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デンマークの童話作家であるアンデルセンが最初に発表した小説がこの『即興詩人』
アンデルセンの憧れの土地であるイタリアを舞台に、即興詩人になる事を夢見る少年、アントニオが主人公で物語は進んで行く。
とても詳しくイタリアの様子が描かれており、特にローマの描写は地図通りである。
ただ、やはり読みづらくとも森鴎外翻訳の『文語体 即興詩人』をおすすめする。
日本語の美しさを再確認できる。
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NHKBS 週刊ブックレビュー912号の特集コーナーで紹介されてました。http://www.nhk.or.jp/book/index.html
アンデルセンの自伝的小説だと云われてる作品だそうです。画家・安野光雅氏による装丁画に挿絵と相まって19世紀のイタリア各地の叙情性溢れる名勝旧跡にタイムスリップした心持にしてくれる。
およそ590頁の長編!なんとか、途中放り投げずに読めた。
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アンデルセンの「即興詩人」を森鴎外が翻訳したものを
安野さんが口語訳!
安野さんの表紙がすてきで手にとったけど、
森鴎外もむかしなんとか読んだ気がするけど
アンデルセンもなんこか読んだけど
「即興詩人」は読んだことありませんでした
安野さんが、鴎外の文章を読めなくなってる現代人のために口語訳してくれたんだって!
これを読んで興味を持ったら鴎外のも読んでほしいんだって!!
舞姫の口語訳がでまわってたもんなあ
若者よなさけない!
と言いたいけど
たぶんわたしも読むのはとっっても大変
へたしたらまったく読めないかも・・
たった150年(鴎外生誕150年らしい)で
理解不能になってしまうのか・・
でも言文一致とかあったからで
今から今の文章が150年たって読めないか、っていうと
読める気がするんだけど
どうかな~
肝心の内容は、口語訳してあるにも関わらず
難解
何がむずかしいって、なにがむずかしいのかなあ
今手元にないのでわかんないけど・・
おおまかあらすじは、そうだなあ
うーーーん
ベルナルドっていう恋のライバルが
好青年で好男子でナイスガイでいい男(みんな同じ意味)
かっこいい
この人と、売れっ子の歌手の女の子をめぐって
すったもんだあって
いろんな人の庇護とか応援とかいざこざとかあって
うーんと
イタリアを遍歴して
盲目だった少女とふしぎな再会をして
結婚!おめでとう!
って話
ナポリ・ローマ・フィレンツェ・ヴェネチア・ミラノ・・
イタリアをうろうろするので
なんかすっごくイタリア行きたくなる
とくにナポリとローマ行きたいな~
写真とか旅行雑誌がかたわらにあるとより一層楽しめるかも
貴族とか、当時の風習とか生活とか
わかってるともっと楽しいんだろうな~
居候でなぜ食べていけるのかとか
どんぐらい肩身狭いものなのかとか
想像はできるけどよくわからない・・
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主人公・アントニオが幼くして母を亡くし、親友ベルナルドと出会い、一人の女性を巡る決闘の末、逃亡し……と波乱に満ちた青春時代を描いています。
前半は、持って回った言い回しや情景描写の多さにまったりとしていてなかなか進みませんでしたが、ベルナルドとの決闘あたりからグンと急展開して行き面白くなってきました。
文体にも慣れてきたのだと思います。
コンプレックスで鬱々としたアントニオより、ベルナルドの天性の明るさが好きですが、当時の貴族社会がその格差を感じさせます。
元は、森鴎外の文語訳ですが、案野光雅が、もっと読んで欲しい作品ということで、口語訳にしたものです。
大げさな口調もありますが、丁寧な日本語の良さを改めて感じました。
もちろん、装丁も挿絵も案野さんで素敵です。
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詩人アントニオが、歌姫アヌンツィアタへの恋を抱きながらローマ・ナポリ・ポンペイ・ヴェネツィア・ミラノとイタリア各地を巡る様とイタリアの自然が美しく情緒ある文体で書かれた、とても綺麗な本だった。
当時の人はこの本を片手にイタリア各地を巡ったらしいが、なるほどそうしたくなる気持ちも分かる。「原作を越えた」と評された流麗な文語体は流石に現代人の自分には読み辛く、今回口語訳されたことで読んでみた。結果、自分ももう一度イタリアへ行くときは、必ずこの本を持って行こうと決心したw
惜しむらくは、描かれた自然の美しさを想像することはできても胸を焦がす程の激しい恋愛をしたことがないので、主人公アントニオの気持ちでイタリアへ気持ちを巡らせれなかったことw恋愛から縁遠くなって流石に危機感を覚えてきたので、無理にでも新しい出会いを求めてみるのもいいかもしれないなw
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(2013.11.06読了)(2013.10.27借入)
誰かが「即興詩人」を推薦していたのと安野さんの口語訳が出ていたのを思い出して、図書館から借りてきました。どんな話なのかという事前の知識なしで取り掛かりました。
「まえがき」によると「これは、だれもがこころを焦がした、恋の記憶なのです。」と書いてあります。青春の恋物語ということです。
題名の通り、即興詩人のアントニオの物語です。舞台はイタリアです。
