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なんだろう、ちょっと感想が書きにくい。
『街場のメディア論』でもマンガについて少し書かれていたが、それを拡張した感じ。『メディア論』で取り上げられていた養老孟司さんとの対談もそのまま収録されている。
意外だったのは少女マンガについてかなり詳しいということ。
■この本を知ったきっかけ
著者のブログ「内田樹の研究室」の新刊案内で
■読もうと思ったわけ
著者がマンガについてどう語っているか興味があって。
街場シリーズなので。
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10/10/13。春樹の対談集と同時に購入。
10/10/14。昨日の帰り、喫茶店と電車内、帰ってから、今朝読み、読了。
少女マンガについては、わしやっぱわからん。
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こんなに私好みの本があっていいのだろうかという位、
寝食を忘れ読みふけった。
仕事しなかったもんなー、これ読んでたとき。ドラクエ以来だ。
一番印象的だったのが。
アメリカのアニメは、アメリカという国そのものを映し出しているということを例示しながら。
(超人的力量を手に入れた主人公が人知れず悪を倒すが、
いや、その行為自体が実は平和を壊しているのではと葛藤を抱えつつも、
最後はまた周囲の人の支えで悪を駆逐していく定型)
アニメはその国の姿を映すのではという仮説を構築。
「鉄人28号」と「日本」を論考した結果。
鉄人28号は在日米軍で操縦する正太郎君は憲法9条だ、と強く主張する論考に到達。
この人、やっぱりどこかおかしいと思ったのでした(笑)
マンガを入口に、得意の実に様々な論旨へ展開していく様は圧巻です。
大変面白い作品でした。
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日本辺境論と合わせて読むと、マンガが文化たり得た日本人の特殊性がよりわかりやすく頭に入ってくると思います。
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マンガについてあれこれ。
そうかーこんなに奥深いのかーって思う。
私自身あんまりマンガをたくさん読んでいないから、ちょっと気まずい気持ちを払拭したくて読んだ。
印象深いのは、マンガのもっている力。影響力と憧れ的なもの。
あと、言葉のこと。言語処理のことと日本語の成り立ちのところは世界がぶわーと開けた。
少女マンガは7つくらいの言葉がいっぺんに示されているって書いてあった。男性には読めないってほんとかな?
男性の方、ぜひマンガ論を読んで教えてください。
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筆者のブログ記事からマンガに関するものを集めて1冊の本にしたもの。元がブログ記事なので、この本のテーマと直接関係の無い雑談なんかも多く含まれているし、
主張している内容もじっくりと調査研究がなされたものではなく、
その時舞い降りてきたインスピレーションを書き留めたようなものが多い。
そういう意味では、筆者の他の書き下ろし本に比べて読み応えは少ないのだが、
これはこれでその軽さと自由さが面白い。
宮崎駿の映画に関する認識が素晴らしいと思った。
「世界は十分に美しく、それはどのような人間にとっても生きるに値する。これが宮崎駿の究極的な映画的メッセージだと私は理解している。そして、このようなメッセージは、現に世界を最高度に愉悦的に享受している存在を通じてしか伝わらない。」
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■マンガでは図象と音声が同じコマ内に存在する。図象は「漢字」であり、「ふきだし」は「かな」である。p46
■武道家は「石火の機」を重んじる。p141
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ブログの集約なので1つ1つの語りが物足りない気もしますが、一気読みできる本です。漢字とかなを使う日本語の文章を読む能力が、絵と文字両方認識するマンガ読みにいかされており、日本の漫画が高度な完成度の作品を生み出す土壌になっているとか。一番オモシロいロジックは「反米ナショナリズムとしての少年愛マンガ」。全共闘運動を反米ナショナリズムとし、その終焉を迎える70年代はじめに、少年愛マンガが登場しそれを継承する。少年愛マンガはアメリカを描かない。耽美と退廃のヨーロッパを描く。一方で70年代、80年代日本の若者が親米的になっていくにもかかわらず、アメリカの男性文化を排除していった少女マンガ家が存在したことの話の持っていき方はオモシロかったです。この辺りの時代にノルウェイの森の舞台も設定されていますね。2011年2冊目の本。
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著者の読み物の中でもかなり読みやすい。
独特のマンガ観が興味深い。確かに少女漫画を読み解くためのリテラシーは存在すると思います。
