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久々に「ゴーストハント」の世界を堪能しました。「悪夢の棲む家」も再度買えると嬉しいですが。それにしても、図書館関係者泣かせな……。
2011/11/23 20:57
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:紅葉雪 - この投稿者のレビュー一覧を見る
最初に。
ゴーストハントシリーズ全編を通しての書評を書かせていただく。
ゴーストハント1巻「旧校舎怪談」の書評を書いてから1年。
久々に「ゴーストハント」のシリーズ全7巻を堪能した。
かなり長い間手に取っていなかったのに、1冊1冊を手にとって読み進めるうちに、「そうそうこんな話だった。この先もああなってこうなって……」と鮮明にそれぞれのストーリーを思い出したが、話の流れをほぼ判っていながら、リライトされたシリーズを夢中になって読破してしまう。……さすがは小野不由美さん、というべきか。
自分は話が判っていても読み進めるのを止められなかったのだから、初めてこのシリーズに出会った現在の中学生が、夢中になって巻を重ねている気持ちが痛いほどわかるものだ。
「悪霊シリーズ」の時からの大ファンであるから、できれば元のシリーズと読み比べたいほどであったが、まあそれは無理な話、そこがかなり残念なのが正直なところ。
もともと自分は映像にしろ本にしろ、ホラーは大の苦手である。(…のはずである)
純粋なラノベの「悪霊シリーズ」の時も、5巻の「鮮血の迷宮」(旧タイトル 悪霊になりたくない!)あたりからは、あまりの怖さに鳥肌をたてながら、でもどうしても止められず話を読み進めたものだ。
ここまでシリーズを読んでしまった以上、やはり続編にあたる悪夢の棲む家
も、ぜひもう一度読み直したいと思う。残念ながら、こちらも今、自分の手元にはないのだが。
あちらは主人公・麻衣の一人称視線ではなく話が進んでいくが、もともとが、はっきりいえばラノベの域を越えたホラーの怖さがあったと記憶している。怖さの点でいうなら、今回リライトされた全7巻と、その時点でいい勝負なのだ。
これ以上加筆されてホラーの要素が強くなってしまったら、少々自分には厳しいものがあるかもしれない。また、加筆訂正する必要がない完成度だったと自分は勝手に思っている。
とにかく、ふたたびあの話を読んでみたいと心底思っている。
最後に。
この7巻、「扉を開けて」のカバーを見、それを外してみた瞬間(いなだ詩穂さんの絵を見た瞬間)に、自分は一学校図書館司書として頭を抱えてしまった。
自分が担当している学校では、公共図書館同様に、本にカバーをつけた状態でブッカー(図書館で本にかかっている透明なビニール)をかける決まりとなっているが、……これはいったいどうすべきなのか、と呻ってしまった。
7巻を読んでいない方にはネタばれとなってしまうため、これ以上触れるのは避けるが…。
この巻を読み終わったあと、カバーを外して確認していただければ、自分が頭を抱えてしまった理由が判っていただけると思う。
きっと今頃あちこちの図書館で、もしかしたら、司書は自分同様頭を抱えているのかもしれない。
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待った甲斐があった。
2012/01/04 10:00
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:桜李 - この投稿者のレビュー一覧を見る
とうとう最終巻。最初に出会ったのは高校生の頃。図書室で見かけはしたもののまだ小野氏の魅力を知らず、挿絵が苦手なのも手伝って手に取らないまま卒業。
時既に遅し・・・読みたいと思っても手に入らない悔しさを抱えて10年が経ちました。
リライトを知って心躍り、続刊をわくわくしながら発売を待った2011年。ゴーストハントが彩ってくれた一年になりました。
最終巻は今まで以上の期待をこめてまず、表紙をめくってみる。そしてラストを想像しつつ読みましたが、そういうことか!と納得の結末。巻を追うごとにぼーさんが格好良くなっていって、今回もまた素敵です。麻衣が霊に語りかける場面は心が熱くなります。
単なるホラーでは終わらない。メンバーみんなの未来が、光が見える一冊。読了後、抱きしめたくなる一冊。
そして全巻を通して、装丁が秀逸で楽しませてもらいました。
――読みたいと思ったときには既に絶版。読める日が来ようとは思ってもみなかった。リライトありがとう!落ち着いたら十二国記を完結させてください。(笑
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なんて魅力的なキャラクター達・・・♪
2012/01/27 12:23
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:K.K - この投稿者のレビュー一覧を見る
こちらはシリーズものなので、全編通しての感想が良いのでしょうが、今回は今までの謎が解ける、という触れ込みでしたので、特に発売日が楽しみで仕方ありませんでした。
小野さんの作品に共通で言える事ですが、とても文章が滑らかで読み易く、情景がしっかり伝わってきます。
そして何より凄いのは、それぞれ個性的なキャラクター達なのに、その誰もが魅力的で愛おしい。
こんな風に人の痛みや優しさ、切なさが見事に描かれているのは、作者さんのお人柄に依るものだからでしょうか?
