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中国は毛沢東による独裁的な政治で国内が混乱し、その不満がいっきに天安門事件で爆発した。学生を中心としたデモ隊は、民主主義と腐敗の撤廃を求めたが、共産党による一党支配体制をなんとしても維持したい鄧小平が人民解放軍によるデモ隊排除に乗り出した。この事件をきっかけに民衆のための共産党という意識が薄れてしまい、危機感を感じた共産党は、経済開放と愛国教育で国民の不満をそらそうとした。この戦略は非常に成功をおさめ、未曾有の経済成長を成し遂げた。知識人や中産階級は、この経済成長によりガス抜きされてしまった。しかし、成長の原動力が不動産投資によるもので、国民自体の生活水準が全く向上していない。農村部には1億人の失業者がいると言われている。彼らの多くは経済成長の恩恵を受けておらず、逆に毛沢東時代への郷愁を募らせている。筆者は彼らのくすぶる不満に火をつけることで、革命が起きるのではと予想している。
また、中国の経済成長が鈍りつつあり、何としても年8%の成長を達成したい共産党としては、この目標が達成できない場合、国民の不満をそらせるために、愛国教育を利用した海外侵略に乗り出すのではと心配している。その時にターゲットになるのは台湾と日本で、安穏とはしていられないと思った。