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これこそが
2022/09/04 17:49
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投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
「仕返換生」これこそがこの過去編最大の重要エピソードだろう。
景虎に感情を動かされつつある直江に人を愛惜しむ心を教えたのは九郎佐衛門の記憶なのかもしれない。
ここで直江が九郎佐衛門に肉体を返していたら…ミラージュは全く違う物語になっていた。
その場合、あの奇跡のような純化された愛は生まれずに終わったのだ。
それが幸せか不幸せなのかはわからない。
もうそんな問題ではないのだろう。
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双六を使い怪異を起こしていた怨霊 を退治した夜叉衆は、新たな怪異の 調査に乗り出す。そんな彼らを陰か ら監視する者がいた。直江の宿体・ 九郎左衛門を裏切り者と恨み、迫っ てきた若者だ。だが、景虎と行動す る直江は若者の存在に気づかず、か つての居城・与板へと向かう。そん な折、直江に九郎左衛門の記憶が甦 る兆しが表れて…!?
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中短編の寄せ集め。このくらいのボリュームがちょうどいい。
色部さんが双六とかなにごと?と思ったけど、人間臭いっていうかおっさんらしいな、って。
長秀がかっこいいとこあったなぁ…どこだっけ?景虎と背中合わせで敵に立ち向かうあたり、高校生時代がこんな雰囲気だったなとか、直江と高耶さんとの関係もなんだかそうね、この頃からあったのよね、みたいなとこが垣間見えた気がしてよかったな、と。
そういや晴家は…?
米山といえば十三参り…13歳になったら米山に登ってお参りするの?なんか、そんな登山をした記憶がございます。なんで米山?って思ってたんだけど、これ読んでわかったようなわからないような…。
20110720〜20110703
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換生した宿体が体を取り返しに来る…。生きる意志がある者が生きるべきか。正しい者が生きるべきか、何が正しいのか。生きることについて、ミラージュならではの問いかけに唸りました。こんな時に…と水菜先生はお辛い気持ちも吐露されていましたが、こんな時だからこそ必要な物語かも知れません。
あと、直江が直江でなくなるかものくだりは、魔王の種を彷彿とさせて久々に萌えでした(笑)直江が景虎を呼び捨てて絶叫したり、景虎がご主人様らしく冷徹に換生を禁止したり…。邂逅編は本編に比べるとやっぱりぬるめだったので、久しぶりに楽しかったです。
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ミラージュは惰性で読んでいたんですが、これは久しぶりに面白かったです。『こういうの読みたいな』と思っていたものを出してくれたな~と。
ラストでは久しぶりに泣いてしまいました・・・。水菜さんの筆、やっぱいいですね。好きです。
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邂逅編に出てくる、怨霊の攻撃はかなりバリエーション豊富だなぁ。商才あるんじゃないかとドキドキの勝長さんと、医師としてのやりがいを感じて調子にのる直江が可愛かった。
直江が景虎に対して意識しはじめる早さには驚いたけど、景虎様が直江に執着してる!!と初めて感じたエピソードでした(^ν^)
一目惚れされた女の家で一晩明かした景虎様にはちょっと衝撃うけた。
女と関係があってもいいけど、一夜限りとかの行為は嫌悪してそうなイメージだったんだけどなぁ。
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『亡霊双六』
双六に翻弄される色部さんのお話。いつも冷静でブレない色部さんが、途中ちょっぴり欲に流されそうになったりする様子が新鮮だった。
最後の「やはり貴殿でよかったと思うぞ。景虎殿」って台詞がすごく素敵。
『紅衣観音』
景虎さまと直江が一緒にいるとやっぱりしっくりきますねー。
朝帰りした景虎さまの色香に戸惑う直江はやっぱり直江でこっちがニヤニヤしちゃったよ。
それは嫉妬というやつでは…?
『仕返換生』
まさか宿体の主が怨霊化してたなんて!
換生で追い出した宿主と対峙することになるなんて!
予想外の展開でした。
こんなことも起き得るんだね!
どうやって九郎左衛門と向き合うのか、どう折り合いをつけるのか、とてもどきどきしながら読みました。
そして最後にはまんまと泣かされました。
好きです、このお話。
信仰に疑う心が生じると、これまでの人生を根底から覆されることになるんですね。
信じる心は強いけれど、同時にとても脆いものなんだなあ。
死んでも心残りのために成仏もできず、本来なら見なくてもいい世界を見なければならないのってすごく残酷。
夜叉衆も、九郎左衛門も。
極楽浄土って、本当にあるんでしょうか。
それこそ、死んだ人にしか分からない…ですね。
九郎左衛門の記憶に飲まれそうになりながらも、宿体を失うかもしれない危機にさらされながらも、最後には身体を受け渡す覚悟を決めて九郎左衛門と対峙した直江が、とってもかっこよかったです。
やっぱ直江、いい男!
景虎さまが惚れるのも無理ない!←
直江の窮地にブチ切れてあの猩々をめっためたに打ちのめす景虎さまに痺れ、同じくブチ切れて景虎様を呼び捨てにして罵倒する直江に驚愕しました。
まさかまさか、でした。びっくり。
いつの間にか『長秀』『景虎』呼びの2人、もうすっかり長秀のことを年配者だからって敬う気はさらっさらない景虎さま、すてき。
ここにきて夜叉衆の距離が今までよりも近付いた気がして、読みながら嬉しかったです。
テーマはものすごく重かったけれど…。
ここを乗り越えた直江の今後に注目。
そして框一族しつこいなあ…!!
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死者の思いを込めた双六の結果が現実に影響する、出られなければ死者の怨念の中を永遠にさまよい続けるという発想の面白さ。恒川光太郎を思い出させるが、そこに、生きている者から身体を奪ってまで生き続けるというこのシリーズ独特の設定がうまく絡んでいて面白い(「亡霊双六」)。
最後の「仕返換生・弐」は読み応えがあった。このシリーズの設定の根幹に、怨霊(死者)を鎮める仕事のために生者から肉体を奪う矛盾があるが、そのことと正面から向き合っている。SF?な設定に色々疑問に思うところありつつ歯抜け的に読んできた私としては、ここを書いてくれないとね、というズッシリな読後感に満足(偉そう)。あと、私は日本史をやったとき、一向一揆の矛盾とか、ひたすら念仏を唱えれば極楽にいけるとかいった教えが意味が分からず仏教食わず嫌いになったので、換生の意味を問う話に一向一揆の自刃集団の生き残りが絡んできて、「したことに意味があったのか」という構成はかなりツボ。フィクションだからこそ出来る問いという感じで楽しかった。…………信仰の中にあっても、極限まで追い詰められたときの生きるよすが(まだその逆に「生きていてはいけない」と思わせるもの)、穏かに死んでいける思い出は「人」という落としどころなのだなあ。うーむ…。
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炎の蜃気楼 邂逅編9 仕返換生
直江が宿体を九郎左衛門に返すことを景虎が許さなかったのは、意外だった。主従の不健全な関係は、この辺から始まっていたんだなと思った。