紙の本
選択とは
2014/08/26 19:14
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投稿者:melody - この投稿者のレビュー一覧を見る
とても、しっかりした研究をベースにした内容で、読み応えがあった本。最近読んだ本の中では、良書。
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「選択権を持つことは生き物の基本的欲求である」という冒頭に書かれているテーマを様々な実験・データから分析・解釈していきます。
一番興味が引かれたのは、動物園の動物の寿命。
野生の動物より、はるかに食糧、衛生状態の面でめぐまれているにもかわらず、圧倒的に短い。たとえば野生のアフリカ象の寿命は56歳ですが、動物園のそれは17歳。動物園の動物には、過剰な毛づくろいや、意味もない往復運動などの神経症状をみせる動物が多いらしい。その理由は、野生のときのような、「選択」ができないからだ、ということが明らかにされています。(^^ゞ
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コロンビア大学ビジネススクールでの講義をベースに「選択」について書かれた一冊。私たちが朝起きてから寝るまでの間に何度なく行っている「選択」という行為を、さまざまな角度から分析している。医学的、哲学的、経済学的、心理学的、文化的、芸術的といった多様な視点からの言及には、思わず圧倒されてしまう。
◆本書で書かれている「選択」に関するテーマ
・なぜ選択には大きな力があるのか?またその力は何に由来するのか?
・選択を行う方法は、人によってどのように違うのか?
・出身や生い立ちは選択にどのような影響を与えるか?
・なぜ自分の選択に失望することが多いのか?
・選択というツールを効果的に使うにはどうすればよいのか?
・選択肢が無限にあるように思えるとき、どのように選択すればよいのか?
・他人に選択を委ねた方がよい場合はあるのか?
選択とは自分のアイデンティティであり、未来を切り開いていくものである。ただし、著者の主張で一番興味深いのは、自分自身だけの判断で選択を行ったと思うのは、非常に危ういということである。一見、自分自身のみで決断を下したかのように思える選択も、自分の過去、他人の目線など、さまざまな要素に引っ張られているケースが多い。
生まれながらにして盲目で、シーク教徒であった著者が、「選択」という領域をテーマに選択したことも、彼女の人生を辿っていくと、必然な出来事のようにも思える。そういった意味で、選択と偶然と運命とは、実に紙一重である。選択の結果を自分自身がどのように受け入れるのか、その選択にこそ、一番意味があるのではないかと思う。
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まずは、これから読むのだけれど、タイトルがちょっといや。
なぜ、Artが科学なのだ?Artって、Scienceと対極的な概念ではないのかな。
後は、読んでから
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ベンジャミン・グレアムが教え、ウォーレン・バフェットが学んだ、
「バリュー投資の殿堂」、米コロンビア大学。
本日の一冊は、そのコロンビア大学ビジネススクールの特別講義を
書籍化した、投資家必読の一冊です。
講義のテーマは、ズバリ「選択の科学(The Art of Choosing)」。
著しく選択肢が増えた現代において、われわれの選択を妨げるもの、
選択に関わる人間心理、そして人の選択に影響を与える実践的な方
法を、さまざまな実験結果をもとにまとめています。
ダン・アリエリーの『予想どおりに不合理[増補版]』や、チャル
ディーニの『影響力の武器』が好きな人は、きっと気に入る一冊だ
と思います。
※参考:『予想どおりに不合理[増補版]』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4152091665/businessbookm-22/ref=nosim
※参考:『影響力の武器』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4414304164/businessbookm-22/ref=nosim
興味深かったのは、選択できると感じることが力を生み出すという、
ラットの実験の話。
ラットを溺れさせるという、一見残酷な実験の話ですが、これによ
ると、何度かつかまえ、そのたびに逃すということをしたラットは、
そのまま溺死させたラットよりも、力尽きて溺れるまでに泳いだ時
間が著しく長かったこと。
選択が自己有能感につながり、自己有能感がパワーを生み出すとい
う善循環が、ここからわかります。
また、結婚や宗教をめぐる話から、必ずしも選択の自由が人に幸せ
や力を与えないこともわかりました。
ビジネス的な観点から見てみても、選択肢を狭めることで売れたジ
