紙の本
狂言回し
2013/12/27 19:30
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投稿者:キック - この投稿者のレビュー一覧を見る
本巻は山崎の戦いから徳川との和睦まで。茶々が秀吉の妾となり、千利休との対立が芽生え始めています。
なぜ利休は処刑されなければならなかったのかは、歴史上の謎です。本巻では、その謎に挑んでいます。秀吉の陰の参謀として、圧倒的な存在感を示す利休。秀吉をコントロールしようとしており、秀吉にとって目の上のたんこぶとなっています。一方の古田織部ですが、ストーリー展開上の立ち位置がはっきりせず、主人公というよりも狂言回しとなっています。
世間では評判の高い漫画のようですが、私には全く面白くありません。正直言って、息切れです。
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主人公がいよいよ魅力的に。しかし、審美眼、物欲がない方が幸せかも。千利休らがキュレーターであるという意味がなんと無くわかってきたです。
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武人と俗物との間で揺れ悩む古佐。胸にいろいろ秘めながら、豊臣の世になり、古田佐助はいよいよ古田織部に。主人公の成長(?)も面白いけれども、秀吉と利休の間に緊張が生まれ、やがて溝になっていく様子がこの独特の絵柄で表されているのがとても面白いです。
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明智光秀の最後の晩餐のシーン,桔梗をつんでみそ汁に入れるところがとてもよかった。一緒についてきた部下との会話もいい。
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古田左介が、激動の時代の中で、大きく変化していく。
タンポポや縄文土器に、美しさを感じる。
有名と言われていた茶器に、心がときめくことがなくなった。
自らの審美眼が、人の評価ではなく、自分の感情に従う。
そして、なぜ 茶器に心をときめかせたのは、信長があったからだ
というところまで、自覚するのである。信長に認められたいという思いだった。
本能寺の変の主役だった、明智光秀。天下人になった。
しかし、一番みじかな細川さえもついていかなかった。
なんのための謀反だったのか?正義はどこにあるのか?
秀吉は、着々と 正義である錦の御旗を掲げる。
光秀は、まんまと、秀吉の策略に乗っかったことを知る。
秀吉の人の心の動きをよく読んで、味方につけていく。
家康が、「明智は世を正すための戦、羽柴は天下を取るための戦」
と見抜くが、しかし、人間の欲の深さは、正義ではなく、出世欲だった。
家康が、どちらに加勢するか。時代の流れは、秀吉に向いていた。
ふーむ。漫画といえないほどのあっぱれなストーリー性。
人間の欲ぶかさと美しいものとは何かを説いている。
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本巻で古田左介は古田織部に、千宗易は千利休になる。
ぼくは本作の歴史観に「?」しかなかったが、その理由は文化が圧倒的に現実の政治よりも強いということである。だが、それはまったくの野暮であった。
古田織部という「数寄」の天下を狙う武人中心に描くと、こういう歴史観になるのは必然かもしれない。
あと気になるところは、「数寄者=おたくの原型」という理解でよいかという問題である。作者が現代と戦国時代に差異をつけていないことは自明(西暦表記や言葉使いなどから容易に推察できる)だが、おたくやマニアといった現代の消費行動の一類型をどれだけ意識しているかは大きな問いだろう。