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雑誌でちょいちょい読んだことはありますが、実はこの方の単行本を読んだのははじめてでした。
華道次期家元の主人公と、主人公が大嫌いな茶道次期家元である男の子(攻/双子だが三角関係ではない)のお話。
綺麗な顔と出で立ちの主人公。そして静かに主人公を見守り続ける男の子。
著者さんの絵は確かポップで線が細くてキラキラしてる。とても綺麗な絵です。
しかしまずコマ割りが絵についていけない感じがします。この台詞からどうしていきなりそういう動作を?そういう顔を?といった、コマ割りと配置などが邪魔になるところが多数あり。せっかくの綺麗な絵が台無しという印象が強かったです。
また、お話自体もどうして主人公が攻を嫌いなのか明確していないし、攻や攻の双子の弟がどうしてそんな行動に出たのか、釈然としないところが多かったです。嫌悪はどこにあり、嫉妬はまたどこにあるの?つまり説得力が大変欠けている作品でした。物語は、読者に親切じゃないのはできても、明確でなければ駄目です。ちゃんと読み手が理解できるソースを与えるべきだと思います。
一番腹が立ったのは、主人公が自分から誘っておいて、やること全部やっていきなり攻に「忘れろ」と怒鳴るシーン。受の性格ももちろんのこと、その後の展開がそのシーンと連関性が足りなくて思わず叫んでしまいました。
とは言いつつ、そこまで酷い作品じゃないですよ。って発言はまた説得力ないですが(笑)絵だけでも十分楽しめる作品だと思います。第1話での期待があまりにも高かったため、クライマックスがもやもやと流された感じが強かったから少し敏感になっただけ知れません。少し重そうで軽い感じのお話とキラキラな絵がお好きな方にはオススメします。本は何度も読んでるうちに味が変わっていくものなので、わたしもこれから何度か読み返すつもりです。