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容姿の醜さによって、すべてを否定されてしまう…
それは否定できないテーマだからこそ、TV番組でも「美容整形」によって変身という形で華々しく語られる。
主人公は、運命的(?)に出会ったお金持ちの天才的な医師により、長い時間をかけ美しい女になる。
なんだかんだとあっさりその美しさを受け入れ、その美貌に惹かれたお金持ちの青年をパトロンに世界を旅し、日本へと戻ってくる。
予想されるようなあっけない終わり方に、少し不満が残ります。
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容姿の違いによって受ける差別。
結局そこから逃れる術はみつからない。
容姿を変えれば幸せになれるわけではなく、彼女はより醜さや見た眼に敏感になった。
露骨な人間の姿は、いやらしいものだが、
だからこそ愛らしいとも思えるのではないか。
沢木涼子の視点からそんなことを感じた。
山岸の行動は、喜びなのか、絶望なのか、
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整形して美人になる話。百田尚樹の「モンスター」を先に読んでしまったので、ちょっとインパクトに欠けたかも。
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超絶ブサイクな女の子が整形して中身も磨いて新たに人生を歩む話。
結局、整形してからのアカネの人生がどんな風に変わったのかあまり描かれてなくって残念。人生は平等じゃなくて美人は得をするけど変えられない気持ちもあるって言ってるけど、そのへんをもっと掘り下げて欲しかった。
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雑誌で、女優の竹内結子さんが紹介していたので気になって読んでみることに。
シンデレラストーリーのようであり、でも、ハッピーエンドとははっきり言えない。女性にとって「容姿」は生きるか死ぬかまで考えてしまうほど重要な問題。
それを男性の五木さんが描いたのはさすがだと思う。
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不細工は心がキレイというのは幻想。そうだといいなという願望に引きずられて忘れがちだけど、改めて心に刻んだ。
人はみな平等という幻想も同様。それを認めて生きていくのはなかなかしんどいことですな~。
自分ってなんだろ?内側と外側には分けられない。時分の醜さをどんなに呪っても別れることはできない。
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大好きな作家さんで、色々と読みあさった時期があったけど
5年ぶりくらいにまた読んでみました。
整形することによって変わっていく自分自身と世間とのギャップ。
それを受け入れる覚悟を決めて踏み出した生き直す人生なんだけど、深いところで過去の自分を忘れなれないことを
自覚。ラストがなんとも切ないというか。
後半は概念的な要素が多くて読みにくかったようにも感じたが、やはり五木寛之さんの文章は惹かれるものがある。
外国の風景の描写がたまらない。
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醜い容姿に生まれた女性が、整形手術により美しい容姿に変わり、以前の容姿と今とでの世間の接し方の違いを感じながら、美しい容姿になったことの苦悩を感じ生きていく生活に引き込まれるように読み終えられた。美しい容姿に変わってからの話がもう少しあったらとも思ったが、このようなあっさりとした終わり方が逆に良かったのかなとも思う。
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1995年発売の本。図書館で借りた本。
知らない本だった。
驚いた。
最近の本は、〇〇賞などでも、どこかで読んだような気がするものが多く、年代的にももう合わないのかな、と思っていた。この本は帯に書いてあるラブホラーではなかったが思いがけないストーリー。そして読んでいて楽しく、もの悲しい。
隠岐諸島の民宿に住み込みで働く、牟田口アカネ。
ある日、クサカゲ・マコトという美しい男性が宿泊客としてやってくる。クサカゲの魅力的かつ驚きの提案を受け入れアカネは、自殺のフリをして上京して形成外科専門医である彼の自宅に同居し、容姿を変え、別人になる計画に加わる。
モスクワに渡り、クサカゲと仲間のドクターに顔を骨格から造り替えられる。
見た目だけ変わっても意味がないという医師団の方針で、術後一年間視力を塞ぐ「Blind Method」を受ける。
アカネは、周りの医師、看護師の教えで、あらゆるジャンルの知識を死にものぐるいで吸収することにより、人間的にも変化する。
美しい容姿と多くの教養を身に付けたアカネは、沢木涼子となり、クサカゲとはモスクワで別れ一人で旅をする。
醜かったころには感じたことがなかった、他人の優しさ。
美しい人は意地悪であることが多い、と感じていたが、そうでない場合があることに気づく。
美しい人は人から優しくされる→その心地よさから、他人にも優しくできる。
100%の真実でもないが、容姿に激しくコンプレックスを持っていた、かつてのアカネには思うことも多かったのだろう。
誰もが抱える、自分の見た目、もっと違う顔、違う体だったら…という願いが叶った場合、今とは全く違う人生を送れるのか。
ないより、ある方がいいだろう。でもこの話の最後はお姫様のように過ごせたリョーコになったアカネが、行き着くのはどこなのか。
旅をそろそろ終わりにして日本に戻るのは、何故か。
傍から見たら素敵なクサカゲは、変えても変わらなかった自分自身のアイデンティティを探すたびに出る。
そしてアカネは、何を探しにどこへ行くのか?
素晴らしい作品に出会えたことに感謝です。