読み終わった後に、登場人物達ともう会えない、という寂しさを感じる作品に久しぶりに出会えて、また人生の中の小さな宝物がひとつ増えました。
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ジュブナイルとしてのイメージを残しながらのリライトの最終巻。最初はオカルトとは何ぞやということと、オカルトの科学的な解釈からスタートしたシリーズが途中からオカルト在りきに変わり、当たり前の様に霊魂や幽霊が存在することが前提として話が進む。ただし、この最終巻では全ての認識が主観によるものである以上、何も証明されないという解釈を加えながら、ここに超能力を加えてシャッフルして話が終わる。こう書いてしまうと否定的にとられるかもしれないが、オカルトのオカルトたる所以を理解したうえで作者は述べているのであろうことから、最終巻で現実に帰るには良い解決だろう。また、人の出会いと付き合いは永遠ではなく、変わっていくものだということと、それを踏まえた上で人は成長していくというラストの在り方は、ジュブナイルとして非常に良い終わり方である。捻くれた大人にも、シリーズ通巻で読まれることを勧めたい。
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元が上下巻ということもあって、追加エピソードは少なめ?謎解きが全体に散りばめられてたなぁ。麻衣に聞かれた時、なんて思ったんだろう。
表紙の穴あきは知ってると何が出てくるか想像つくけど、知らなかったら読み終わったあとで見たい。
真砂子が見たビデオにはジーンもいたはずで、だとしたらなんで気付かなかったんだろう。
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最終巻でしたが、できればこの続きも単行本化してくれないかなと思ってしまいます。
ナルが好きだったのか、ジーンが好きだったのか、切ない感じです。
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このシリーズ最終巻。
終わっちゃったと思うと寂しいです。
今から悪夢の棲む家を読みなおそうかな~と思います。
次は十二国記をゼヒ!
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どんどん入れ替わるところが最高におぞぞぞぞ。
表紙をめくるとジーンが…麻衣は結局どっちも好きなんかな。
続きまた書いて下さらんかな。
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ここに持ってきたかー!という変更場所有り。
旧作の「最後に怒涛のネタバレ」展開も良かったと思うけど、散らしたことでバランスを良くしたということだろうか?
旧作&マンガ未読の人の意見も聞きたいなー。
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あー終わってしまった。
オリジナルのティーンズハートも読んでたし、
マンガも読んでたのに名残惜しくて。
フラゲして買ったのに、ちびちび読んでたから
こんなに時間かかっちゃった。
まずは、小野先生、リライトして再刊してくれたことに
心から感謝を申し上げます。本当に有難うございました!
