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子育てをめぐる最近の研究動向についての紹介。通常の「科学的」な検討で行われうるように、ランダム化された対照群を用いることが倫理的にも難しいせいか、本書の内容も再現性があるかといわれるとやや疑問に思うような内容が多い。
・ほめる時は闇雲にほめても効果はない。やたらと褒めるのはむしろ親が自分自身を満足させるためである場合が多い。マウスの学習課題でも、成功の度に毎回、報酬を与えるよりも時々報酬を与える間欠強化の方が効果的。子供も「よくやった」というよりは具体的に的を絞ってほめてやることが重要。
・睡眠は重要で、中高生の徐波睡眠を妨害し続けるとインスリン感受性が障害される。テレビの害がよく喧伝されるがTV自体が悪いのでなく、睡眠時間が減少することの方が問題。
・ほとんどの子供は4歳になる前に嘘をつき始める。これはある程度知能の発達を示唆しており、悪いことばかりでもない。嘘を減少させるためによく「羊飼いとおおかみ」の話が使われるが、実際にはあまり効果がない。おそらくは嘘をつけば叱られるという教訓が子供にとって何ら目新しいものではないことによるのだろう。「ワシントンと桜の木」の話は少年の嘘を75%、少女の嘘を50%も減少させ、効果的である。親が喜ぶのは子供が真実を話すことだ、という教訓があるからだろう
・10歳以下の知能テストはあまり当てにならない。その後の成績とは若干の相関がある程度。同じ課題をやっているときのfMRIを見ても大人と子供では使う領域が異なる。知能の根源となる領域は年齢に伴い変化するため、前頭前野などの高次皮質が発達してくる前のテストではその後の知能を十分に予測できない
・子供に譲歩することをよしとしない風潮が米国では優勢だが、これは子供の嘘、うまくすりぬけようとする気持ちを助長する。原則は守りつつも必要な時、ちゃんと説明された時は譲歩する
・「ベビーアインシュタイン」などの教育DVDは効果がない。話しかけたら返事をすることなど、行動に対する反応がないと学習に結びつかない
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子どもは正直ではない・睡眠を削ってはいけない・頭より、自制心を鍛えよ・ほめられる子どもは伸びない・子どもの攻撃性はマイナス要因ではない…etc。こういう本を読んでいるといかに子育てが難しいと感じます。
僕はまだ子供がいるわけではないので今後の参考になるかなと思い、この本を読ませていただきました。書かれてあることを端的に言い表すのであれば、最新の脳と心の科学による子供の育て方、といったらいいのでしょうか?そのルールというものを引用させていただきますと
・子どもは正直ではない
・睡眠を削ってはいけない
・頭より、自制心を鍛えよ
・ほめられる子どもは伸びない
・子どもの攻撃性はマイナス要因ではない
・言葉を覚える早道を誤るな!
・IQは生まれつきの能力ではない
・親との対立は、絆を強めるため
etc
というものであり、まことに持って目からうろこが何枚も読んでいて剥がれ落ちるようでした。特に「IQは生まれつきの能力ではない」という章では「ギフテッド」と呼ばれるあらかじめ知能指数の高い子供がその後の努力を怠ってしまったがために落ちこぼれていく姿や、「睡眠を削ってはいけない」というくだりは、俗に「四当五落」なんていわれて、高校時代に受験勉強をしていたころの自分に聞かせてやりたかったです。そして、「子供は正直ではない」というくだりでは嘘をつく子供と、それに対してどうしていけばいいのか?なんてことがかなり具体的に書かれてあって、自分の子供のころを照らし合わせると、やっぱり子供は「天使」ではないなぁ、ということがふっと頭をよぎりました。
少し厚いし、内容もかなり難しいことが書かれていますけれど、中盤あたりから俄然内容が面白くなってきます。ですので、子育てに現在お悩みの方。もしくはこれから新しい命を授かる、という方に一読をしていただければなと考えております。
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1、寝る子は育つ。
2、10代の子の脳は強い刺激を求めやすい。だから危険な行為をしたり攻撃的にもなる。
3、子供は遊びから学ぶ。
4、対話すること。口論になったとしても。
5、適切なルールを設けて守らせる。子供は嘘をつくけれど。
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研究データを基に語られており、その効果が数値で表されていて、とても面白かったです。
10のルール、メモ。
1、ほめるときは、努力をほめるべし。知能や結果をほめると難しいことに挑戦しなくなる。(うちの子まさに・・・)
2、睡眠不足は学力低下、情緒不安定、肥満のもと。
3、人種差別は、赤ちゃんのころから始まる。
自分と同じ=好き、本能主義。異人種間交流で自然にちがいを認め合うなんてことはなく、親がきちんと教えなければ差別はなくならない。
4、正直さを試す質問をやめること。(例:こぼしたん誰?⇒俺違う)
嘘は3歳からつき始め、4歳児は2時間に1回、6歳児は1時間に1回嘘をつく。例外はほぼない。(ほんまか!?ショック!)子どもの嘘を大人は決して見抜けない。こどもの嘘に罰を与えても減らない。
5、IQは生まれつきの能力ではない。
(よかった!)
