(「パルテノン」)
柳さんの結構前作品になるのだけれど、やっと文庫化!
期待に違わぬ内容でした。
やっぱりこういう歴史もの、お得意なのかなー。
ていうか、この時代って本当に遠いのだけれど、柳マジックでいつの間にか近くなるのだから、凄いなぁ、と心から思うのでした。
柳さんって、一体どんな資料読み込んでるんだろ。
「巫女」がなんだかマンガを読んでいるような、アップテンポな展開で、
面白くってちょっぴり切なくて、良かった。
表題作も、面白かったのだけれど、歴史のことを知っていたらもっと楽しめただろうなぁ、とついつい思ってしまうほど、歴史モノっぽかったのでした。
まだまだ読んでない柳作品多いから、読んでいくぜぃ。
【11/7読了・初読・個人蔵書】
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古代ギリシアの話。
あまりに遠い時代なのと、名前が覚えられない(カタカナで長い!)ので、なかなかに入り込めず。
副題で「アクロポリスを巡る三つの物語」とあるので、もちろん3つの話が描かれています。時代はかなり違うけどビミョーにつながっているのです、これが。(こういうのけっこうツボ)
最初の話「巫女」は、多分一番読みやすく入り込みやすかった。
デルポイの老巫女アリストニケが告げる神託は、よくあたると評判だったが、実際は神のお告げでもなんでもなく、彼女の情報収集能力と演技の賜物。
巫女になると思って、彼女に弟子入りしたらびっくりしたやろうなぁ。
「神とか一番信じてないやん!」
と、突っ込んでしまうほど、現実主義です、アリストニケは。
でも、その方が私的に合点がいくので、もっともらしく彼女が施す“演出”をしっかり学んで、一儲けしたいなと考えてしまうな、きっと。
とにかく、実は今まで全く興味のなかったギリシアに行ってみたくなる一冊でした。
ただ、名前が覚えられないけど。
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「アクロポリスを巡る三つの物語」…と三編。さすが古代ギリシア、議論が難しい…と思いながら読んだところも。「巫女」が一番好きかな〜しかし、最後はまた現代に戻るものかと…
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巫女の話が1番読みやすかった。
時代が違ってもどこかで繋がってるところがおもしろい。柳さんは、オムニバス形式というか、違うようでどこか繋がりのある話を書くのがとても上手だなと感じた。
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気取った雰囲気が歴史ミステリーにマッチする。
一気に世界に引き込まれました。
斜に構え皮肉な登場人物が魅力的でした。
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歴史ミステリー。この時代の話はなかなか読む機会がなかったので、小説で読めたこと自体が、幸せ。シニカルな登場人物のやりとりが、おもしろかったです。
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古代ギリシャのアクロポリスを巡って3つの物語が語られている。
デルポイの老巫女であるアリストニケ、ペルシア戦争の功労者であるテミストクレス、パルテノン神殿を巡るフェイディアスとペリクレスの友情と信念。
古代ギリシャは遠い世界であったが、柳広司により、現代とそれほど変わらない人間関係とギリシャが世界の中心であった時代の特質が現代風にアレンジされて取り組みやすくなっている。
そして、2500年前でも今でも本当はいつの世でも行われていたことだが、柳流の裏の裏を組み合わせたストーリー展開は、複雑な人間社会をコントロールしなければならない局面(戦争とか裁判とか)に強力に生きてくるのだ。
アリストニケの情報を制御、統制するやりかた、テミストクレスの諸国を結び付け導いていくやり方、いずれもが人間および集団の心理をまんまと手玉に取った成果なのだ。
私たちのような凡人がそんな大それたことをできるわけもなく、実は大きな統制の中に組み込まれているんだろうと思いつつも、自己の意思で世の中を生き抜いているような錯覚は、やはり錯覚でしかない。にもかかわらず、あるいはだからこそ目に見えないモノはあると認めない心の盲目によって毎日生きていくのだ。
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幼なじみの政治家ペリクレスと芸術家フェイディアス、パルテノン神殿の建立を巡り各々の理想を追い求める姿を描いてます。
究極の美、究極の民主政治、ギリシャが現代に与えた影響は大きく、2500年前には現代の原型がそこにあったようです。
柳広司ワ-ルドにはまってしまう一作です。