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本屋で見つけて衝動買いした一冊。歴史や妖という響きに弱いもので...
空気感からしてもう戦国。歴史の波に抗えない人間の葛藤や、時の流れの非情さ、歴史物ならではの無常観のようなものがうまく書かれていたように思います。
登場人物の関係がちょっと分かりにくいと感じたので☆-1。
終わり方や文章の感じが好きでした。
これがデビュー作ということなので、これからが楽しみな作家さんです。
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一言で言うと「夫婦愛×伝奇モノ」といったところ。最初から最後までこの軸はブレない。
しかし、1章「典医の女房」(受賞時はこの1章のみの短編)を読んだ時点と最後まで読んだ時点で持つ印象は変わってくる・・・いや、変わってないけど変わってるというか。うまく言葉に出来ないのが悔しい。
狭霧は怪奇を視ることができる不思議な力を持っていて、夫と二人で怪異によって病んだ患者治療するという話。しかし、ある患者からだんだん大名同士の争いに発展していく。
最後は感動の終章で締められている。若干どうしてこうなった/(^o^)\と思わなくもないが、感動というからには感動です。
主君である順興がなかなかの曲者だった。夫婦の理解者にも見えるし、やはり大名なんだなと思うところもあり(←ここ超語彙不足で申し訳ない)
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物の怪が見えるという秘密をもつ狭霧と、一緒に育った夫の義伯。幸せな日々は戦乱の中へ。狭霧は家族を守れるのか?最後が切なすぎるよ…。
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これは電撃でなく、MW向きだ。
情報が整理されていて読みやすい上、語り口がよくて、さくさく読める。
場面場面のひきもあって、次々ページをめくっちゃう本でした。
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新人賞で期待はしたんだけど・・・。
読みやすいけど、内容が物足りない。
伝奇に読みなれていないからかもしれないけど・・・良くある話。
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時は戦国。不思議な力を持つ狭霧は典医の夫とともに病人を助けていたが、主君の子を看病の甲斐なく死なせてしまう。ふたりは物怪に見舞われ、やがて国を揺るがす陰謀に巻き込まれていく。ふたりの夫婦愛がよかった!派手ではなくともじーんとくる物語。
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最初は軽いファンタジー物だなって思ってました。
けど、読み進めて行くうちに
怪奇談でありながら
時代背景のしっかりした軸
そこに留まらない深い人物設定と描写。
終盤にかけては、思わず胸が熱くなりました。
続編があったら、読みたいです。
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戦国時代の大和の国、筒井家に典医として仕える義伯の妻狭霧の物語。
物の怪が見え、退治することもできる狭霧は、夫と共に物の怪がらみの病を治していたが、主家に対する呪詛を祓ううち、戦乱に巻き込まれてゆく。
狭霧の原動力は夫と息子に対する愛のみで、これが全編を通じて貫かれている。殺伐としたシーンも多いが、狭霧の心情が救いになっていて、困難な時代だけに、この一家に幸せになってほしいと心から思わせる力がある物語だった。
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これでよい。
そう思えるほど私は強くない。
何故巻き込んだ。
それは、人にないものがあったからか。
人にないものをもつものは、人と同じ生き方はできない。
そういうのか。
これでよいと、思えるなら、強いな。
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時代背景を把握した時点で、少し苦手な部類かも知れないなと思いましたが、お話の展開のテンポが軽快で、苦なく読み終える事が出来ました。
ラストは、普段はハッピーエンドに拘りはありませんが、このお話はもう少しだけ幸せなスパイスがほしかった!と、我儘にも思ってしまいました。期待値よりも遥かに良かったです。
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戦国時代好きなので購入。筒井順興さんって聞いたことあるかもと思って調べたら実在する武将さんでした。時代小説ではありましたがセリフなどはそこまでコテコテの武士語?ではなかったので単語さえ知ってればスラスラ読めます。物語は順興さんの典医(城勤めのお医者さんみたいな人)の義伯さんとその妻の狭霧さんのお話です。どちらかというと狭霧さんに重点を置いていたと思います。狭霧さんは物心ついた頃から妖怪とか普通の人には見えていない何かが見えていましたが義伯さんは見えない。でも普通の病は診れる。文中にもありましたが2人は荷車の車輪のようなもの(どちらも欠けてはならない)というのがよくわかりました。後半呪詛とか話が妖怪だけでは治らない感じになりましたが最後はハッピーエンドなのかな。2人の子供の鷲王がかっこよかったです。
h27.7.10
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戦国時代ものの和風ファンタジー。
神の御使い、呪詛なんかが出てくる。
戦国時代だと殺伐とした戦の話になるかと思いきや、主君の筒井順興が、家臣思いの良い殿さまで良かった。
もう少し、深く掘り下げた話だと、もっと良かったな。
結局は、呪詛よりも、戦よりも、エロ行者に全ての幸せを壊された感じ。
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時は戦国時代。
典医の妻、狭霧には、この世のものとは思えない力がある。
病者についた物の怪が見え、それを調伏する方法がわかるのだ。
それは的確で、夫の仕事の助けになっている。
そんな彼女の元に怪しげな修験者がやってくる。
災いはそれだけではなく、次から次へ彼女を苦しめる出来事が起きるのだ。
彼女はなぜこの力を持ったのか。
修験者の狙いは何か。
第一章から章を重ねるにつれ、狭霧の力は次第に強くなっていき、戦いに巻き込まれていく。
彼女は美しく、強く、そして夫と子を愛した一人の女性だった。
愛する人を守るため、彼女は自らの手を血で染め上げた。
愛しているから話せないことも、助けを求められないことも、その大きさは異なるにせよ、誰しもが経験しているはずだ。
穿った見方をすれば、夫である義伯は愚か者かもしれない。
妻が自分のために苦しみ、悩み、傷ついていることに気づかない。
彼が気付いてさえいれば、狭霧は追い込まれず、幸せをもっと享受できたかもしれない。
しかし、その義伯の愚かさとも見える部分こそが狭霧が安心できる場所であったのかもしれないし、家族と主君、そして自分を守る強さの源であったのかもしれない。
ただ、私にとっては、子の鷲王が不憫でならない。
母は出奔したものと思い、その面影の薄いままであったから。
これが戦国の世なのだ、といえば似たような、いや、それよりはるかに不幸なことは多かったに違いない。
だが、物語の中とはいえ、こう願わずにはいられないのだ、この青年に、春日山の恩寵あらんことを、と。
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著者の本がもっと読みたい・・・。(切実か)
「あやかしとおばんざい」と、いうシリーズがあるようやねんけど、うちの図書館には蔵書がない。
購買リクエストをしようかなあ、どうしようかなあ、と、ずっと迷っていたけど、これは、するわ! 読みたいわ!!
