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ガンダムUCの結末として引き継いできた世界観を広げ伸ばし破綻ない幕引きへ仕立てあげられています。ガンダムの世界観を、普遍的価値観で解釈し、未来永劫への希望に結びつけて頂いた本小説に大変感謝致します。
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富野由悠季のガンダムの正統後継ともいえる作品の完結巻。
人は過ちを犯す生き物であるが、全ては「善意」からなる過ちであり、これを赦すことが希望へとつながる。
たったひとつの望みA MON SEUL DESIRは、人類が未来に希望を持つように、争うことなく共存する可能性に満ちた世界のことだろうか。
いくつもの作品を通じて膨れ上がってしまった宇宙世紀の物語に、一本の筋を通した作家の力量はさすが。
ユニコーンから、バナージから応答が無くなったシーンは、カミーユのことを彷彿とさせる。カミーユがみた世界(もしかしたらアムロとシャアも?)は、もしかしたらこうなのかもしれない。
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独断と偏見での感想は、「ゼータ」「逆襲のシャア」を足して割った作品。
クドイぐらいの何度もキャストのセリフから語られる福井晴敏独特のメッセージが薄れているのは、10巻にも及ぶ大作だからであろうか。
「出版者」・「細分化している旧作の読者」・「トイメーカーの意向」のシガラミが多くなってしまい途中で、息切れしてしまったた印象。
ホワイトベースクルー時代からの骨太の正義を貫くブライト・ノアを除いてであるが、氏の初期作品から一環して表現されている政治統治は、巧妙でズルい存在として描かれている。 本作品も、(コネ・裏金・前例第一・事なかれ・異端を受容れない)連邦政府を物語りの背景としての政治統治機構の表現は、せめてもの救い。
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長かった。物語ではなく全巻が発行されるまでの時間が。
(9巻と10巻は同時発売にしてくれてもいいのに)
ガンダムはリアル指向という意見があるが
ニュータイプだのサイコフィールドだの
映像でならサラッと流せても、改めて文字で読んでみると
それも作者がじっくりと書き込んでいるから
「う~ん・・・」と感じる。歳をとった証拠か。
設定はともかくドロドロとした世界の姿や権謀術数に
翻弄されながらも望みや希望、可能性、熱さと温かさで
主人公たちが走りぬけ、大人たちが見守る物語はいいもんだ。
1st、0083、Ζ、ZZ、CCAを知っていればより楽しめ、
若者と過去をもったオヤジといういつもの姿や
亡国のイージスや終戦のローレライなど、作者の他作品を
読んでいるとニヤリとできるところもあって
ガンダム好き、福井氏好きどちらも程ほどに満足できるのでは?
個人的には巻末の解説が蛇足、そしてエンディングテーマは
「流星のナミダ」
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10巻を通してバナージの人との交わりが糧に…色々なるほどと思ったりそのパターンじゃ無い方が良かったと思ったり。でも満足しました!これで全て終わったのかな。更に続編のガンダムが出ないことを祈って(^^;
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人の根源は希望と善意である、その想いが奇跡を起こす、起こして欲しいという祈りの結晶
今の日本は奇跡が必要だ
奇跡が起きたとしても助からない命がある
そんな理不尽の中でも光を紡いで繋いで生きていきたい
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Zみたいにはなるなよ、なるなよ!
と思いながら読んでました。最後まで満足できる出来でよかったです。
他に色々なSFを読んでいる方なら終盤は特に思うところがあると思います。それがいいか悪いかは人それぞれ。
少し見慣れた未来予想図は意外性はありませんが、安定感は抜群にあります。
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長かった物語も遂にオーラスを向かえました。
長く、重く、熱く、優しく、そして逞しい話でした。。
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ついに正調宇宙世紀物語完結。
宇宙世紀の歴史をキチンとなぞって、ファーストガンダムを上手くまぶしてあります。
・砂漠で、親父キャラに男の背中をみる。
・ライバルとはMS降りて戦う。
・「そこ、なにやってるの!」
おじ様方には、あのアムロがダブリます。
サイコミュ、強化人間、ニュータイプ。
ミリタリものとしても面白いけど、
ガンダム知ってる人は、3倍は楽しい。
宇宙世紀の復習(予習)は忘れずに。
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逆シャアの3年未来を描いた作品
1stガンダムは戦争を題材にすることで
戦う相手も人間だという衝撃を視聴者に与えたが、
この作品はその先を描いた、
戦争の傷から人々が立ち上がる過程。
子供から人が大人になる過程。
そして、全ての人は解り合え、
赦し合えるという可能性を示した。
人は解り合えるから
敵は、人外の亡霊とも呼べるものであったり
感情のないコロニーレーザーだった。
作品に宇宙世紀への愛が感じられる。
アニメで見たときに何言ってんだこいつはと思っていた
「時が見える」やら
「私は見たの。Zガンダムは、人の意志を吸い込んで、自分の力にできるの。」やら
アクシズが地球に落ちなかった理由なんかに
それなりに筋の通った説明がされている。
また、登場人物が無駄にされていない。
登場した人間に憎むべきクソ野郎ってのはいなかったし、
無駄に死んだ登場人物はいなかったように感じる。
ラスボスのフルフロンタルとアンジェロでさえ良い散りかたをしたと思っている。
最後の最後にZ(TV版)のトラウマが
甦ったりしつつも
なんにしろ私は
大団円は嫌いじゃない。
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いよいよ最終巻、"物事の始まりは善意から"、カエサルの見識にも通じるものがありますね。
ローマ人の物語などでも印象的でしたが、、ふむ。
気になるフロンタルの正体は、"アフランシ・シャア×ユーパンドラ"って感じでしょうか。
そしてラスト、宇宙世紀を総括するかのように、"刻が見えました"。
平行して、映像版のエピソード4もCATVで観てみました。
いい感じですね~、残り2話との事ですが、、ここまで上手くまとまるんですかね~?
