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全ての女友達にプレゼントしたくなった。
結婚と離婚を繰り返し、子供を育て、若き日は摂食障害をわずらい、今は外国人と再婚しカリフォルニアに住む。詩人でもある彼女が、彼女独特の言葉をもってして私たちに語りかける人生というものは、ただただうなずくしかない。
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待望の文庫化。23の女としての自分のぬるさが怖くなるとともに(これからもっとずっとしんどいんだろうなって)、ひとりじゃないって、みんなしんどいしんどいって思いながら凭れたり凭れられたりして生きてるって勇気づいた。しろみ先生ありがとう。詩じゃないのってどんなんだろうと思ったけど、伊藤比呂美のリズミカルな言葉は気持ちいい呪文。
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すごい本でした…。人生相談の紹介、という形を取っているけれど、ともかく、相談者に寄り添ってくれている。講演会後にずっと待ってる人の気持ちが分かる。私もしろみさんに相談したいことがある、と思ったら、ちゃんとその答えも書いてあった。もっとしろみさんの本を読みたいけど、文庫になってる本はあまりないのですね…
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10年後にまた、20年後にまた読み返そう。
これからある、いいことやなこといろんなこと、ひっくるめて、ちゃんと歩いていけるといいなあ。
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業だねえ… 生きるってことは、様々な業を背負うことだ。
死ぬときゃ一人、でも生きてる間は一人でおれない。そうすっと、溜まったり噴き出たりするもんがあるわけで…。人生って、きっと、ぐちゃぐちゃしたもんなんですね。思ってるよりずっと。
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人生相談をまとめた本だけど、完全なるフィクションでもあるそうで、ジャンルとしては何になるんだろう。
とにかく文体が江戸弁で歯切れがよくって爽快。読みながら時に大笑い。
「女の人あるある」がてんこもりすぎて、これは必読の書だと思う。解説にあるように、若い女の子にも、男の人にもおすすめです。
悩みに真摯に沿う「しろみさん」の回答が、時に具体的に、時には相談者に共感を示し、常にちゃんと「答え」になっているのがうれしい。さすが人生の達人。やさしくて、かっこいい。
文庫版は金原瑞人の解説も秀逸。これを読んで佐野洋子氏の「クク氏の結婚、キキ夫人の幸福」も読んでみたくなった。
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「あたしはあたし、人は人」 これがね、難しいんですよね。 比呂美さんが新聞に連載中の身の上相談「万事OK」を下敷きに上梓した一冊。
人の悩みを読んでいるうちになぜか自分が見えてくる…。 うん、そうなんだよね!.
育児エッセイの比呂美さんから幾星霜。
子どもたちは成長し、ご自分は離婚・再婚を経て、更年期や老親の介護を抱えていたころなんですね。
新聞の身の上相談というものは、
誰が見てもこれは大変だ!という状況に対して、ぶっ飛んだ回答者の論理でバッサバッサと切り捨てて、そんなことはたいしたことじゃない、あなたの気の持ちようです、となるか、
私はもっと凄いんだ!みたいな露悪的自慢&武勇伝みたいなものになるか、が多い気がするのだけど、
比呂美さんは、かなり大胆なことを言っている(はず)なのに、なんかストンと胸にくるものが多く、うんうん、そうかもね、と思えるところが優しいなぁ、と。
夫のEDにまつわるあれこれに対しては、
今いい薬がいろいろと出回っていて、じっさいとってもよく効きます。あっ、立たないと思ったら、すぐ医者に駆け込むくらいの良識と勇気がほしいです。セックスをバカにしちゃいけません。家庭をきちんと維持するためにはすごーく大事なことなんです。
これ、2007年から8年にかけての連載だったんですね。
こんなにすっぱり、対処療法的に見えて、実は一番大事なメンタルなことまで答えてくれている身の上相談がそれまでにあっただろうか!なんて力瘤を作ってみたりして。
で、あれこれあれこれ語った後で、(というか、語っている最中も)
「あたしはあたし、人は人」なんですよね。
行為が不心得の人に対してはがつんと言う。
でも、生き方が不心得の人には、どんなに不愉快でも、言う必要はない。かれらの生き方があなたと違うだけなのです。あなたは違う生き方が気に入らないだけなのです。
と・・・。
そして、「あたしはあたし」の次に、
「あたしが一番大切」とはっきり思えるようにならないと
「人は人」にたどりつけない。
とくるんですよ。
うん、ホントだよね!
