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【目的】
何のための組合活動なのか?分からなくなってきた!
【感想】
今の時代、「労働組合」のイメージは非常に堅苦しく写る反面、主な活動領域(賃金闘争:春闘)での成果が出難くなっている。
自分の会社の状況を見ても毎月組合費払っているけど賃金は上がらない、職場環境はよくならない、加入している意味はあるの?という組合員への不満へと繋がっているようだ。
これを別の言葉で言い換えると・・・
「組合が組合員へのニーズに応えられていない」 の一言に尽きる。
そのような閉塞した状況にも似た今の活動に一石を投じるために本書は書かれた。
・組合活動を洗い出し、今までのような賃金闘争、セクショナリズム的な活動ではなく低成長時代に則した活動に方向性を打ち出すべき
・新しい方向性としてのキーワード
「コミュニケーション」
「現場力の活用:商品開発、労働衛生の改善」
「経営サポート」
「組合品質の向上」
「多様なライフスタイルへの扶助」
本書の要旨は
労使協調という日本的なスタイルを是とし、その中で如何に現場の声を拾い、意思決定を迅速に行っていけるのかが重視されている。そして活動目標の明確化と少ないパイをどのように押し広げていくか、会社環境をよりよくするためには組合活動を再構築すべきと言っている。
そのための細かい方法論が書かれている。最近流行りのビジネススキルを労働組合活動にもちゃんと反映させて課題克服して結果を出しましょうと・・・。
【色々考察すると】
つまり基本方針として
ベースアップを行うならば日常業務の効率化と生産性の向上が必須条件になる。そうすることで時間外労働の是正を行いベースアップを行える環境作りが必要になる。
さらに働きやすい職場作りを基本方針とするならば「組合員一人一人が日常仕事にどのような思いで働いているか」聴きだしより明確な課題設定が必要になる。
そういうことを地道に置き換えて分かりやすく情報発信する。
何をするのかがはっきり分かる活動方針が求められているんですね。そこが始めの一歩だとつくづく感じた。