さて、先に「からくさ図書館」を読んでいたので、この本も史実を織り込みながらの「そのちょっとした隙間」を語ってくるストーリーなのかなと思っていたら、隙間ではなく空間そのものやったちゅう感じ(わかりにくい)。
序盤は物の怪の絡み方がファンタジックかなと思っていたけど、後半はもうどとうのいきおいで読んだ。
最終章なんて、ページをめくるのが惜しいくらい・・・。
続きを知りたいけど、知りたくないっちゅう感じ。
そこに待ってる結末はわかりやすいハッピーエンドではないんやろうなと予想はつく。
それでも、義伯と狭霧にとってはベスト(いやベター?)な未来なんやろうなと思うんやけど、切なすぎるねん!!
切なすぎるねん・・・。
「おれは、かまわなんだのに」
と、いう義伯のセリフにすべてが持っていかれたなあ。
「からくさ」のときも思ったけれど、著者の作中での人々の「動き」を表現がほんまに好きだ。
文章を読んでもそれを映像で想像しない私にとって、著者の文章は「文字でダイレクトに情況がくる」ちゅう感じ。
映像で想像しなくても映像となって伝わってくる表現をしはる作家さんもいてはるけど、著者は文字がどーんとくる。
もちろんそれが、言葉の羅列だけではなくて、何ていうんやろうなあ・・・。
文字に乗せられた情況や気持ちが、文字のままこちらの感情を揺さぶるんだよね・・・。気持ちに入ってくるというか・・・。
なんかもう、うまく伝えられないけれど、お話として「面白かった」! とか、キャラクタが「イキイキしてた」! とか、このシーンが「グッときた」! とか、本を読んでいて
「よかったなあ」
と、思うところはぎょうさんある。
もちろん読んでるこっちの心身にもそういう感情って影響されるし、そのどれもが読書の楽しみやと思うのだけれど、著者のこの
「文字からダイレクトに気持ちを揺さぶられる感」
っていうのは、なかなか独特かも・・・。
ほんま、うまく書けないのでこの手のことは書かないほうがいいよね(笑。書いてるけども)。
ただもう、本好きにとって「持っていかれた!」というこの感覚は何物にも代えがたいものなので、私にとって
「気持ちを揺さぶられた!!」
と、感じる著者の本は、どんどん読みたい。ちゅうか、いい加減手元に置きたい・・・。
また、「からくさ」の小野篁もよかったんやけど、今回も舞台がすごいいいよねー・・・。
室町時代の知識ゼロの私が読んでも、すごい楽しかった。
ちゅうか、
「もっとこの時代の本を読みたい」
と、思った・・・。
去年、銀閣寺へ行ったときに室町時代の話を聞いて
「なかなか面白そう・・・」
と、思ったのよね。
今でも���えてるわ・・・。豆かんを食べながら聞いた南北朝時代の話・・・。
ほんで、
「すごいドラマティックやのに、なんでそのあたりって大河ドラマになったりせえへんの?」
と、訊ねたときの返答がそれこそ印象的で・・・。笑
ほとんど知らない室町時代の話を、もっと読みたいな。
あと、奈良に行きたい。
法隆寺に行きたい。笑
とはいえ私も近畿に住んでいるので、奈良は何度も行ったことがあるのに、基本的には
「ふーん」
ですやん。
あまつさえ
「京都とはちょっと違うよねー」
ちゅうぐらいですやん。
今回この本を読んでものすごい思った。
そら、違うわ!! 当たり前
京都でも、平安の時代は「人間と物の怪が隣り合わせに住んでるぐらいの」と、思ってたけど、奈良の方がもっと物の怪に近い気がする。
物の怪っていうか、神様? 神様やんね。
人間が後付けにした神様というよりは、もともと住んではった神様がようけおわしそう。
それだけに、こうやって神様と人間が接することもあって、そのために生まれる絆っていうかね・・・。
そういうのがね・・・。
「神様の御用人」を読んでいても思うけれど、その土地へ行くのならもっとその土地のことを知っていたい!
なので、奈良へ行く機会を作る前に、もっとこの時代の本を読んでみたいな。
難しいのはなかなか読めないので、この本くらいわかりやすいほうが、最初から最後まで楽しめるからいいんやけど・・・。(;^ω^)
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■能吏
能力のすぐれた役人。また、事務処理にすぐれている役人。有能な官吏。
■偈頌(げじゅ)
仏語。経典中で、詩句の形式をとり、教理や仏・菩薩 (ぼさつ) をほめたたえた言葉。4字、5字または7字をもって1句とし、4句から成るものが多い。頌。
(2017.03.12)
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後半からラストに向かって読む手が止まらなくなった。
もう少し、信じることができていたら、などと思ってしまう。