最初の方は、ローマをうろうろしますが、ナポリに移り、ポンペイの遺跡やらヴェスヴィオ火山への登山の話なども出てきます。アマルフィへ行き、ローマに戻り、6年過ごしたのちにヴェネツィア、ミラノへと旅を続けます。
イタリアを好きな方には、お勧めです。既にイタリアへ行ってきた方でも、これから行く方でも全然行く予定のない方でも結構です。
主人公アントニオは、母子家庭で育った。六歳のときに、母は、馬車に惹かれて死んでしまう。馬車は、ボルゲーゼ家のものだったので、責任を感じたボルゲーゼ家は、アントニオの面倒を見ることになる。アントニオは、ベルナルドという友を得て、友情を育てるのだが、同じ女性を好きになり、決闘をすることとなり、友を傷つけローマを去りナポリへと向かう。ナポリでも友人を得て、支援者も得て、楽しく過ごすが、人妻に言い寄られて、危険を感じたアントニオは、ローマへと戻る。その時までには、ベルナルドは、命を取り留め、傷も治っているという情報を得ていた。
ローマのボルゲーゼ家で、6年間過ごしたのちに、ヴェネツィアへと旅立つ。ヴェネツィアで良家の娘と知り合うが、財産めあてに言い寄っているといううわさに傷つき、ミラノへと旅立つ。ミラノで、ベルナルドと偶然出会い、和解する。
なぜか胸騒ぎがするので、ヴェネツィアに戻ると…。
ゆく先々で、善き友と、綺麗な女性にめぐり合うという、うらやましいような物語なのですが、結構ハラハラドキドキもあり、イタリアの観光名所めぐりもあり、楽しませてくれる物語でした。
【目次】
まえがき
一 思い出のピアッツァ・バルベリーニ
二 カタコンベと聖歌隊
三 美しい女の子と、はじめての即興詩
四 ジェンツァーノの花祭り
五 スペイン階段のベッポ
六 夜のコロセウム
七 カンパーニャの荒野
八 水牛
九 ボルゲーゼ家
十 ダンテの『神曲』
十一 わが友、ベルナルド
十二 かわいい修道女
十三 ユダヤ人居留地区
十四 ユダヤの乙女
十五 舞踏会
十六 カーニヴァル
十七 オペラの歌姫
十八 おかしなオペラ
十九 即興の詩
二十 カーニヴァルの終わる日
二十一 恋のイバラ
二十二 親友と恋
二十三 アラチェリ教会
二十四 アヌンツィアタのこと
二十五 イースター
二十六 決闘
二十七 絶望の逃走
二十八 山の隠れ家
二十九 ナポリへ行く
三十 留守番と賛美歌
三十一 テルラチーナへ
三十二 ポンティネからテルラチーナまで
三十三 イトリ・ガエタまで
三十四 ナポリの貴婦人
三十五 すばらしい自然
三十六 考古学者夫人のサンタ
三十七 絶望の手紙
三十八 希望の日まで
三十九 ポンペイとエルコラーノ
四十 ヴェスヴィオ
四十一 カジノ
四十二 はじめての舞台
四十三 ヴェスヴィオの恋の炎
四十四 ある士官の影
四十五 恩人との再会
四十六 いましめの言葉
四十七 ペストゥムの少女ララ
四十八 アマルフィのできごと
四十九 たつまき
五十 夢幻の洞窟
五十一 遭難
五十二 ローマへ
五十三 招かれざる教師
五十四 フラミーニアの君
五十五 エリザベッタ
五十六 ドメニカ
五十七 さらばローマ
五十八 老女フルヴィア
五十九 ヴェネツィアへ
六十 水の都ヴェネツィア
六十一 嵐の海
六十二 ローザとマリア
六十三 しおれたバラと白鳥
六十四 アヌンツィアタの手紙
六十五 ヴェネツィアからミラノへ
六十六 ララとマリア
六十七 グロッタ・アッズラ
あとがき
●ユダヤ教徒(140頁)
そのころローマの町には、ユダヤ教徒が自由に住むことはゆるされず、特別居留地区が設けられ、その住む場所をきめて囲いこみ、夕暮れになるとその門を閉じ、番兵を置いて人の出入りを禁じていた。
●追剥(298頁)
ローマとナポリの間ほど、追いはぎに便利なところはないだろう。奥が知れぬほどつづくオリーブの林、所どころに開ける自然の洞窟から、昔、ひとつ目の巨人が築いたという長壁の遺跡まで、身を隠し人をうかがうのに都合のいいところばかりである。
●生きる(330頁)
時は駆け足で過ぎていく。そして人はめいめい自分の重荷を背負って生きるのだ。心配するな。鉛のような重さもあれば、玩具にたがわぬものもある
●即興詩(536頁)
わたしも父の顔を知らず、おさなくして母を失った。知らず知らずのうちに、自分の生い立ちを、この残された子どもたちに重ねていたかもしれない。人それぞれに人生があり、どのような境遇にも負けずに生きていかねばならぬことを、いつしか、自分に言い聞かせて歌っていたのだ。
(2013年11月6日・記)
(「BOOK」データベースより)amazon
文学史上最後の文語文といわれている森鴎外の雅文『即興詩人』(アンデルセン作)。安野光雅が5年の歳月をかけて完成させ、現代によみがえる19世紀の恋と青春の物語。
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これにつきあえるだけの余裕が無い。テレビ、ドラマを見る気がしないのと同じ感じ。だから、一旦、返す。図書館。でも、また近いうちにまた借りて続きを読みたい。
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たとえ人生においてたった数日であっても、自分が行ったことのある場所(ローマ)が舞台となると思い入れ強く読める。
今、ゆっくりと、大切に読んでいる。
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読了。残り200頁に至っては、ある意味ハリポタと似ていて、今までの布石が次第につながりはじめてゆく。ついには、区切りもつけられなくなってしまい、時差ボケもあるが、夜を明かしてしまった。
こんなに素晴らしい本が、必読書として取り上げられていない(少なくとも自分の周りでは)事に驚くと共に、是非とも多くの人々にお勧めしてゆきたい。