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コールドスリープセンターで凍眠するモルフェウスと、たった一人でシステムを管理する涼子の物語。
この設定が、どれだけ現実的なことかもわからないし、相変わらずの、他の作品を読んでいないとわからない伏線には正直萎えた。
それでも、少女時代から孤独な生活を送ってきた涼子が、両親に見離されたモルフェウスに注ぐ強い母性愛には感動した。
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日比野涼子がなぜモルフェウスに対して、あそこまで固執しているのか理解できたら、この作品ももっと面白く感じたかもしれない。
次への複線か、いくつか謎が取り残されたままで終わってしまうのも不満。書くなら書く、書かないなら中途半端に書かないで欲しい。
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ちょっと近い未来の話で「医者のたまご」と「ジェネラル」の間に存する話しで、主人公の少年の、始まりとその後の間を繋ぐために冬眠という手法を出してきているが、相変わらず時代を前後して物語を紡ぐため、年代が後の話の中では前の話が語られておらず、年代順に読むよりも、発表順に読むのがお約束。それにしても今回は今までの作品の脇役である渡海(医務官、ただし正体は明かされていない)や八神(厚生省上司の正体、今後、更に偉くなる?)、曽根崎、かおる、みどり等が煌びやかにチョイ役で登場するが、相変わらず時代が前後するため、相関関係と歳が分かりにくいので、相関図と年表の更新をどなたかにお願いしたい。新しい登場人物では西野が際立つ。登場する人物すべてが殆ど通り名(マニッシュリーパー)を持ち、一種の天才だらけで、それらの人間関係が繋がっているため、桜ノ宮は、非常に特異で普通の人には過ごしにくいであろう世界である。冬眠にかかわる社会のありようと倫理感にかかわる問題提起は、いかにも医者の作者らしく秀逸。
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懐かしい東城大病院の皆さんが元気そうで良かったのです。
が、実は良く分かりませんでした。
何故あんなに守ろうとしたのですか?
何から何を守ろうとしたのですか?
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海堂さんの新作です。
今回は、現在、持病を抱えている方が、凍結によって完治できる可能性のある時まで治療を延ばせたらどのような問題点が起こるかということについて描かれています。
しかも、5年間という凍結の限界の中で、起きた時に本当に治療法が確立してるか分からないことや、その間の権利や年齢の問題など様々な問題点が生じることがこの本を読んで考えさせられます。
今までの海堂さんの本とはちょっと違った雰囲気があると思います。
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☆p56 バカだな、君は。自由競争になったらどんな有象無象が応募してくるかわからないだろう。審査にも手間がかかる。最終的に我々官僚が採択するんだから、それならはじめから選んだところだけに応募させれば一番効率がいいだろう。
☆p57 内部の手続きの遅滞による不具合だ。だが手続きの履歴は残るから公募をクローズで実施でき、遡って検証されても、我々はこの時期から対応しておりましたと国会で言い抜けられる。
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海堂さんの本は論理のぶつけあいみたいなのが一番好きなので、そういった意味ではちょっと物足りない。「スリーパーをひとりぼっちにしてはならない」というのは、シンプルにしてなかなかに面白い論理破綻だけれども、よくある視点ではあるので、ステルス・シンイチロウであれば、この程度のことを考えてないとも思いにくいような気もしないでもない。
相変わらず、医療やそれに関連する領域に関して様々な問題提起していく姿は見ていて気持ちがよい。そして、やはりこういう問題を個人的な形にして具現化して提示できるのが物語の強いところだなぁと思うわけで。新聞を読んでいても、想像力の乏しい私にはなかなかここまでは考えが及びません。
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コールドスリープにまつわるアレコレ
海堂尊には外れがない。医療を主題としていることに否定的でなければ楽しめること請け合い。教養的な雑学も多く含まれ、知的な刺激もある。
今回は、冷凍睡眠と呼ばれる分野が主題だ。官僚主義対異能力者といった趣の作品が多かったが今回の主人公は事務員。過去の作品でお馴染みの異能力者達も登場し、見事に物語が完結する。
舞台が冷凍睡眠室を中心とし、冷凍睡眠者自体には外科手術のように劇的な事態が起こるわけではないのに、物語に抑揚をつけている。
★三つにしたのは、海堂尊だからで、この主題をここまで興味深くできることは偉業だと思う。
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日比野涼子は桜宮市にある未来医学探究センターで働いている。東城大学医学部から委託された資料整理の傍ら、世界初の「コールドスリープ」技術により人工的な眠りについた少年・佐々木アツシの生命維持を担当していた。アツシは網膜芽腫が再発し両眼失明の危機にあったが、特効薬の認可を待つために五年間の“凍眠”を選んだのだ。だが少年が目覚める際に重大な問題が立ちはだかることに気づいた涼子は、彼を守るための戦いを開始する―“バチスタ”シリーズに連なる最先端医療ミステリー(「BOOK」データベースより)
『ナイチンゲールの沈黙』で、いとけない男の子だった彼が~!
