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一般読者向けに経済学的思考の特徴を、いわゆる「シロウト経済学」と対比させながら、わかりやすく論じたもの。不勉強である私は岩田先生がここで取り上げている辛坊氏も、辛坊氏の書いた本も知らなかったのだが、こちらの本(→http://amzn.to/ee9RwY)らしい。
辛坊氏本の Amazon 書評を見ると、は「正真正銘のトンデモ本」と酷評されているから、大方の読者もそれほど惑わされているわけではなさそうだが、岩田先生の本はそうしたトンデモ本批判だけではなく、それをダシに使いながら、相当難しい(複雑な)話も論じている。初学者にはやや敷居が高いと感じられる記述もあるが、経済学を正しく使えば、そうした難しい(複雑な)問題も解決に導けるのだというメッセージは伝わってこよう。大学1年生くらいに読んでもらい、ディスカッションのネタにしたいと思う。
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経済学の専門家でない人が経済本をものし,それが結構売れちゃう日本。経済学者がこの現状に警告を発する本。
一般向けに噛み砕いて本を書いてきたのに,間違いだらけのシロート経済本の方が売れると愚痴もこぼしている。筆者は,他の分野ではそんな非専門家によるダメ本は幅効かせてないよねと言っているが,トンデモ本が売れるのは経済学に限らないと思うけど…。
経済学は演繹で,似非経済本は帰納だ!と両者の違いを強調。前提を仮定して,そこから経済の動きをを演繹的に導き出すのが本物,あやふやな帰納とか類推を使って大雑把に分かったような気にさせるのがニセモノだという。
まあいいたいことはよくわかるし,経済学の説明も何とか追えた。ダメ本としては,辛坊治郎・辛坊正記『日本経済の真実』を取り上げて,めった斬りにしてる。
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最近本屋さんに行くとありふれている「シロウト経済学の本」(経済学者ではない人が書いた、一見分かりやすそうだが、間違いも多い書籍のこと)に喝!!を入れつつ、正しい経済学の観点から、ギリシャ問題や日本の財政、雇用問題などについて解説している。
けっこう難しい話題も多いが、なるべく分かりやすく読者に伝えようとしている姿勢が好印象。おれみたいな経済学初心者におすすめできる一冊。
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読み物として面白いです。
ちなみに、帯にデカデカと書かれている「喝!!」は、岩田先生本人曰く、
TBSの報道番組サンデーモーニングの人気コーナーである週刊御意見番で、故・大沢親分と張本さんが使う「喝!!」と同じものだそうです。
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機会費用や合成の誤謬など経済の基本原理が学べる第4章は勉強になった。いやはや、昨今は増税ネタがニュースになっていて、私は増税には勿論反対である。理由は増税すると、消費がなくなり、結局税収は伸びないから意味ないと思うからだ。著者は根本原因がデフレである事だという。まったくその通りと思う。辛坊氏への批判がこれでもかというくらい散りばめられている。ちょっと大人気ないと思う。
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タイトルから察して具体的な思考方法が書かれていると思いきや、そうでもなかった。第7章の具体例が経済学に疎い私でも、経済学的な考え方とはどういうものかが理解出来た。帰納法は聴衆に共感を与えるが本当に結論が正しいか怪しく、演繹法は理論で結論を証明していくので説得力は増すが、幾分面倒臭いし聴衆ウケが悪いということ。つまり、経済学的思考は演繹法で考えるということらしい。ただ、終始某アナウンサーの経済論の批判が目についたのでそれは如何なものかと疑問を感じた。
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どうしてシロウト経済学はダメなのか、様々な例を用いて説明してくれており、読みやすかった。しかし、なぜダメなのかはよくわかったけれど、本来の経済学的思考である、演繹法や数式やグラフを用いて説明されている5章6章などは、ちんぷんかんぷんだった…。
シンプルな方がわかりやすいけれど、様々な要因が考慮されていないから悪影響を及ぼすだけという場合が多いんだなあ。経済は、大枠で見るため個人の損得だけが問題になるのではない。私はどうしても自分の損得や目の前のことだけで考えてしまいがち。帰納法には、錯覚の科学に通じるものがある気がした。因果関係とか。経済学はそう簡単に論じれるものではないんだなと思いました。難しかったー。
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シロウト経済学では過去の経験から結論を導く帰納法が使われるが、本当の経済学は仮定を立て命題を論証する演繹法を使う。確かに経済に関しては時代とともに絶えず変わっており過去の経験では予測できない未来がある。そう考えると帰納法では予測ができない学問かもしれない。また個人や会社の経営を合成してマクロ経済学に話を膨らますことはできないということだ。日銀の誤った対策によるデフレの遷延化が現在の日本経済の問題の原因と主張している。
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岩田先生はこういう啓発的な基礎テキストを書くのがたいへん上手だと思います。
簡単=いい加減ではなく、本質を捉えて平易に説明するというのは真に理解していないと書けるものではありません。
これは経済学的な考え方の解説ですが、
「世の中の事象の原因は単純なものではなく、表面だけ見て言うとたいてい間違っている」
「専門外のことにやたら意見を言うものではない」と
学問全般の心構えになっているかと。
なお、日本銀行批判もちらりと出てきますが、「日本銀行はあらゆる手段を用いて人々の間にインフレ予想を形成すべき」というのは正論ではあります。日本銀行にはデフレ脱出のインセンティブが無いという指摘は的を得ておりますが、場当たり的な政治家の恣意を許しかねない日銀法改正にはやはり危惧を持つものであります。
この辺りの金融政策にフォーカスした岩田先生の意見を深く聞いてみたいところです。
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経済学初心者の私にもとてもわかりやすい。
かつ読み物として面白い。
個人特定のバッシングはいかがなものかとは思う。
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経済学の基本的な考え方をとても丁寧にわかりやすく説明してくれる良書。経済学を学ぶ前に読むといいかも。
・帰納法ではなく演繹法
・機会費用
・インセンティブ
・市場原理主義と自由放任主義の違い
・比較優位
・非対称情報
・温かい心と冷静な頭脳
著者の岩田規久男教授には辞意を表明した白川日銀総裁の後任で総裁をやってほしいが下馬評的にはちょっとないかな。委員会のメンバーにはなってほしい。
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読了。旬な著者の一冊。読み始めでは「頭のイイ皮肉屋」的イメージをもったけど、途中から非常に分かりやすい内容でした。演繹法、シグナリングの原理、インセンティブの工夫、逆選択、株式会社の考え方などなど。辛坊本をしつこく批判するがあまりの批判ぷりに興味が出てしまうという逆選択を身をもって体感出来る。
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既読「福澤諭吉に学ぶ思考の技術」で紹介されており興味を持って購入。前半は素人経済評論家のいわゆるトンデモ経済学を徹底的に批判しその誤りを指摘する形で経済の状況を解説している。例えば国債の増加と消費税や将来世代の負担の関係など。後半は経済学的思考術を用いて社会問題を分析する。例えば女性の晩婚化、自殺率の高止まりなどである。もちろん簡単に解決策がうまれるわけではないが、こういう思考をすることが問題の社会化につながる一つのルートだと感じた。
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経済学は帰納法ではなく演繹法。
データから読み取るだけではなく、推理する。
ということで、素人経済学をするどく批判。
一見、確からしい説も、じっくり考えると違っていたりする。
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図表があれば理解の助けになると思う。
比較優位の考え方から貿易は貿易する両国が共に利益を得るのでプラスサム。
シロウトが書いた経済学の本に警鐘を鳴らしている。
経済学がどういうものであるか難解であるが再認識出来た。