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動物行動学を学んでいくうえで勉強になると思い、読んだ。心というものの定義が非常に難しく、あいまいな印象。私たちが一般に心というものを定義できるのは、私たちにはそれを理解するだけの知能があるためであろうし、また他者というものを認識できているためであろうと考える。自己と他者の判別は、進化的な流れの中でどの生物にまで獲得された能力なのかがわかれば、心という存在の範囲も狭まるのではないかと思う。
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様々な行動実験を通して、ダンゴムシにも「心」があることを証明していく過程に、子供のようにドキドキワクワクしながら読みました。
心とは何か。ストンと腑に落ちた個所を紹介します。
「つまり、『未知の状況』における『予想外の行動の発現』こそが、隠れた活動部位としての『心の働きの現前』なのです」(P47)
これだけでは分かりにくいかもしれません。たとえば、街でばったり旧友と会って突然大泣きしてしまう。しかもなぜ大泣きしたのか原因が分からない。これは、普通はセーブされている行動が、未知の状況で抑制を解かれ、発現する機会を得たということ。つまり「心が現前」したということ。なるほどと膝を打ちました。
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ダンゴムシに心はあるのか。「心」を再発明して、ダンゴムシに心を見つける実験をする本。「本能」というもので動いていると思いがちな彼らでも、困難にぶつかったとき、個々に思わぬ行動をおこす。それが、心、故に、であるのだと。石は、石であろうという心を持って石になっていると。それに比べればダンゴムシの心を理解するのは、少しは簡単かもしれない。
「心」が、多様化して生き残るための術だとすれば、集団ヒステリーで同じ方を向かせようとする輩は、すなわち心を失わせるということに他ならないなと、本書のテーマとは違う方に思いを馳せる近頃です。
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国語辞典で“こころ”を引いてみた。手元にある4冊全部が『人間の~』で始まる。心は人間に特有のものであり、ダンゴムシは人間ではない。故にダンゴムシには心はない!少なくとも人文学的には“ダンゴムシに心はない”ようだ。それでは自然科学での定義は如何にと百科事典で調べると、これが●△■! 2012年11月11日
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タイトルに惹かれて読み始めました。
心とは隠れた活動部位。心の働きとは、状況に応じた行動の発現を支えるために余計な行動の発現を潜在させること。
言われてみれば、心とはそうだったと思うところアリ。
ダンゴムシやオカヤドカリにも心(知能)があったことに驚きました。
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「心」の「定義」が難しいと思った。それは知能にも、感情にも近いように思う。
「本書で定義された心」は、間違いなくダンゴムシは持ってるようだけど、その定義が、我々が一般的に連想する「心」にどれだけ近いのか、ということだろうか。
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心であるのかどうだか
そこは定義の問題だけれど、大脳がなくても考えられるってことは、生き物の序列を乱してくれそうでいい感じ
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著者はこの本の中で、心の働きとは状況に応じた行動の発現を支えるために、余計な行動の発現を抑制させることであり、観察者が観察対象を未知の状況に遭遇させ、予想外の行動を発現させることで確かめられるとしている。
心とは何か?を考えるきっかけとなる本です。
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とても面白かった。
ダンゴムシが泳いだ所で最高のカタルシスを得られた。
こういう本もっと読んでいこう。
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「心」というものを、生物は窮地に陥ったときに、ふだん表に出ない行動をする、という点から論じている。
この本を読んだだけで、本当にダンゴムシに心(感情)があるのかはわからなかったが、著者の視点や研究は興味深く、また読者に理解してもらおうとする書き方も好感が持てる。
なお、「魚は痛みを感じるか」という同種の問いかけから入った本があるが(アプローチや内容はまったく違うけど)、「魚は〜」よりもさらに踏み込んでいる印象。
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軽い科学読み物と思い手に取ったが、数ページ読んでは立ち止まり考えさせられることの繰り返しで、中々の読み応え。
