何だかんだで読みたくなりました。
2016/08/27 14:03
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投稿者:MissWhite - この投稿者のレビュー一覧を見る
単なる古典を紹介する本、と思っていましたが、著者が紹介する本を読んだ当時の状況も併せてその時抱いた感想も書かれています。
本のあらすじや登場人物を紹介しているのかと思いきや、気づいたら著者自身の体験のエピソードに話が転換している場合があり、読みづらく感じました。
また、超個人的な意見ですが、著者のエピソードの部分は自分に酔っている感があまり受け付けませんでした。
この点に関しては★をマイナスします。
ただ、本書に挙がっている本の内容だけでなく本の作者の紹介もされている点は良かったです。作者の背景を知ると、「へえー、こんな人なんだ。本はどんな感じなのかな。」と読んでみたくなりました。
恥ずかしながら本書に紹介されている本、あまり(っていうか全て…)読んだことがありません…。とりあえず本書で付け焼き刃の知識は得たので、改めて原典に当たりたいと思います。
一番興味があるのは法然の本ですね。本屋で探してみます。
上述のとおり、著者自身のエピソードの部分があまり好きではないので、仮に本書が実体験を元にした考え方やノウハウを押しつける本の類いだったら胡散臭くて読んでいないと思います。
ですが、あくまで古典的名著を紹介することが本書の目的であることからすれば、「一人の読者がこんな状況でこんなことを思いました。」という意見は名書に触れるきっかけになりますから、目的を見事に達成しているのでしょうね。
その点で本書はよく出来た本だと思います。
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本が好きな人にはたまらない本のような印象でした。と言う私は・・・そうですね、お酒で例えると、全然飲めない人、好きだけど飲めない人、好きで飲めるとけど強くない人、好きで飲めて強い人、、、などいくつかの分類が出来そうですが、「本を読むのが好きで理解も深い人」には楽しそうな内容がいっぱいです。私はお酒が好きで飲めるけど弱いって言うのと同じように、本を読むのが好きで数も読むけど理解が浅い(^^;
この本は今年自らの課題本だったのだけど、まず、「古典」というのをてっきり日本の古典かと思ったところに大きな間違いがありました。世界の文学、、それも岩波文庫にありそうな本が中心です。
それぞれの9冊の本に対して「正しく理解して読むのではなく、自分が生き延びるための助けになるように読んで、人生の武器にする」そんな内容になっています。
ただ、個人的には文体が苦手だったのと、理解が浅いために、なかなか楽しむ本とはなりませんでした。それでも、「小論理学」(ヘーゲル)や「選択本願念仏集」(法然)や「自省録」(マルクス・アウレーリウス)などの視点が大変面白かったです。
まず、こうした本は絶対に自らは買わないです。それが課題と自ら設定したために出会うことが出来ました。そう言う意味では貴重な本との出会いだったです。
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山陽新聞2011.02.04夕刊。
《文学や哲学の難解なエッセンスを、分かりやすく解説した本ではありません。ただ、著者が味わった苦悩や挫折が素直につづられ、折々、破綻の淵に立ちながら、古典を読むことによって、自分に与えられた生を、ある時は輝かしいもの、ある時は温かいもの、とさまざまに肯定していく姿がひたすら示されます。》(清野由美・文)
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日経BP Online連載時から愛読。泣けてくる。通勤電車の中で、これを読みながら泣いている。本好きのための、本に寄り添う読書体験。なぜ人は本によって救われると感じる時があるのか。本について語るというより、その本を手に取った時の環境を思い出させる。
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本を読む時に、これは何が言いたいのだろうとか、これが書かれた背景はなんだろうとか、考えながら読む人には面白い本だと思います。
本はエンターテイメントとしてか、情報収集源として浅い読み方しかしないので、全部は理解できませんでしたが、それでもマルクス・アウレリーウスの「自省録」や法然の「選択本願念仏集」の読み方が面白かったです。カフカの「城」やカミュの「異邦人」も、なるほどそういう読み方もあるか、と結構すとんと腑に落ちました。
“人生を生き抜くための武器”として古典を解釈するという視点で読めたら、よくわからない古典も楽しく読めそうです。
まずはカフカとカミュの再読からトライしてみます・・・。
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2011.4.2読了。
名著。私もできそこないだと思う日々を最近送っているので、励まされ、こんな状態でも、しっかり生きていこうと思った。
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古典を自分なりに解釈し、弱い自分を強くするための糧とするという取り組み。著者が殊更に自分の不幸・挫折を強調するので、「ひょっとしてこの著者は俺よりダメなのでは…」などという変な優越感を持って読み進む。しかしそれはまったくの思い違いでした。この人は強い。そして、もしかして僕も強くなれるのでは。
『野生の思考』を説いて、「ブリコラージュという方法」で、「何度でも敗者復活戦を戦える気がする!」と。
古典ガイドでもなく読書法でもない。本によって強く生きていくノンフィクションです。こんなの違う、という人もいるでしょう。でも僕は好きです。
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あぁ、そういう風に考えたら、なんだかとっても身近に感じる!!
