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紙の本
熱い語りに、熱くなる… 食の達人たちが語る数々のドラマ
2010/12/28 10:33
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:佐々木 なおこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
小学館文庫から出たばかりの一冊。実は最近、小学館文庫づいていて、と言うか初めて小学館文庫を買ったのがつい先日のこと。映画化された佐藤泰志さん著『海炭市叙景』をこれは惹かれると思い、買ったばかりだったのです。二冊続いて、なんだか小学館文庫が身近に感じられるようになりました。キャッチフレーズが”読んで美味しい小学館文庫”、これから当分マイブームになりそうです。(^-^)
ノンフィクション作家の野地秩嘉さんが、食の達人たちに、その達人たちがおいしさを作りだしている根源をじっくり聞きだしています。
例えば、予約もままならずなかなか手に入らない「空也もなか」(東京都中央区銀座)のご主人の話。「作りたてのものをその日のうちに売り切る。」この空也の商法を守るべく、切磋琢磨し、美味しいものを安く届ける心意気に頭が下がった。
京料理の「京味」(東京都港区新橋)のご主人は京都を捨てて、29歳の時に上京。3人の男から助けてもらっての上京話が胸に迫るが、それだけではない。ご主人の「目の前に座った客を喜ばせたいから全知全能を傾ける」姿に圧倒された。
ふぐ屋の「三浦屋」(東京都新宿区新宿)のご主人は、ボクサー出身。丁寧な仕事ぶりを目の当たりにしすごいなぁ~と感服しつつ、「ラッキーで儲かっている店なんかありえない。毎日努力して、少しずつ客を増やしているんだ。オレはそういう姿勢で41年間、仕事をしてきた」という言葉にしびれる。
割烹「きく」(東京都中央区銀座)のご主人の話。ここは看板メニューがあじのフライでよく知られている。ご主人は高校で陸上の選手をしており、インタビューの中でも陸上の話題が出た。「なんで陸上の話をしたかというと、料理と通ずるところがあるんですよ。料理にうまい料理人と下手な料理人を分けるのは集中力ですね。それと強い想い。陸上をやってたから、そのことがわかった。」必死の想いで、看板メニューを作り上げた話に感動の嵐がおこる。
ほかには、フランス料理店「ロオジエ」(東京都中央区銀座)、中華料理店「菜の花」(名古屋市千種区若水)、レストラン小西(富山市堤町通り)、高良食堂(那覇市若狭)、七兵衛そば(山形県北村山郡)など。東京以外にも全国の食の達人たちの話を集めている。
野地さんが聞き手だからこそ、ご主人が話したエピソードが多いのではないか?そんなことをたくさん思った。ふところを割って話した内容が感動を呼ばないわけがない。食の達人たちの熱い語り、熱い想いに、それぞれのドラマを感じ、素晴らしいなぁとこちらも熱い想いとなった。
文庫本解説は川上弘美さん、です。
彼女の推薦文が、これまた最上!
まずは、解説から楽しんで、本文を読むことを私はお勧めします。(^-^)
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