10年前、『悪霊だってヘイキ!』を読み終わえた後の
興奮と驚愕を今でもよく覚えています。
あまりに興奮しすぎて、当時はまだ、
漫画がなかよしで連載中だったのに、
友達にネタバラシをするという暴挙に出ていました。
今思えば、なんてことをしたんでしょうか…。
リライトされて、彼の口から「答え」を聞くシーンは
その後のことを知っているだけに、
ちょっと残酷だななんてことを思いながら、読んでいました。
いやー、しかし、ナルを追及するというか、追い詰める
麻衣ちゃんの勢いは天晴れでしたね(笑)
分が悪くてこそこそっと逃げるナルがおかしい。
はじめて真実を知っちゃったあの日から、今まで変わらず
好きなままのゴーストハント。
これからも、大事に大事に読んでいきたいな。
Thank you for SPR!!(Shibuyaのほうね♪)
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標題紙のコップの順番が……。
今回のカバー色がハレーションをイメージしてると思うとちょっと切ない。
気のせいかもしれないけどナルの表情描写が多かった気がする。
なんとく"随分表情豊かになったな"という印象が……。
これでまた最初からじっくり読みなおせば、あらゆるところに伏線が散りばめられていたことに気づけるんだろうなぁ。
ジョンとの対面シーンとか。
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全ての謎が解ける最終巻。坊さんの推理がすごい。ナルの正体を今までの発言、行動から導き出して行く。そしてSPRを閉める宣言したナル。
他のメンバーとこのまま離れるのが寂しいと思う麻衣。連絡先が知りたいって言った時の麻衣が、人と距離があるのに慣れている気がしてちょっと切なくなったりしました。
ナルが日本に来た目的がジーンを見つけることだと知り、夢で会っていたのはジーンだったとナルに知らされた麻衣とナルのやりとりも好きだったりします。すごく、切なかったりするのですが…。
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ラストの一行に鳥肌。参りました。
麻衣の素直さ、優しさがただただ愛しいです。
完結してほしくないけど、完結してしまった第七巻。
続編出てくれないかしら…とひそかに期待していたり。
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再編集版、ついに完結。
この巻は、看板に偽りなしと言える
かなりの大幅リライト版だった。
元版では前半後半でほぼ分断されていた
物語が、今回はひとかたまりになっていて
ひとつめのクライマックス(教室のシーン)での
麻衣の心情がより深く伝わったように思う。
全体的にそれぞれの人物や感情についても
エピソードの追加を含めて掘り下げられていたし。
元版で微笑ましくて好きだったアドレス交換の
場面がなくなっていたのは少し残念だったけど、
1冊の物語としての構成が良く、全体の流れが
綺麗なのは新版なので、やむなし。
それにしても。
あー、終わっちゃった。
また好きになったなぁ。
なんとなく予感がして見たカバー下に
ジーンがいて、嬉しくて泣きそうになった。
そんなふうに好きな作品なので。
やっぱり終盤はうるうるしながら読んでいたし。
小野さん、メディアファクトリーさん、有難う。
さて。
んで「ゴーストハント」(ホワイトハート版)の方は
再版したりするのかな?まだ絶版じゃないのかな。
それに。続きも書く気にはなってくれただろうか。
ホワイトハートでの「ゴーストハント」は、多分
元々最初のシリーズを書いた時にやりたかった
イメージに近いんだろうなと思っているので
本人の中に物語がない訳ではないと思うんだけど。
少なくともここに一人は続きを期待している
人間がいるのだと呟いておくしか出来ない。
あー・・・ほんとに楽しい1年だった。
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ティーンズハート、コミックともに既読です。
人生で初めて本気で記憶喪失になりたいと思った。
結末を知らずに読みたかった。
4巻以降は構成を変えるような大きなリライトがなくて、
「あぁ、旧版の時点である程度書きたい事は書けていたのかな」って
勝手に推測してた最終巻でここまでリライトされるなんて。
旧版では分断されていた事件の謎と彼の謎。
リライトでは謎が二重螺旋になって、
ぐるぐると廻りながら話が進む。
何も知らずに読んだら、ホラー的な「ワクワク」とミステリ的な「ワクワク」を
同時に楽しめたのになーーーと本当に本当に記憶喪失になりたかった。
ぼーさんの名探偵っぷりは旧版とコミックでまとめて堪能しよう。
彼の名前を彼が麻衣に告げる方がより切ない。
これをふまえて『悪夢の棲む家』を読むとさらに切ない。
本当に本当に記憶喪失になってもう一回読みたかったなぁ。
***
麻衣が全体的に賢くなったし、
ナルがちょっぴり年相応になって、
ぼーさんの包容力と大人っぷりもアップ。
安原さんはますます優秀になり、
真砂子の乙女度もアップしてとっつきやすくなり、
綾子はより優しさがわかりやすくなった。
ジョンは聡明さも目立つようになったし、
そしてリンさんはちょっと取っ付きやすくなった 笑。
キャラそれぞれにも見せ場やら愛のある加筆があって良かったなぁ。
多分、旧版やコミックの彼らとは違う人生を歩む事になるんじゃないかな、それもまたありかもしれない、って思えるくらい。
***
携帯電話が現代ほど普及していたら、この話は成り立たないし、
多分google mapが普及していたら、ナルもこなかったかも笑 なんて、
本当にこの話は技術の進化過程のある一瞬で限定的にできた話なんだなーって。奇跡のようだ。
この作品に人生の最初の方に出会えて、そして13年もお付き合いできていることがありがたい。もうこれまでの人生の半分より長くなってしまった。
祖父江さんといなださんの装丁も毎回楽しみだったし、
関わってくださったすべての関係者の皆様にありがとうございましたと言ってまわりたい。
ありがとうございました。