なんと!?そんな捉え方をするの!?
っていう新鮮さがあった。
読んでてハッ!とするフレーズが多く、共感した。
古典を『読む』だけじゃなくて『糧』にする本だなぁ…
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自分を肯定できずに苦しみ続けてきた著者の、本との関わり方について。
本と会話をして声を聞き、どう解釈して何を学んできたのか、苦しみを克服するために行ってきた「活かす読書」の記録。
――――――
本は単に面白かったつまらなかったと消費するだけではなく、じっくり会話をするのもいいものだと再認識させられました。
内容を正しく理解するのは、研究者に任せておけばいいんですよね。一般人は何のために本を読むのかというと、目的は主に娯楽・気分転換・暇つぶし。または先人から生きる智恵を学ぶためだったり。
読書は個人の精神活動なので、読書目的や何を感じて学ぶのかは読者次第です。多少乱暴に勝手な自己解釈をしてでも「自分自身に活かせる読書」ができればそれが一番です。
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なぜ皆さんは本を読むのですか。
読書会の課題本だから?本を読まないということが恥かしい?自分のコンプレックスを補うため?
目的と興味、読後に得られる感想は各自多様であるでしょうが、
読んだ本が自分の中に入っていくという実感を持つのは、
自分の生活とその本の内容が重なり合う瞬間ではないですか。
名著の紹介というよりも、作者のこれらの読書体験に心ゆさぶられます。
紹介されている本:
失われた時を求めて(プルースト)
野生の思考(レヴィ=ストロース)
悪霊(ドストエフスキー)
園遊会(マンスフィールド)
小論理学(ヘーゲル)
異邦人(カミュ)
選択本願念仏集(法然)
城(カフカ)
自省録(マルクス・アウレーリウス)
読んだことある本も、無い本も、これから読みたくなる本も。
ひとはなぜ本を必要とするのか、考えさせられる一冊です。
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この本には大いに不満がある。内容にではない。内容はつとに素晴らしい。素晴らしいだけに、その素晴らしさを表現出来ていないタイトルに大いに不満がある。
この本は日経ビジネスオンラインでウェブ掲載していた文章を加筆修正してまとめたものだ。そのときのタイトルは『生きるために読む古典』だった。
このタイトルは素晴らしいと思う。内容を端的に、的確に表現したものだ。こちらのタイトルは日経ビジネスオンラインの名編集者・山中氏が付けたものらしい。
本になってタイトルが変わったのは出版社が違うからか。その辺の事情はよくわからないが、こちらのタイトルは出版社の方が付けたものらしいから、なるほどこの本に対して愛も思い入れもないのだろう。
それにしても、まるでこの啓蒙書のような薄ら寒いタイトル。これで果たしてこの本が売れたのかどうか。本当にこの本を必要としている人が手に取ることができたのかどうか、はなはだ疑問だ。
この本はバリバリのビジネスマンが、今よりもっと「強く」なるために古典を読みましょう、という内容ではない。「生きる」という基本的なことにすら必死で、藁をもつかもうともがいている病人のような人に、そっと差し出すおかゆのような本だ。
さて古典の紹介本というと、どんな内容を想像するだろう。
この本を書いた人はこういう人で、こういう時代に生きて、こんな時に書かれて、内容は4章に分かれていて、最初はこういう話、次にこういう話、最後にこういう結論になっていて、この世界ではこういう位置づけでとらえられている…
完璧だ。パーフェクトだ。だが、この本では古典はこういう風に紹介されない。
書いた人のことは教えてくれる。内容もちょこっと出てくる。だが、ほとんどは「岡さんがこの本を読んでどう感じたか、どういう読み方をしたか」という内容に終始している。紹介本というより、エッセイに近いと言ってもいいかもしれない。
私は、学校での国語の成績が良かった。とりわけ、「作者がどう考えていたか」系の問題は得意だった。それは、先生受けするような内容を適当に羅列するのが得意だったとも言える。
だから、岡さんの読み解き方は斬新だった。がーんと頭を打ち据えられたと言えば良いのか。
岡さんの古典の読み方は自由だった。あくまでも自分が主体で、自分に必要な読み方をしていた。
