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読み始めて驚いたのは、小川さんの著書「ミーナの行進」とリンクしていること!ここでもコビトカバのポチ子に出会えるなんて!旅に持っていく本として、「ミーナの行進」と「科学の扉をノックする」、この二冊を選んだ自分を思わず褒めてあげたくなりました。
これを一回口頭で聞いただけで、理解できるなんて!と思うくらいちょっと難しい言葉が続く科学のお話の間に挟まる小川さんの文章にホッとします。こんな科学のお話が学校の授業で聞けたら、「この勉強がなんの役にたつの?」なんてよくある学生の文句もなくなるんじゃないでしょうか。全てのことが生きている私たち人間と深く繋がっているんだな。
星座の速見盤時計を身につけた彗星学者との出会いから始まった、小川さんの科学者の方々との交流。そんな彗星学者と出会ってしまったら、そうだなぁ、それは惹かれざるをえないよなぁって思ってしまいます。7つの科学のお話をもとに小川さんが物語を書いたとしたら…と想像を膨らませずにはいられません。
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作家の小川洋子が科学施設を訪ね、科学者と対談する科学本。科学の話しと小川洋子の妄想が入り混じった面白い本だった。彗星学者、鉱物科学研修所所長、生命科学者などの専門的な科学知識を小川洋子の目を通して、とってもわかりやすく紹介されてておもしろかった。小川洋子って変わった人やなー、って改めて思った。
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取材集。科学知識というより、科学者のモチベーションについての考察(妄想)と共感が描かれて、小説じゃなくとも小川洋子ならではの本。生命科学と遺体科学の二章が特に良かった。
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どの話も興味深い話ばかり。分かり易く教えてくれるので読み易いです。全部で7章。
個人的には1章と5章が好き。
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作家の小川洋子が宇宙や鉱物、粘菌など科学の各分野の専門家にインタビューした本。
小川さんの表現が面白く、専門家の方たちの魅力がより一層引き立っていた。
科学にうとい僕でもするする読める内容だったので、読者を選ぶといった本ではないし、うとい人ほど面白く感じるような気がする。
この本を読んで少し科学と登場した専門家に興味がわいたので、関連書籍を読んでみようと思う。
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親しみやすい文章で、粘菌や鉱物の話が書かれていて、とても読みやすかった。
他の分野についての本がでたら、また読みたい。
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『博士の愛した数式』を著した人なので、かなり理系の世界にも詳しい作家かと思っていましたが、どうやら科学の世界に関しては、一般的レベルの様子。
その彼女が、文系人の代表として、理系のさまざまな分野で活躍する人の元に話を聞きにいったものです。
はじめの天体は、私もとても興味があるところなので、熱心に読みましたが、放射光施設などの話は難しくて、なかなか頭に入りづらかったり、粘菌もいまひとつ興味が湧かなかったりなど、章によって食いつき度が違いましたが、著者はどの分野においても、熱心に話を聞き、わかりやすく紹介してくれています。
作家としてのプロ意識からというよりは、興味が止まらない様子。
やはり、未知の世界への尽きぬ関心が、創作活動の源なのかもしれません。
ビギナー目線での彼女の感想に、私もはっとした箇所がいくつもありました。
たとえば、「星と名のつくものは、全てキラキラ光っていると思い込んでいたが、これもまた間違いだった。」(p16)など。
確かに、星といっても、地球のように自分では発光していないものもたくさんあるわけですね。
これまで宇宙に描いていたイメージが根底から変わりそうです。
また、人が足で踏んで確かめられない、ガスや塵が集まってできた星が宇宙上にはたくさんあるとのこと。
土星の環なども、そうした塵の寄せ集まりでしたね。
一度再生した物質は、無にはならず、姿を変えて宇宙を巡り続けるという論はなるほどと思いました。
厳密に考えれば、確かに個体は死を迎えても、完全な無になることはないわけです。
専門家にとって、UFOはありえないのだそうです。
しょっちゅう空を観測している、空を見慣れた人は、一切その手のものを見ないのだとか。
異星人の立場で考えても、隣の星まで4光年、普通は10万光年もある遠い距離から、銀河系の端の地球まで来る価値がなく、リスクが大きすぎるんだとか。
地球に生命が誕生したことが、奇跡なんでしょう。
