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ユダヤ人名事典 みんなのレビュー
- ジョアン・コメイ (著), ラヴィナ・コーン・シェルボク (改訂), 滝川 義人 (訳)
- 税込価格:9,680円(88pt)
- 出版社:東京堂出版
- 発行年月:2010.12
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紙の本
「マカベア書」以降から現代まで。
2010/12/25 23:41
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オタク。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ヨセフスの「ユダヤ戦記」に記された事で名前が残ったマサダに籠城したユダヤ人達の指導者エレアザル・ベン・ヤイルと第2次ユダヤ戦争の指導者シモン・バル・コフバについての記述が一番印象に残る。この二人がイスラエルの英雄になったのはシオニズムの時代が来て、キリスト教社会のものとなってユダヤ人が忌避していたヨセフスの著書をユダヤ人が読むようになったり、バル・コフバの再評価がされるようになったからだろう。
マサダと手紙の洞窟が第1次中東戦争の休戦ラインとなったグリーンラインのイスラエル領内に入ったので、第3次中東戦争前にイスラエルの学者の手によって発掘調査がされるようになったのもあろうが。
ナザレのイエスと使徒パウロについてシャブタイ・ツヴィやヤコブ・フランクみたいなユダヤ史上の偽メシアといった扱いをされていない点も興味深いものだ。ルターや預言者ムハンマドについては結構辛辣なのに、と思う。
イスラエルとの関係でヨルダンのアブドゥラー1世とフセイン前国王を立項するならばイスラエルと最初にアラブ諸国で初めて国交を結んだエジプトのサダト大統領も立項すべきだし、ショアーに関わった人物ならアイヒマンと一緒にヒムラーやハイドリヒは立項する意味はありそうだ。
翻訳の過程で原初にアルファベット順に立項されていたユダヤ人と非ユダヤ人とを分ける過程で何故かカトリックに改宗したユダヤ教徒出身のトマス・デ・トルケマダが非ユダヤ人に立項されている。
作曲家の祖父であるモーゼス・メンデルスゾーンについて結構きつい言葉がかけられている。ドイツ社会に同化したユダヤ人達の代表格なのだろうが、ドイツ以外の国々の社会に同化したユダヤ人達のモデルとして、色々な意味で彼と彼の一族はユダヤ史上重要な存在だと思うが。
第三帝国時代のドイツでユダヤ人の親や祖父母を持ったり、「アーリア人」と結婚したユダヤ人の扱いがややこしいのも、それだけ改宗してドイツ社会に同化したユダヤ人が多かったわけだ。逆にユダヤ人と結婚して亡命したドイツ人もいたわけだし。
ヤド・ヴァシェムで義人として顕彰されたドイツ人が476人いる、とあるが、どんな人達なのか知りたくなる。こういった「もうひとつのドイツ」について知るのも一考になるものだ。
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