なんだか親戚の子が急に大人になって現れた、みたいな妙な感慨が・・・ww。
でも語り手が女性だと、とたんにセリフ回しが芝居っ気たっぷりになるのはなぜなんだ。
『螺鈿迷宮』の時もそうだったんだよなー。
『マドンナ・ヴェルデ』は理恵先生のクールさに救われていたけれど、今回は過剰気味。
なんかいちいち引っかかるんですよねぇ・・・。
中身もちょっとぶっ飛んでたなー。
ちょこちょこリンクは面白かったけど、それ以外は「うーん・・・」な作品でした。
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読みやすさは、毎度のこと登場人物が少なめでサイドストーリーてき?
最後の落ちが気に入らないが、後を繋げる終わり方。
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ナイチンゲール後のお話。
レティノが再発したアツシが治療薬の認可を待つために
5年間の人口凍眠を選択していた。
モルフェウスを社会から一人で守ろうとする
日比野涼子の献身は母のようであった。
涼子が無事コールドスリープから目覚めたとき
アツシと暮らせるといいなぁ。西野の最後の仕込が
ちょっと素敵だった。
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2011/7/5読了。
近未来の桜宮を舞台に、凍眠(コールドスリープ)する少年を中心に据えた小説。おなじみの登場人物たちが多数でてきます。
いつも以上のロジックの切れと展開の鋭さのためか、即日で読了できました。
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<内容>日比野涼子は桜宮市にある未来医学探究センターで働いている。東城大学医学部から委託された資料整理の傍ら、世界初の「コールドスリープ」技術により人工的な眠りについた少年・佐々木アツシの生命維持を担当していた。アツシは網膜芽腫が再発し両眼失明の危機にあったが、特効薬の認可を待つために五年間の“凍眠”を選んだのだ。だが少年が目覚める際に重大な問題が立ちはだかることに気づいた涼子は、彼を守るための戦いを開始する―“バチスタ”シリーズに連なる最先端医療ミステリー。
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面白かった
さすが海堂作品だけあってぐいぐい引き込まれる
『モルフェウス』って眠りを司る神様は麻酔の『モルヒネ』の語源らしい
それにしてもアツシ君にこんなドラマがあったなんて
内容的にはコールドスリープなんてSFチックな話ではあったけれど
医学のたまごで出てきた時には
いきなり何故天才児??と思ってたのに
途中、かおる君と曾根崎みどりさんとすれ違うシーンは
ちょっと嬉しかった
あと、パパの曽根埼伸一郎(=ステルス・シンイチロウ)
相変わらずかっこいい
彼を主人公とした話が読んでみたいなぁ
最後まで実名では登場しなかったけど
ノルガ共和国で出会った医務官の渡海征司郎
嬉しすぎた
ブラックペアン1988以降どうなったんだろう?
と思っていたけどまさかアフリカとはびっくり
いつか日比野涼子とも再会できるのかな
「5歳のレティノって本当にあるのかしら?」
って台詞
怖すぎる
もしかして、アツシはレティノじゃなかった??
取りだした眼球の病理検査もしていないらしく、
島津吾郎のミスなのか??とか
東城医大の闇を感じてちょっと怖すぎる
どこかでこの謎暴かれるのかしら?
もしレティノじゃなかったら?
アツシくんとか牧村瑞人とか刹那すぎる
しかも
それから、ハイパーマンランドで遭遇した「黒人の少年」は、
恐らく、『チーム・バチスタの栄光』で手術を受けたアガピ少年らしい
彼の出身は、ノルガ共和国なんだって
やっぱりいろいろ読み直したいわぁ!!
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初の海堂尊作品。 「桜宮サーガ」と呼ばれる一連の作品群の中の最新作らしいですが、ここから読んでも問題なく楽しめます。他の作品も読んでみようかな。