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戦争・平和論は世間に数多くあれど、私たち生者に加え死者も含めた包括的な立場からのものは本当に少ない。本書の内容は主に冷戦時代のものであるため若干古臭い感はあるが、そうした表面部分にとらわれず主張をきちんと読み取れば、現在でもなお新しく有効な内容であることがわかる。発行元の山波言太郎総合文化財団では、関連する朗読CD「平和と戦争」を出しているので、関心のある人はどうぞ。
※2019年10月に新装版になりました(カバーが茶→紫色に)。
目次より。第1話:不戦のための発言。①戦死者の声の代弁なしの平和運動は皆ウソ、②いま地球を滅ぼしつつあるものは何か、③戦争の「魔性」性、④近代科学のの「魔性」性、⑤いま、地球を救うことの出来るものは何か/第2話:命は一つきりのもの―数えてはいけない。⑥現代版ノアの方舟、⑦三発目の原爆は日本に落ちる、⑧神風は吹いていた、⑨死者の知恵、➉アインシュタインの絶望/第3話:人間よ、平和の種子に変わろう―不戦と非武装の種子に。⑪いま平和問題に無関心な親は子供殺しの罪を犯すことになる、⑫「反核・軍縮」平和運動はなぜ不毛か/第4話:生の断念―人よ、動物からの脱皮を。⑬日本の危機、⑭戦後文学の検証、⑮生を断念した死刑囚について、⑯この「生の断念の時代」に文学は何をすることが出来るか/⑰注