ャムの試食の話や、P&Gのヘッド&ショルダーズの話など、マー
ケティングや小売のヒントが満載。
人間の心理バイアスについても紙幅が費やされているので、投資に
携わる人にとっても有用な内容だと思います。
それがビジネスであれ、結婚であれ、人生は結局、選択によって作られる。
そう考えると、本書で選択の科学を学ぶことは、結局、人生を充実
させることにつながるのだと思います。
多少厚めの本ではありますが、文章も読みやすく、知的刺激あふれ
る内容です。
選択するためには、まず「自分の力で変えられる」という認識を持
たなくてはならない
ある実験では、ラットを迷路に入れて、まっすぐな経路と、枝分か
れした経路のどちらを選ぶか、見てみた。まっすぐな経路と枝分か
れした経路のどちらを選んでも、最終的にたどり着くエサの量は同
じだったため、どちらかがより一方より有利ということはなかった。
それでも複数回の試行で、ほぼすべてのラットが、枝分かれした経
路を選んだ。同様に、ボタンを押すとエサが出ることを学習したハ
トやサルも、複数のボタンのついた装置を選んだ。ボタンが一つで
も二つでも、得られるエサの量は変わらなかったのにもかかわらずだ
人生の辛いできごとを不可抗力のせいにする人は、自分次第で何と
でもなると信じている人に比べて鬱病にかかりやすいほか、薬物依
存や虐待関係といった破滅的な状況から抜け出せず、心臓発作が起
きても助かる確率は低く、そのうえ免疫システムの低下やぜんそく、
関節炎、潰瘍、頭痛、腰痛に悩まされやすいという
たとえささいな選択であっても、頻繁に行うことで、「自分で環境
をコントロールしている」という意識を、意外なほど高めることが
できる
結果は驚くべきものだった。原理主義に分類された宗教の信徒は、
他の分類に比べて、宗教により大きな希望を求め、逆境により楽観
的に向き合い、鬱病にかかっている割合も低かった
究極の幸せは、選択を行うことではなく、義務を果たすことで得られる
この調査でも全員が、自分はほかの人よりユニークで、ユニークな
ものに対する許容度が高いと評した。だが実際にかれらが見せた反
応は、驚くほど似通っていた。どのグループの協力者も、ややユニ
ークな選択肢に高めの評価を与える一方で、極端に変わったものに
は否定的な反応を見せたのである
わたしたちは自分の信念と行動の矛盾に気づくとき、時間を巻き戻
して行動を取り消すことはできないため、信念の方を、行動と一致
するように変えるのだ
高齢者に関連した単語を使って短文を作った協力者は、もう一方の
組の課題をやった協力者に比べて、エレベーターに到達する時間が
平均で一五%長かった
六種類の試食に立ち寄った客のうち、ジャムを購入したのは三〇%
だったが、二四種類の試食の場合、実際にジャムを購入したのは、
試食客のわずか三%だったのだ。大きな品揃えの方が、買い物客の
注目を集めた。それなのに、実際にジャムを購入した客の人数は、
小さな品揃えの方が六倍以上も多かったのである
選択肢を分類することも、選択の負担を軽減する方法の一つだ
オリエンテーション 私が「選択」を研究テーマにした理由
第1講 選択は本能である
第2講 集団のためか、個人のためか
第3講 「強制」された選択
第4講 選択を左右するもの
第5講 選択は創られる
第6講 豊富な選択肢は必ずしも利益にならない
第7講 選択の代償
最終講 選択と偶然と運命の三元連立方程式
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■行動学
A.選択したいという欲求は自然な心の動きであり、おそらく生き残るために欠かせない働き。
B.選択の自由を奪われた、動物(動物園在)は寿命が短い。選択の範囲が大きい社長は長生きをする。
C.老人ホームの実験。環境は同じでもいくつのかの自由を与えた老人施設では、満足度が高く、健康の人のが割合が高かった。
D.あなたは自分らしさを発揮して選んだつもりでも、実は、他者の選択に大きく影響されている。その他大勢からは離れ、かといって突飛ではない選択を、人は追う。
E.平均以上効果。
F.誘惑をたつ対策は、誘惑の対象から気をそらす方法を意識的に用いれば、驚くべき効果が得られる。
G.マイクロエクスプレション(ポールエクマン: 書籍-第1感ー「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい。 ドラマ:ライ・トゥーミー)
H.名前に影響されて色がよく見えたり悪く見えたりする。(マニュキュアの実験)
I.私たちは使用価値だけのために商品を選ぶのではなく、その商品を選ぶことで、自分の人となりを表そうとする。
J.コカ・コーラ社は、イメージが製品そのものより重要だということにいち早く気が付いた企業だ。サンタクロースはコカコーラの宣伝マン。
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選択をしてより良い道を歩んでいると思えなければ、生きている価値を見出せず短命に終わる。生きてゆくために選択をしてると思っていましたが、その逆である、選択出来ているから生きてゆけるのかもしれない。