作者が絶対に意図していないような読み方だって平気でしていた(もちろん、岡さんはそれを承知でそういう読み方をしている)。
「古典」が、学校でいい成績を取るためのものではなく、「生きるための道具」として活用されていた。
そうだ、これが、本来の読書だ。
古典のイメージと言うとどんなものだろう。
難しい。ちゃんと読んだことがない。教科書で見た。
大凡こんな人が多いのではないか。そしてそういう人に、古典をちゃんと最後まで読み切ったことがあるかどうか聞いてみたい。おそらく、ほとんどの人は首を傾げると思う。
いや、こんな言い方は良くない。私が実はそうだ。それなりに本を読んできたつもりではあるけれど、内容を聞きかじって読��だ気になってる本がほとんどだと思う。
だけど、この本を読むと、そういった本を、ちゃんと「自分の目で」読みたくなってくる。
そこには、岡さんが読み取ったような内容とは違うことが書かれているかもしれない。いや、きっとそうだ。私が生まれて生きてきた中で育まれてきた人生観、道徳観、価値観、それによって同じ本でも、きっと違う風景が見えてくるはずなのだ。
wikiを見れば、その本がどういう内容かはすぐ分かる。けれど、自分の目で見てみたときに、きっとそれ以上に得られるものがあるはずなのだ。
いや、そういう読み方をしてもいいのだ、私だけの、かけがえのない古典がその時生まれるのだ。
岡さんの、この本に出会って、そのことを学んだ。これは本当に良い本だ。
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[ 内容 ]
高校三年で肉体労働の現場に転がり込んだ著者は、一冊の古典を読む。
ヘーゲルの『小論理学』だ。
その哲学書は、日々の土木作業で疲れ切った若者に「未知の地平へジャンプするための勇気」を教えてくれた。
正しい理解を目ざすのではなく、自分が生き延びる助けになるように本を読む。
そのとき、難解・重厚と思われた古典は、人生を戦うための武器となり、仲間となる。
いわば、生きるための読書だ。
その実践記録である本書は、「未読の古典にチャレンジするための勇気」を私たちに与えてくれる。
[ 目次 ]
はじめに 「できそこない」のためのブックガイド
1 『失われた時を求めて』(プルースト)かけがえのない時間
2 『野生の思考』(レヴィ=ストロース)ゴミ捨て場からの敗者復活戦
3 『悪霊』(ドストエフスキー)もしも世界が一編の美しい文章なら
4 『園遊会』(マンスフィールド)今日、リアルな死に触れて
5 『小論理学』(ヘーゲル)気がつくと見知らぬ土地に立っていた
6 『異邦人』(カミュ)夕暮れ、場違いな人
7 『選択本願念仏集』(法然)最低の人間に贈られた最高の方法
8 『城』(カフカ)成し遂げられていない物語
9 『自省録』(マルクス・アウレーリウス)春の季節に生まれいづ
[ 問題提起 ]
[ 結論 ]
[ コメント ]
[ 読了した日 ]
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絶対に負けない
絶対に負けられない
大丈夫さ、と自分に言い聞かせる
この戦いに臨むとき、ぼくは素手ではない、強力な武器がある
ぼくは一人ではない、便りになる仲間がいる
本が仲間
戦うエネルギーを与えてくれる。
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表紙の裏にある一文を読み、衝動買いしてしまいました。「自分が生き延びる助けになるように本を読む」
この本は、古典を読み、岡さん自身が、どのように解釈し、生きる術として、使ってきたか、ということが書かれています。「生を肯定するきっかけを一緒に探してくれる仲間、それがぼくにとっての本」「あれもやった、これもやった、どれも失敗だった」「どれも失敗だったとわかった今、ここからなにができるかだ」
私は、この本に頻繁に出てくる「生き延びる」という言葉が、心にひびきました。物騒な表現ですが、自分を殺さないためには、どうすればよいか…そのひとつの方法が書かれている本です。
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今年もいい本に出会えた〜2011年の10冊 #10book2011 - 書肆小波: http://sazanami.gekkoh.org/book/index.php/archives/1586