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紙の本
<イベリア・シリーズ>、第5弾。 タイトルは様々な隠喩。
2016/11/23 18:06
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投稿者:かしこん - この投稿者のレビュー一覧を見る
<イベリア・シリーズ>も第5弾でございます。
一作目『イベリアの雷鳴』以来の一冊刊行(これまでは上下巻)。
トータルのページ数、30ページ前後しか違わないんだからなんで上下に分ける必要があるんだろう? 講談社文庫は『白夜行』を一冊で出しているのだから(あれ1000ページ近かったよ!)、技術面で問題はないはず。 やはり通勤等での持ち歩き読者を想定しているのであろうか。 でも途中で読み終わったら困るから2冊携行するときもあるわけで、それが不便と思ってしまう私です。
ドイツの敗色がより濃厚になってきたものの、戦争はまだまだ続いている。 そして連合軍総攻撃の“Dデイ”上陸地点をめぐり、熾烈を極める情報戦が水面下で行われていることを活写。 ヴァジニアは北都とのことでマドリードからロンドンに呼び戻されてしまうのだが、ベルリンに潜入せよという危険な命令を下されてしまう・・・という話。
今回は北都の出番はほとんどないといってよく、ヴァジニア側の視点中心。 隠れ主役はカナリス提督。
あ、グレアム・グリーン出てきた!、と読んでてちょっと興奮。
それで、「あ、『ケンブリッジ・シックス』にでてきた<ケンブリッジ・ファイブ>の人じゃないか!」と気がついた(思い出した)・・・。 遅い、遅すぎる。 それでもこうやって繋がっていくヨロコビはあります。
そうなるとイギリス側のトマス・ハリスって、あの『羊たちの沈黙』の作者のトマス・ハリスじゃないよね?、という不安が生まれてきちゃうわけですが(さすがに年齢的にどうかと)、あえて調べません!
そしてこのシリーズで初めて、この巻のラストでうるっと落涙してしまいました・・・。
やっぱりこの作品のヒロインは彼女だったんだよ、ということを実感。
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