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幕府も家来も大変だった。殿様たちの「お国変え」
大名が居城を去るときには二つの場合があります。一つは改易。もう一つが転封。お殿様から家臣全員のお国替えである転封は江戸全期を通じて行われ、同じ家が十回以上引っ越した例もあります。改易・転封にあたり、幕府はどのように指導し、実際の手続きはどうだったのでしょうか。改易・転封の実態を史料によりはじめて明らかにする。
第一章 改易処分による大名居城の受け取り・引き渡し
第二章 通常転封による大名居城の受け取り・引き渡し
第三章 江戸時代における大名家格と城郭
なんとも、面白そうなタイトルにひかれて購入したものの中身は、まじめ過ぎる内容で、読むのに骨が折れました。
第一章では、4つの事例、第二章では5つの事例が取り上げられていますが、代り映えする訳でもなく、退屈です。(逆に、研究者の姿勢としては誠実と言えます)
面白かったのは、第三章の「江戸時代における大名家格と城郭」。土芥寇讎記を取り上げている。無城主大名の居所を陣屋と呼んでいるが、土芥寇讎記によると、居所=陣屋というものではないようである。
とはいえ、研究途中であり、今後の研究が望まれる。