うーん、DVDも気になってきました。。
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図。
UCはファーストに対して、カタツムリの殻のような存在。
シリーズを通して宇宙世紀の繋がりを感じさせる作り。
散々引っ張ってきた箱の中身はインパクト自体は薄かったものの、大それたものにもなっておらず「宇宙世紀全体は絡められる」という点で作者の勝利。
文句を言う奴はアホ。
福井晴敏の重厚な文体に最後まで慣れることはできなかったけど「ここまで読んできて良かったな」と思わされた。
大団円とは言えないが、「可能性」という言葉に陳腐な意味を連想させないラストは好きでした。
アニメを見るだけではここまで思わなかったかも。
フル・フロンタルについては各々の考えで良しとする、ということで。
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満足しました。
「ガンダム」という、大きな縛りがある中で、
「スターウォーズ」「インディジョーンズ」「ゴジラ」などの面白さを
盛り込んだたいへん楽しい作品でした。「ローレライ」もありましたよね^^
小説というメディアでしか表現できない「ガンダム」を
福井晴敏氏はしっかり作ってくれました。
まさに正統な、宇宙世紀を継ぐ作品でしょう。
ただ、さすがに、アクションシーンはアニメに軍配が上がりそうです。
小説、アニメの両方を補完しあいながら楽しむと最高でしょうね。
ま、最後はアレでしたけどね^^
アレも含めて「ガンダム」ということで^^
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記念すべきブクログ400冊めの登録!! ひゃっふー!
読破してしまいましたユニコーン。以前に小野不由美の『屍鬼』文庫版5冊を読んだ事はあるけれど、10冊も続く文庫を続けて読むのは私にとっては初めてのこと。本を読む楽しみには、その内容を楽しむのはもちろんのこと「次に何を読もうかな?」とあれこれ迷う楽しみもあるので、その楽しみが復活した喜びもある。でも、やっぱり寂しいような気もする。
とにかく、TV版のΖみたいにならなくてよかったな!! 私もオードリーや、リディや、ネェル・アーガマのクルーと一緒に「バナージ戻って来ーい!!」と叫んていた(心の中で)。
ラプラスの箱は開いた――けど、世界はたぶん、何も変わっていない。それでも、もしかしたら戦争はなくせるかもしれないな? と思わせるラストは、悪くない。人も世界も変わってはいない。でも、変えられる「可能性」があるのだと示すラストだった。
思い返せば、とても濃密な小説だったなぁ。
正直、ガンダムだし、アニメだけ見れば事足りるかな? と思っていたんだけど、そんなことはなかった。小説には小説にしかできないことがあるのだと、よくわかった。カラマーゾフやら何やらを引き合いに出してた巻末の解説はさすがに大げさすぎるけど、文字でしか表現できないものを描出することが文学であるとするなら、この作品を一流の文学作品だと呼ぶことに何ら異論はない。
特に、キャラクターの書き込みは見事だった。読者は、その念入りすぎるほどの人物描写を通じて、どのキャラクターにも込み入った事情があって、どうしようもない根っからの悪党ってのはいないんだと「識る」。フル・フロンタルにさえ、その最期には彼は選択肢を誤ったのだな、という哀感が伴う。もし自分を必要としてくれる人の声に、ちゃんと耳を傾けていれば、もっと違った結果があったかもしれないのに。
私が福井晴敏の小説を読んだのは初めてだったのだけれども、他の方のレビューを見ると、登場人物をこれでもかというほど掘り下げて書くのが氏の書き方みたいだ。だとすれば、その小説作法それ自体が、ニュータイプとはどういうことなのかをありのまま体現しているように思える。それだけではなく、福井晴敏は豊富な軍事知識と、何よりも原作に対する惜しみない敬意をも併せ持った作家だった。
宇宙世紀におけるガンダムの外伝ストーリーを描いた作品はこれまでに多く存在しているけれど、その本流を継ぐ人として、福井晴敏ほどふさわしい小説家はいないだろう。
でも、まだトミノ監督にサイアムみたく去っていってほしくはないけどね……!
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全10冊を「通常戦速の三倍」という勢いで読了した。
本作は、各劇中人物が各々に“光”を追い求めて交錯しているような印象を抱かせる…“光”に関しては、「各々の劇中人物にとってのモノ」が在って必ずしも簡略に説くことも難しいが、究極的にはそれが「人類にとって?」に拡がり、「そして、あなたにとって?」と読者に跳ね返ってくるような感になっていると思う。
“ガンダム”と名が付いた瞬間に、「一部のファン」という「特殊な人々」の手中のモノであるかのように即断―佳いモノと出逢う可能性を狭めてしまう在り様であると思うが…―する人が在るかもしれないが、本作を読んでみると、「決してそうではない」ということに思い至る…