「あたしはあたし」とは、結構楽に考えられるけど、「人は人」とまではなかなか・・・。(汗)
ここのところ、今年に書かれた「閉経記」に始まって、若いころやちょっと前の比呂美さんにさかのぼって一気に彼女の世界に入り込んでしまったけど、なんて気もちのいい人なんだろう、というのが一番の感想です。
これまでご縁がなかったのに、お互い、こんなに年を取ってから出会えたというのも案外必然だったりして?(#^.^#)
誰に言っていいかわからないけど、ありがとうございます、とお伝えしたいです。
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しろみ先生が相談者の悩みを自分の事のように受け止め、
その人と同じ立場に立って考え、
苦しみを共有する姿に敬服の念を抱いた。
悩みを解決するよりも
いかにして相談者の心を楽にしてあげるのかに
心を砕いておられる。
大海のような包容力と
人間に対する深い慈愛を感じた。
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【本の内容】
「夫と話すことがありません」
「赤ん坊と二人ッきりでいると息がつまりそう」
「パート先で好きになった15歳下の男性が遠くに転勤して寂しい」
次々と寄せられる読者からの身の上相談に答えるのは五十代前半の詩人兼回答者・伊藤しろみ。
不倫、セックス、子離れから、更年期、離婚、親の介護まで、迫力と説得力たっぷりに語りたおす。
女の人生の絶望と希望が詰まった一冊。
[ 目次 ]
卯月―ふうふのせつくす
皐月―おんなのぜつぼう
水無月―子ゆえのやみ
文月―みをこがす
葉月―へいけいのこころえ
長月―ちうねんきき
神無月―みんなのしつと
霜月―りこんのくるしみ
師走―これから
睦月―おおきくなつたら
如月―えろきもの
弥生―さいごはかいご
[ POP ]
新聞連載の身の上相談を下敷きに、不倫、子育て、セックス、離婚、嫉妬、更年期、介護などを「あたしの身の上」に引きつけた詩人が、言葉の芸を尽くして全身全霊で答える。
ほとんど呪術的と言える独特なリズムを宿した文体が素晴らしく、理不尽なことを受け入れざるを得ない「絶望」がどんなに大きくても、その先に開き直った明るさを感じさせてくれる。
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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20141108読了
2011年出版「父の生きる」を読み、他の作品を読んでみたいと思って手に取った2冊目。2008年出版。いきなりの江戸弁に驚く…「父の生きる」と趣がだいぶ違う。西日本新聞に連載中の人生相談が下敷きだそうで、夫婦関係から更年期、介護までを時が流れるように駆け抜ける。重いところに切り込むのだけれど、江戸弁のおかげかぽんぽん読める。よいことばもたくさん。
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せっくす、ふりん、へいけい、しっと、りこん、かいご…
みんなの悩みを飲み込んで迫力ある言葉を返す海千山千の「しろみ」さん。なのに、ケビン・コスナーの「ワイルドレンジ」観て、いいなぁと思っている自分を、「救いがたく情緒的だな」と感じたりするところがとても魅力的。
p214 “「ちょいとおまいさんおしょうゆ取って」といいながら、セックスできたらいいのになあって考えたことがあります。”
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伊藤比呂美の女の絶望を読みました。
中年から更年期の女性に向けたエッセイ集でした。
4月から3月に見立てた12の章から構成されていて、それぞれ「ふうふのせっくす」「おんなのぜつぼう」「へいけいのこころえ」「ちうねんきき」といったどろどろしたサブタイトルがついています。
サブタイトルをテーマに身の上相談の回答者を続けた経験から中年女性あるあるが解説されていきます。
konnokは「よいおっぱい、わるいおっぱい」の頃からこの人のエッセイは大好きで、今回もおもしろく読みました。
30年前から伊藤比呂美が提唱している「がさつ、ぐうたら、ずぼら」という処世術は中年女性でも万能の力を発揮するのでした。
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本の表題からすごいけれど、中身もそれ以上にすごいです。やっぱりしろみさん(本の中では江戸っ子のべらんめえ口調で語る彼女がいます)の人柄及び人生経験がたっぷり詰まったけれん味のないお言葉は説得力があるなあと思います。地方新聞での人生相談の内容が中心になっているので、世の中の人々の悩み、此処に極めりという感じです。これを読むと誰にでもあるある!と思い当たるのに、素知らぬふりをして表に現れない悩みの何と多いことか。中年以降の男女、夫婦関係などにおける性に関する問題は比重が大きいのに、対処方法が軽視されがちです。しろみさんのようなあけすけの回答は有り難いのでしょう。女にとっての絶望がユーモラスに思う存分語られ、カタルシスを得るには絶好の教本です。
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江戸っ子口調(?)が苦手で読むのを後回しにしてたのですが、慣れてくると女の普遍的な悩みがいっぱいで面白い。どこも同じなんだなあと。「一度思いっきり恋愛した後は、もう幻想を抱けなくなっちゃう」というのはすごくわかる。そうなってから出会った人との方がいい関係を築けるのかもしれないな。