兵庫県の播磨にある放射光施設は、研究内容に関しては、印象が薄かったのですが、スプリング・エイトと呼ばれる建物の外観は、巨大な輪の形をしており、インパクトが強かったです。
超近代的な輪の真ん中には、けもの道しかないあ自然のままの山を残しているというのも、印象的。
何も知らずに付近を通りかかったら、ビックリ仰天するでしょう。
雲母(中国語)は日本語ではきららといい、吉良上野介の領地、愛知県の吉良町は、かつて雲母の産地だったことから、きらの名前がついたんだそうです。
つまり忠臣蔵はきら対大石、きららが大きな石にやられるという構図だと書かれていて、おかしくなりました。
どの分野も、人間を超える何か大きな力、サムシング・グレート(大自然の叡智)に向かって飽くなき研究を繰り返している、人類の未来にとって大切な仕事ばかり。
とても遠くに感じられていた理系専門分野が、この本を読んだことで、門戸を広く開けてくれたように思えました。
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自分が文系大学だからか、理系の人と話しするのはとても好き。ものの見方が違うのが新鮮で、かなり好意的なイメージがある。
だから内容は面白いのだけれど、
いかんせんこの著者の文章が苦手です。なにか、。私は小説家!アピールに感じてしまう表現が多発で。。
おかげで薄い本な割りに時間かかりました。
内容は面白いです。
Oct, 2011
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文系だけど科学のロマンにも惹かれる…
科学ミーハーな自分にも興味深いテーマと飲み込みやすい構成で面白かったです
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各分野の科学のスペシャリストの元を作家・小川洋子が訪ねインタビューして著した本。対談集かと思ったのですが、小川洋子自身の言葉で書き表されており、文系人間にも取っ付きやすくなっております。
何せ「あの」小川洋子の手によるのですから。怪しげで魅力に溢れた科学者を生み出し、些細な物事にもキラ星の如く光を与える小川洋子の筆によって科学は物語となります。いや、科学自体に物語となる核が秘められていたのかも。科学者の語る言葉は、作家が紡ぐ物語と同じ力をもっています。
天体、鉱物、遺伝子、微細物、粘菌、遺体学、スポーツ学。どれも遠い世界だと思っていたのが、身近に感じられます。しかし科学書ではないので、あくまで興味を沸き立たせるという感じ。ここで興味を持ったものについては、改めてそれぞれの科学者の方々の著書を読むのもありでしょうね。僕としては動物遺体学に興味が沸きました。
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宇宙、鉱物、粘菌、遺伝子、遺体科学など、さまざまな科学分野の専門家へのインタビュー集。
どのジャンルも興味深いのだけど、それぞれもう少し、深堀りして欲しかったなあ、というのが本音。
とはいえ、小川洋子さんの興味の源泉が辿れて、知らなかったジャンルへの興味が開けてくる、という入門書の位置づけとしては、よかったかも。
特に冒頭の宇宙、鉱物についてのインタビューは興味深かった。
科学を追求していくと、物語的になっていく。科学と文学は、むしろ近い存在なのかもしれない。
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科学に関連する多分野の方の取材集。視点や纏め方は小川さんのオリジナリティにあふれている。文体もやさしく、どれも興味深い内容だった。
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小川洋子さんならではの、やさしい文章で科学の話が書かれている。
本を書くことを目的に科学者のもとを訪れたように感じられたのが少しだけ残念だった。
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学者たちの人選も良いし七つの話のどれもそれなりに面白い
ニュースでは得られない学問の巷を知ることは
より実態を理解できたような気になれてうれしい
これを読んでいるうちに治外法権の学問畑が産学共同に追いやられて
今の学問がいかに目先の欲に走っているかを再び嘆くことにもなった
学問だけではない芸術畑も同じように知ってか知らずか
官僚と実業界の飴と鞭に侵されて
今や勲章と札びらで飾り付けられたピエロかペットと言ったところか
それにしても作家を代表しているがごとくに
「作家」意識をことあるごとに持ちだされるたびに
少々癖壁としながら読まされたことが残念だったかな
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タイトルだけでちょっと難しいかな、と積んでたけど、開いてみたらいつも通りの小川さんでした。
世界の美しさを本当に綺麗な言葉で伝えようとする人だなぁと思います。