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「うつです」というその前に みんなのレビュー
- 香山 リカ (著), 鳥居 志帆 (漫画)
- 税込価格:1,100円(10pt)
- 出版社:PHP研究所
- 発行年月:2011.5
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コミック
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紙の本
”「私はうつ」と言いたがるひとたち”をコミック化したような感じかな。
2011/10/18 22:08
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みす・れもん - この投稿者のレビュー一覧を見る
書店で見つけてタイトル買い。マンガにも見覚えがあったので興味を惹かれて。家に帰ってよく見ると、著者は香山リカ氏だった。正直、「あちゃ~!」と思った。彼女の本は他にも数冊持っていて、「「私はうつ」と言いたがる人たち」が最初に読んだ本だったかな。内容は本書とほぼ同じ。だから読後の感想も「やっぱりね…」しかなかったのだ。
臨床現場でおそらく”うつ病になりたい人”に困らされているのだろう。「うつ病」と書かれた診断書を伝家の宝刀の如く振りかざして好き放題やっている人たちが本当に存在するのかどうかはわからない。自分自身は近くのコンビニに買い物に行くどころか、数十メートル離れた自動販売機まで行くことすら体力的にキツかったから、仮にも医者から「うつ病」と診断された人々がリフレッシュと称して海外旅行に出かけたり、転職活動にいそしんだりということが信じられないのだ。
「従来型うつ病」というのは、休息と時間が治癒してくれる。それを補うために薬を使うわけだ。けれど、根本的に思考の歪みがある場合、そう簡単にはいかない。その歪みを矯正していかない限りは激しい気分の浮き沈みを繰り返す。そういう長期化する「うつ病」もある。
「従来型うつ病」ではない=「新型うつ病」と定義して、一括りにトラブル・メーカー扱いしているような印象を、本書(というより、彼女の著書)からは受けるのだ。そう印象づけられてしまうと、かなり辛い。
確かに心療内科が乱立し、簡単に「うつ病」と診断されるケースが多発しているとは思う。原因を探っていけば実は「うつ病」ではない場合も多いだろう。けれど、待合室で1,2時間待たされたあげく、診察時間は10分足らずという心療内科。一人一人に深く付き合ってはくれないのが現実。これではまともな診断はできないと私は感じている。今は精神科の医師にはあまり期待していない。とりあえず薬をもらいに行くのみだ。自分でよい方向に進まなければ…と思うのだが、一人だとなかなか上手くはいかない。医師ではなくカウンセラーや臨床心理士に頼ろうとすると保険が使えないので、料金が高くなる。手は出せない。
「うつ病」と言われて「わーい♪」と喜ぶ人に直接お目にかかったことがないのだけれど、存在してはいるんだろう。そういう「うつ病」の方々に迷惑をかけられているという話も耳にする(私自身も職場に迷惑をかけているところで、かなり心苦しく感じている。決して休みたくはなかったのだけれど、結果は休んでしまっているのだから端からみると同じなのかもしれない)。
そういう人たちには「当たり前の感覚」というものが欠如しているわけで、やはり別の精神的な歪みを抱えているのではないだろうか。それを矯正していくような方法を示して貰えれば…と思うのだが。
現在「うつ病治療真っ只中」の方は、決して手にしないように。それだけはお願いしたい。自分を責める材料が増えるだけだから。
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