一般に能動的だと考えられている「心」の働きを、いったん消極面に着目して抑制力とし、それをさらにひっくり返してまた能動的に捉える、と二重に反転させて記述しているために少々取っ掛かりのところで戸惑ってしまったが、それが理解できればあとは一気に読めた。
対象ととことん向き合うことで、未知の状況下での「予想外の行動」としての対象の「心」の働きが見えてくるという…たとえ対象がダンゴムシや石ころ(!)であっても。文章はドライだが、著者の対象に対するある種の愛情が至る所に感じられた。この境地に至るまで自分の道を究めてみたい、と思わずにはいられない。
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人間に心があるなら、犬や猫にも明らかに心がある。鳥もそうだ。魚はみた感じよくわからないが、最初は隠れていたのが慣れると餌をもらいに出てくるから、学習していることは明らかだ。かえるやトカゲはあまり付き合いがないが、たぶん魚なみには考えるのだろう。でも虫はどうだろう? このへんからはよくわからない。
という疑問を常々持っていたので愉しみに読んだが、最初に出てくる議論は「心をどう定義するか」。もちろん議論を勧める上でそれは必要なことだが、自分はこれをもって心があると定義する。ダンゴムシはそれに相当するので心がある、と言われると煙にまかれた感じがする。ダンゴムシも学習能力はあるようで、それはそれで面白かったが、なんか釈然としないものが残った。
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我が家でもダンゴムシはたくさん生息しており、過去どれぐらいのダンゴムシを殺してきたか判らない。
微々たるモノではあるやはり食害はあるので一応害虫の扱いを受ける虫なのである。青虫などに比べると可愛いモノであるがなんといっても徒党を組んで生息しているのがいけない。
本書はそのダンゴムシに心があるかどうかがテーマである、森山先生は長年ダンゴムシの研究をとおして認知科学という学問を追究されていらっしゃる。
心があるかどうかと言うことを研究する場合、当然に先ずは心とは何か、どういう状態があれば心があると言えるのかという事を検討する必要がある。と言う事で本書第1章は心とは何かと言うテーマが語られます。これはかなり哲学っぽい話題でもあります。「観察者が、さまざまな状況に応じた観察対象の特定行動を見いだせるよう、対象ととことん付き合うと言うこと」で「観察対象の心を見いだす」事ができると言う事だと思います。
第2章では森山先生がダンゴムシととことん付き合ってダンゴムシの心を見いだす過程を詳述することでダンゴムシの心について検証しています。さらに第3章ではダンゴムシ実験の動物行動学的意味と題し、動物行動学の創始者である3人の科学者の業績が心の科学へと展開されることを述べています。「行動を動機づけるための欲求の発現には、余計な欲求の発現を自律的に抑制する心の働きが不可欠」であり「その働きは、未知の状況における予想外の行動を発現させる原動力として、実験を通して確認され」るとしています。
本書は平易な言葉で書かれているものの、書いていることは良く吟味する必要がありそうです。心は幾ら科学的に解明しても哲学的アプローチを取らざるを得ないのです。
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非常に興味深いタイトルである。
ただし、心についての著者の定義に対して
疑念を抱けばそこでつまづくだろう。
反射の抑制機構として心の存在を観察しようというが、
ざっくり言って、奇跡から神の存在を確認する作業と
あまり変わらないようにも思う。
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内容情報
[日販MARCより]
心とは何か。庭先によくいる、小さくて丸くなるダンゴムシにも心はあるのか。大脳がないダンゴムシにも心があり、道具を使う知能もあることを示唆するユニークな実験の数々を紹介し、「心-脳」問題に一石を投ずる。
[BOOKデータベースより]
「ファーブル昆虫記」にも出てくる、庭先によくいる小さくて丸くなるダンゴムシ。このダンゴムシにも「心」があると考え、行動実験を試みた若い研究者がいた。迷路実験、行き止まり実験、水包囲実験など、未知の状況と課題を与え、ついにダンゴムシから「常識」では考えられない突飛な行動を引き出すことに成功した。大脳がないダンゴムシにも心があり、道具を使う知能もあることを示唆するユニークな実験を紹介し、「心‐脳」問題に一石を投ずる。
第1章 心とは何か―「心の定義」を提案する(心とは言葉である;日常的な心の概念 ほか)
第2章 ダンゴムシの実験(会社で学んだこと;ダンゴムシとの出会い ほか)
第3章 ダンゴムシ実験の動物行動学的意味(心の研究と動物行動学;動物行動学における四つの「なぜ」 ほか)
第4章 「心の科学」の新展開(心とは何であったか;知能の遍在性 ほか)