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選択の持つ意味について考えさせられた。フレーミングなどは行動ファイナンスやマーケティングで良く出てくるので、新鮮味はなかったが、動物園の動物が短命であることや文化によって選択の意味が異なることなどはとても考えさせられた。
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流行っている「授業系」本の何番煎じかと思ったら、これがなかなか面白い。最近の自分が漠然と考えていたことが書いてあるのにハマる。画像には表示されていないけれども、書店では、帯に盲目のインド人美女の写真つき。
読み物として引き込まれるようになっているのは、著者自身がインドのシーク教徒であり保守的で選択肢のない人生から、アメリカの生活において、選択こそ人間の満足度が得られる要素であるという考察からはじまる。
興味深い事例がいくつも取り合げられる。恋愛結婚より見合結婚のほうが満足度が高いのは何故か。スーパーマーケットにおけるジャムの選択肢を例に、人は選択肢が多いほど満足するのかという問いに対して、予想とは違う結果が現れる。
終盤に、著者が高名な占い師に「いま書いている本」(おそらくこの本)についてたずねるエピソードがある。占い師は作品の出来に太鼓判を押し、著者は勇気付けられ、今わたしたち日本人は彼女の本を翻訳で読むことができる。
人は何かに導かれ、確信し、現実になるというのは、黄金のルールか。
(貸出中)
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人は、たとえ後でどんな結果になろうとも、自分で選択したほうが悔いが残らない。後でその選択を後悔しても、あの時に自分で選ばないで、人に決めてもらったほうが良かったとは思わない。自分が大きな選択を迫られる立場に立った時、後で後悔しても最善の道を選択できるように柔軟でありたいと思った。この本は良書だね。しかし「ソフィーの選択」って実は読んだことがないんだけど、ものすごい重い選択を迫られる話なんだなあ。
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「24種類のジャムを売り場に並べて試食させるよりも6種類に絞った方が売り上げが上がった」
分厚さに怖気づいてたけど、面白かった!!
著者は、コロンビア大学ビジネススクールの教授。両親はインド・デリーからの移民で、厳格なシーク教徒。彼女は、高校にあがるころに眼の疾患が原因で全盲となる。
生きる上で「選択」はつきもの。そんな「選択」という行動を行うとき、何が起こるか。人はどう「選択」するか。人の「選択」にはどういうバイアスがかかるか。
映画、古典、詩、歴史、心理学、政治、哲学、企業戦略などの豊富な引用によって読みやすく、飽きない。
日本人を例に挙げるケースも多々あって、極端な例に突っ込みたくなる時もあるけど、総じてわかりやすい。多文化的観点からの分析は興味深いです。
動物園の動物と寿命の関係、 企業における裁量権と満足度の関係、宗教における戒律の厳しさと鬱病の関係、 わが子の延命措置を施すか否かという選択、恋愛結婚と見合い結婚の関係などなど。
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感想はこちら → http://mdef.blog29.fc2.com/blog-entry-96.html
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ずっと積んでいた本書をようやく読み始めた。内容は学術的だが読みやすく、また様々な示唆に富んでいて非常におもしろかった。
人間の「選択」についての論考だが、自身の仕事の関係もあり、人が物を購入するときにどういった選択をしているのかについて、特に興味深く読んだ。
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選択に影響を及ぼす内外の諸要因と、選択の結果が人に及ぼす影響についてのアレコレ(エピソード)集。
各講の扉文がよく出来ていて、復習に役立つ。それらを集めた目次を読めば種々のエピソードがよく思い出せる。
"THE ART OF CHOOSING" by Sheena Iyengar
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題名の通り、人間が(動物が)行う選択についての、大学の研究がわかりやすく書かれている。
全編を通して、選択とは何なのかを導き出しているのではないので、とぎれとぎれの感がるが、こういうことをマジメに研究すれば、こうなるのかと、納得させられた。
選択があれば、幸福でなければ不幸みたいな単純なことではなく、育てられた環境や経験、取り巻く環境、事象の自分にかかわる大きさなど、さまざまな要素によって、幸福や満足感が変わってくる。
読み物としては、大変面白い。