6、第2子出産前には、第1子の友達関係を大事にするべし。
きょうだい喧嘩の原因は、親の愛情争いではなくほとんどが物の取り合い。きょうだい関係は、下の子が生まれる前の上の子とその友達との関係で決まる。
7、十代の脳は強い刺激でないと感じない。
(10年後を想像したくない。。。)
8、頭より自制心を鍛えよ。
”心の道具”という幼児カリキュラムで自己管理のできる自主性のある子に育つ。前頭前皮質の発達。
・プレイプランで文章を書き、それにそって遊ぶ。
・できばえを互いにチェックさせる。
9、子どもの攻撃性はマイナス要因ではない。
10、言葉を覚える早道を誤るな。
DVDは無意味。乳幼児期が唯一の臨界期ではない。
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既知の内容が多かった。それでも、読む価値がないとは思わない。
各章のタイトルにある内容を具体的に証明していっているわかりやすい構成。
①ほめられる子どもはのびない
→才能をほめて自尊心を高めてもだめ。ただほめるだけのアメリカの子どもよりも、厳しく注意される中国の子どもの方が再テストの結果が良い。ただし、ただ叱られるのではなく、笑顔や包容が含まれている点はアメリカの親といっしょということを忘れてはいけない。
③触れ合いを増やしても、差別はなくならない
→人種の話で日本人には縁遠い
④子どもは正直ではない
→「羊飼いの少年とオオカミ」の話を聞かせても、嘘を減らさない。逆に少し増える。「ジョージ・ワシントンと桜の木」の話は、少年の75%、少女の50%の嘘が減少。前者は嘘はいけない、と教える。しかし、なぜいけないかというと、叱られるから、と刷り込む。一方後者は、正直であることの価値をつたえている。結果、罰と賞賛を手にしていることが親がうれしいのは、好ましい話ではなく、真実だと伝えることになる。
⑥きょうだい喧嘩を、叱るだけではいけない
→予防が大切
⑧頭より自制心を鍛えよ
→心の道具は具体的で試してみる価値有り
⑩言葉を覚える早道を誤るな!
→赤ちゃん向けDVDは無駄。機械の音声は赤ちゃんには雑音としか入らない。DVDに子守をさせてはならない。
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上の子の時に買った本でもはやサブタイトル<最新ルール>が怪しい。
それでも、子育て本を読み返すのはよいことだと思う。
なぜなら、わかってる!しってる!と頭では理解しているはずのことが子供相手に日常レベルで感情が先に立ったり、惰性で流されていたり、なかなか実践しているか?と言われれば、難しいことが多い。そして、子供が成長していると、以前と心に響く箇所が確実に違う。
いくつになっても、多少経験値がふえようと、親だって子供に対して迷える子羊と羊飼いだ。
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しかし読みにくい‼
すくすく子育てとか、その他でも聞いたことある、非認知能力の大事さを言い始めた本なのかな。IQを小さい頃から鍛えてもあまり意味がないというのは自分の体験からも同感。知能が伸びるのは9、10歳。
子供が少し大きくなってから読んだらもっと参考になりそうな本。
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10年ぐらい積ん読していた本をついに読了!
子どもの成長に関わる心理学の実験結果を元にこれまでの常識を覆しまくって面白い。
多くの間違いは、大人と子どもは同じような心身だと仮定してしまっていることに起因している。
睡眠不足の影響は大人でも問題視されているが、子どもにはもっと大きな悪影響がある。
それ以外にも、思い込みから間違った子育てをしている、ということが明らかになってくる。
子どもが言葉を覚えるためにはたくさん言葉を聞けばいい、と考えがちだが、実際は、子どもが音を発したときに親がどれだけ反応したか、が影響しているのだ。
面白い発見は次から次へと出てくるのだが、それとは別に、アメリカ文化が垣間見えるのも興味深かった。
子育てでも人種差別の問題は出てくるし、ギフテッド・プログラムがこんなにも根付いているとは思わなかった。
日本でいう有名私立みたいなものだろうか。
自分がすぐに変えられる部分は、褒め方ぐらいかな。
言葉の覚え方についてはもっと早く知るべきだったな。
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https://docs.google.com/document/d/1BKzRkQ_bBshSR_0cryCcCOjlXgGv-X36/edit