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漫画は今やサブであって、サブでない。漫画は書籍とは違い気軽に読めるという利点や、言葉を知らなくても絵を見るだけで楽しめる面白さがそこにはある。内田樹というと、幅広い教養があるということは知ってはいたが、漫画が好きだということや、あまり本を読まないということは知らなかったし、それがまた驚きでもあった。本自体はタッチも軽く読みやすいし、テーマもとっつきやすいものになっていたように思う。(お薦めは、「ノン・コレクター。」)非実在有害図書についての記載も一部にあり、それがいかに非論理的な議論であり、漫画の可能性を押しとどめようとするものなのかと思えてならない。大事なことは、生まれてくる芽を潰そうとすることではなく、それの何が問題なのかを真剣に議論し、またひとりひとりの親が子供のことに目を向け、自分の力で育てようとする意思なのである。
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この人の本は初めてかな
「街場の~」シリーズで有名な著者が、今度はマンガについてブログで熱く語ったことに加筆訂正してできた本
ブログが本になるっていうのは、「棚からぼた餅」ってなもんで(本書の著者も述べていたけど)著者的には楽だし、それで印税がもらえるというのは良いご身分です
うらまやしい
それはそうと
「バガボンド」や「スラムダンク」で有名な井上雄彦さんと会ったときの話とか、日本語についてとか、少女マンガについてとか、ボーイズラブについてとか、宮崎駿についてとか、戦後マンガについてとか、その他もろもろ、マンガという切り口から日本社会の分析をするような本
つってもブログが元なだけあって、書いている内容は論文とか真面目な感じじゃなくて、フランクに現代思想家がおしゃべりしている感じ
もちろん思想家のおしゃべりなので、幅広―い知識に裏付けられていて、思いつきとはいえ非常に参考になる
特に、井上雄彦についての章で述べていた
「若者が育つには矛盾した(でも最終的には同じ結論になる)2つのロールモデルが必要だ」
っていう論には納得させられた
バガボンドではそれは「にょろにょろ(本編中に出てくる武蔵の頭の中であーだこーだ言うじーちゃんのこと)」というように表されていて、
でも、この「にょろにょろ」が出てきているときに無意識に放った斬撃が、最高の一撃だったという(そのときは刀を持っていなかったけど)
今のは蛇足だけど、成長(この言葉は嫌いだけど)って、矛盾しあった事柄が厳密に解決されるわけではないのだけど、自分の中では解決できてしまうっていうそのプロセスにあると思うし、自分の経験(まだ若造ですが)と照らし合わせてもそれは間違っていないと思う
「バガボンド」や「スラムダンク」の主人公みたいに、急いで成長しなければいけない状況になったことはないから、時間的にはゆっくりだったけど、後から考えるとそうだったと思う
こういったことから、教育にはさまざまな立場からの情報インプットが必要なのかも、と思った
ちなみに、そのほかにも面白いトピックがいっぱいあって、ボーイズラブについてとか戦後マンガについてとかは、面白かったなあ
この前、「戦後政治からの脱却が必要だ」って話を「サンデープロジェクト」かなんかでいていた気がするけれど、中国や朝鮮、ロシアとの関係とかアメリカ・韓国との関係とか、第二次大戦で負けたことは、回りまわって未だに日本を縛り続けているのかもしれない
・・・最後は大きいこと言ってみた
そんな偉そうなこと言う前に近・現代史勉強しろよって話だよなあ
まあ直感的にそんなことを今のところ思うんだってことで
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「目からウロコ」の連続。
内田樹の本は何を読んでもそう。
・2つのロールモデルの話
井上雄彦の「バガボンド」に登場する、石舟斎と胤栄。
全くべつの考えをおっしゃる二人だが、本人はちんぷんかんぷんだがそれでいいとのこと。
葛藤のすえにブレークスルーはおこる。
二つのモデルの共通願望は対象人物の「成長」
なるほど!
・漫画がサブカルであることの意味
マンガの自由度を担保するため。
・言葉は上に抽象化していく
ゆえに、体を介在させる必要がある(ブルっ!!)。
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マンガがここまで浸透している理由は日本語のおかげ、
という部分にいたく感銘を受けた。
ありがとう日本語。
ありがとう内田樹先生。
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ビジネスの観点から日本のアニメ、マンガがいいコンテンツであるということから、一歩踏み込んで文化人の方達からマンガというものを論じられ、お墨付きを与えられるってことはいい時代になったのだと思う。文学的に優秀な作品以外にも、絵画的な芸術性をもつものも出てきた。今後の漫画界の発展を望み、より良い作品がまた読めればと思う。
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読後、無性に漫画が読みたくなりました。
確かに、漫画のことが話題にはなっていますけれども、そこから触発された数々の知見に触れられることこそ、この著作の持つ大いなる価値と信じます。