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東日本大震災後,東電福島第一原発の事故について言及された,おそらくもっともはやい段階での著作ではないかと思われる。著者は「安全な原発賛成派」とのこと。技術的には原発は安全であるという専門家としての意見をお持ちだが,その「安全性」が一定の仮定の上に成り立っているだけであり,「想定を超えた」事態に対しては,まったく無力であることが今回露呈された。「安全な原発はありうる」というのが著者の立場のようだが,地震国であり,管理能力が不足している日本の社会,行政,政治の状況にあっては原発を稼働させることは無理なのではないかとしている。
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武田さんは、自称「安全な原子力推進派」である。武田さんには日本の原子力技術に対する厚い信頼と自信がある。なのに、原発が事故を起こすのは、政治のせいだ、つまり、耐震基準を低くするがために事故に対処できないのだし、国の縦割り行政が、原発の安全をさまたげているのだという。だから、こわれない原発をつくれば、今後は東京の付近につくってもいいとさえいう。たいした自信だ。武田さんは、今度の福島の事故が起こったのは、「地震が巨大でも、津波が異常であった」からでもないという。だが、どうして?ぼくは、本書の中で、その解答をさがしたが、はっきりした答えはみつけられなかった。で、思った。武田さんは、今度の地震や津波では原発の圧力容器や格納容器はこわれなかったと言いたいのだろう。こわれたのは、電源系統が破壊されたからだと。しかし、この言い方はよく理解できない。原発というのは、電源系統をふくめた総体を指していうものではないか。地震で原発そのものがこわれなくても、電源系統は必ず切れる。それを技術的にカバーすることができるのだろうか。本書のために弁護するなら、読みどころは第3章の「どうやって身を守るか」であろう。具体的な方法が示されている。もう一つ、本書では使用済みの核燃料棒についても言及がない。それはどこかほかの本で述べているのだろうか。
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企画コーナー「今、原発を考える時」(2Fカウンター前)にて展示中です。どうぞご覧下さい。
貸出利用は本学在学生および教職員に限られます。【展示期間:2011/5/23-7/31】
湘南OPAC : http://sopac.lib.bunkyo.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=1595424
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福島原子力発電所で大変な事故が起きた。そもそもなぜ起きたのか、安全ではなかったのか。右往左往しているように見える現場では何が起きているのか。本当に大丈夫なのか。これからどう対処していけばいいのか。ブログにアクセス集中の専門家・武田邦彦氏が、緊急出版する原発事故の本当の問題点。「こんな非常事態だからこそ、原発問題に関する今までのタブーを表にすべきときです」と綴った衝撃の一冊。
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探偵ナイトスクープで有名になった武田先生の福島原発事故を受けての本です。あとがきにある「我々は失敗したのである」という反省は非常に共感しますし、丁寧に書かれた本であるなという感想。
ただ「面白いか/生活が変わる本であるか」というと、そんなこともなく、なんというか、リアリティや当事者意識を持って、ここから自分がどういう行動を取るかを自発的に考えなきゃいけない部分があり、多くの人に刺さるかというと、そうでもないのかなと…。
個人的には(本当はいけないのだろうけど)興味の範疇が原発にはないので、スルーしてしまうだろうな。そのリスクに自覚的にいなければと思うけれども…。(2011.05.29読了)
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武田本ではじめて原発モノを購入しました!!
原発事故による放射能汚染は我々人間の身体、そして周辺の環境にどのような影響をもたらすのかということを、わかりやすく解説されています。
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既に読了したものをブクログに登録.武田邦彦教授は,かなり過激発言も多いですが,その分,頭の体操をするよい機会を与えてくれる気がします.
この本自体は,かなりまっとうな議論が展開されています.とある一節に「1人1人の人はそれなりの知識や信念を持っているのですが,それが日本社会という全体の枠の中に入ると思わぬ方向に暴走してしまったというふうに見える」とあります.私はこの一文に非常に感銘しました.
おそらく第二次世界大戦などに突入した経緯なども含め,これまでの日本の歴史のほとんど全てが,この一文に集約されているような気がしてなりません.多くの点で,読み応えのある本です.
