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ラスト★ショット みんなのレビュー
- ジョン・ファインスタイン (作), 唐沢 則幸 (訳)
- 税込価格:1,760円(16pt)
- 出版社:評論社
- 発売日:2010/10/01
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紙の本
YAと侮れない、迫真のスポーツ・サスペンス
2012/02/12 15:44
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:更夜 - この投稿者のレビュー一覧を見る
意外と、本屋や図書館で微妙なところにあるのが「ティーンエイジャーもの」です。
ヤング・アダルト(YA)と言われるようになったのですが、私が子供のころは、まだ「児童文学」の
ひとくくりにされていました。
アメリカのエドガー・アラン・ポー章(YA部門)の候補作、受賞作をシリーズで翻訳、出版するという
海外ミステリーBOXにはすかさず、これはいいものが!の臭いをかぎとり手にとりました。
確かに、主人公は13歳の少年と少女です。
しかし、ここに描かれているのは、スポーツ・ノンフィクション作家として、スポーツコラムニストとして
活躍してきた作者の「すべて」でしょう。
アメリカの大学生バスケットの実態をここまで、臨場感あふれた描写でぐいぐい書くところなど、決して
「チビッ子をよろこばせなければ・・・」という媚びはありません。
13歳とはいえ、スティービー(アメリカ北部)とスーザン・キャロル(アメリカ南部)は、バスケットの記事を書く
コンテストで優勝した2人で、ファイナルフォーと呼ばれるアメリカ大学チャンピオンを決定する試合の
「特別記者」として、記事を書く。
ただの怠惰な13歳ではなく、観察力と分析力は、大人が認めるところ。
しかし、この2人を「嫌味な天才子供」に作者はしていません。
子供を子供扱いせず、同等の立場で「働いてもらう」というのは、なかなか小説の舞台にはなりません。
試合が進むうちに、2人が取材に熱中している時に偶然聞いてしまった、バスケ花形選手に八百長試合をする脅迫。
ところが、やはり「子供」という立場から最初は誰も相手にしてくれない。
2人だけでやるしかないな・・・と行動に出る2人。
この男の子がフィラデルフィアで北部、女の子がノースカロライナで南部・・・ということは
バスケットに精通している2人は、応援する大学バスケは、正反対、敵同士。
しかも、男の子は、背が低く、女の子は逆に背が高いという凸凹コンビです。
対立しあい、協力しあい、知恵を出し合い、補い合い、嫌味を言いあいながらも、真相に迫る様子と、
アメリカのバスケットへの情熱のすごさが、もう、スピード感あふれる描写で駆け抜ける。
私は、スポーツにはあまり詳しくなくて、日本の野球もサッカーもわからないくらいですから、
アメリカ・スポーツ事情には全く疎いです。
それでも、すごい、すごいと引き込まれるものあり。
子供、バスケ、記者、八百長脅迫・・・色々な要素てんこもりをスマートにきめた、さわやか小説。
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