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この本の著者である武田氏といえば、リサイクル問題や地球温暖化の問題について解説した本を何冊も執筆されていますが、専門は原子力のようですね。
地震の影響で福島原発が事故が起きたことになっているようですが、地震による津波は天災だとしても、原発事故はリスク管理が不徹底だったのではないでしょうか。
いずれにせよ、原発が日本各地に建設されている状況で、いつ地震や津波が起きてもおかしくない場所に原発が50台ちかくも稼働しているのは変だと感じています。
この本を読んで思い出したことは、資本注入を受けた銀行と、それを監督していた大蔵省の関係です。当時税金を投入してまで銀行を助けることに違和感を覚えましたが、今回の原発の件も、設備面では政府組織の「保安院」に監督を受けていたので、保安院の責任もある(p48)というのは理解できました。
また被災レベルは事故が起きた時に吹いていた「偏西風」のおかげで大部分が太平洋上へ移動していたこともわかりました。事故直後にドイツの学者がウェブで発表していたことをほぼ同じ内容でした。
以下は気になったポイントです。
・今回の東日本大震災のマグニチュードが7.9から9.0になったのは、世界各地の観測データも加味したから、さらに、世界標準的な「モーメント・マグニチュード」に変更した最初のもの(p12)
・110年前の1896年に起きた明治三陸地震の津波の記録は15~38メートルなので、今回の津波が飛びぬけて大きいわけではない(p13)
・原発とは、ウラン235が核爆発して、その熱で水をスチームにして、そのスチームでタービンを回して電気を起こすものである(p16)
・電気が切れても、自分自身お熱でスチームをつくってポンプをまわして原子炉の熱を冷却できるという「緊急炉心冷却装置」も破壊された、1991年の美浜原発事故以来(p20)
・冷却装置が壊れた原因は、地震の揺れと津波によって、すべての電源系統が破壊され、海水をかぶり、それによってポンプ等を動かす「制御系」が壊れたから(p21)
・ホウ素は、崩壊熱とは関係がない、ウラン235を核分裂させる中性子を吸収して、核分裂を止めるためのもの(p28)
・福島原発の電源系は、1)いつも使っている電気、2)非常用のディーゼル発電機の二重防御システムであった、しかし同じ敷地内に置いてあったのでリスク管理は不十分、つまり非常時(津波、地震)には通常・緊急冷却が止まる設計であった(p36、41)
・原子炉内の水素ガスは、圧力容器から格納容器に移され、さらに格納容器から普通の空気がある建屋の中に移されて、水素爆発に至った(p44)
・東京電力は会社として責任をもって福島原発を運転する責任はあるが、設備の責任は保安院にある(p48、104)
・厳しい質問をすると答弁に立つ人は意味のないことを長々と答える、すると質問時間がなくなって打ち切りとなる(p60)
・柏崎刈羽原発が「震度6」で破壊されたのは、東京電力が安く作ろうとしたから���か、柏崎刈羽原発が「震度6」で破壊されたのは、東京電力がわざと弱く設計したとか、工事の手抜きがあったわけではなく、もともと「震度5ぐらいの揺れしか持たない」ように建設されていたから、ただし浜岡原発は震度7まで耐えられる(p63、115)
・現在の原子力発電所が危ない理由は、1)地震や津波が来ると壊れるという危なさ、2)危ないことがわかってても、知らされない、3)万一事故が起きた時の対策がとられてない、という危なさがある(p78)
・ウラン235が核爆発して、熱を出して電気を作るときに発生する核分裂生成物の放射線は、最初にウラン235が持っていた放射能の約1億倍、これがもとの放射能レベルに下がるまでに10万年、燃料そのもののレベルになるには300万年かかる(p121)
・現在は、放射性廃棄物を人間環境から隔離しなければならない期間を、10万年を目安にしている(p122)
・核分裂生成物は、多くの半減期の長短のある物質が混合しているので、一般的には30年程度ととらえるべき、簡単な目安として、1)最初の4日間で1000分の1、2)次の4か月でさらに、10分の1、3)それからはあまり減らない(p123)
・今回の爆発では、幸いなことに、ほとんどが太平洋上に流れたが、一部は西北の法に移動した、今回は偏西風という日本の風(神風)に救われた(p147、156)
・広島の原爆で使用されたウラン235は、数10キロ程度、福島原発の燃料装荷量は、1号機:69トン、2~4号機:各々94トンで、合計351トン、原爆の場合は純度90%、原発は4%なので、原爆換算で数百倍程度のウラン235がある(p150)
2011/5/5作成
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母がテレビでこの人の話を聞いて読んでみたいと言ったので入手し
先にパラパラっと流し読みした。
素人にもわかりやすく書いておられた。
かなりはっきりと持論を呈していたが
これを信じるか検証するかは人それぞれ。
私は科学的知識や計算能力が欠けているので
極度に怖がらず頭に残しておこう。
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東日本だからなのか最近図書館に震災・原発系の本が増えてきました。ネットをやっていれば入ってくる情報の内容のおさらいといった感じ。内容的には事故から一ヶ月の時点。専門用語がわからなくても伝わるよう気をつかって書かれています。表題のことよりも「原発は地震で壊れるようになっている」ことの説明が 2/3ほどでした。
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この本は読もう読もうと思って先延ばしにしていたものです。なぜ国は本当の事を公表しないのか。事故が起きた理由、何が問題なのか、放射線の影響は大丈夫なのか。これらの疑問に対してわかり易く書かれております。
この記事を書いているときに福島大一原子力発電所ではメルトダウンした燃料が地中にもぐりこむ「チャイナ・シンドローム」直前の状態だったということを東電がようやく発表したのを聞いて『あぁ、やっぱりなあ』ということと、遅いよ…。という二つの思いが交錯しておりました。この本については今までずっと読もう読もうと思っていたのですが、ついあと伸ばしにしているうちに今に至ってしまいました。ですので少しここに記されている内容と現在の状況は変わってるかと思います。しかし、おおよそのところについては専門用語を出来るだけ使わなかったり、グレイだベクレルだというさまざまな単位も『シーベルト』に統一されてあって、その点では非常に読みやすく、今まで『専門家』たちだけのものであった原子力というものが言い悪いは別にしても、この本を読むことによってぐっと身近になったであろうと思っております。
僕が一番読んでいてショックだという箇所は、原発というものは震度5、ないし6で壊れてしまうように設計されているというところだ、というもので、今まで国が安全だ安全だと何十年にもわたって喧伝してきたことはいったいなんだったのだろうと考え込んでしまいました。この本にはその他にもあまり知りたくもないことが書かれていますが、ここに書かれてあることを知っておかないと、これから自分の身を守れなくなってしまったということにもやるせなさを禁じえません。
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2011年4月出版の本で、この時点でプルトニウム放出量は極小と発表されているが、
「10万年隔離が必要な核分裂生成物が福島に蒔かれた」
と書いている。
しかも「核反応」を原発で発生しえない「核爆発」と総称。
「安全」についてもお話にならない理解度。
https://seisenudoku.seesaa.net/article/488814238.html