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娘が通り魔に襲われ、植物状態となった事をきっかけに刑事となった夏目を主人公にした連作短編集。
今までの作品と一貫したテーマで、らしい感じ。ただ、夏目があまりにも人間的にデキた人なので、感情移入できず、物足りなく思った。
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一人の刑事を主人公に前半は刑事の洞察力等に焦点を当てつつ、中盤から刑事の過去を絡めて飽きさせない展開。
加えて全体を通して感動させられる内容になっており、深い悲しみを背負った主人公の言葉には重みがあります。
パターンが似通ってるのは若干気になりますが、それを補って余りある内容だと思います。
今までの社会派とはまた違った一皮剥けた作品です。
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事件被害者の家族であり、それが原因で刑事の道を選んだ夏目。彼が関わる事件の数々は、どれも重苦しいものばかり。つらくて、悲しくて、やりきれなくて。被害者ばかりでなく加害者にもあるそれぞれの事情。それは許されるものなのかどうなのか分からないけれど。どこかしら希望が残されていればいいのになあ。
お気に入りは「黒い履歴」。加害者の方がむしろ被害者なのでは、と思えてしまうのですが。それでも罪は罪なんだよね。彼らのしたことは正しかったのかどうか。だけどその原因が思いやりだったのが、悲しいところ。
夏目自身に関わる事件である表題作「刑事のまなざし」もつらいなあ。もちろん被害者遺族もつらいけど。誰もがつらい。「償う」ということの重さも感じられました。
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7月に出たばかりの薬丸岳の新作。
「天使のナイフ」や「虚無」・・薬丸岳の小説は「被害者遺族」と「加害者家族」の問題がテーマになることが多い。
やはりもしも我が身のことであったらと想像すると、読後感がものすごく重く、何だか無口になってしまうのだ。
書店でこの「刑事のまなざし」を見たときに「へぇ・・刑事モノなんて書いたのか」と思い、一気に読破。
この作品の根底にも、これまでと変わらない一気通貫したメッセージが確かにあったと思う。
それぞれの事件の背景にある個別の事情。それを冷静に見つめる夏目刑事の目。
どんなに情状酌量の余地があるとはいえ、「罪」は「罪」として裁かれ、償わなければならない道理。
なかなか今回も考えさせられました。
夏目刑事というキャラクターは、これから薬丸作品のシリーズとなるだろうか。
それほど彼の存在感が大きく、ぜひ今後の続編のようなものも読んでみたいですね・・
素晴らしい作品でした。
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ある事件がきっかけで、刑事に転職した夏目。
彼の携わる事件の短編集。
と言っても事件そのものよりも被害者家族と加害者家族の心情がメイン。
やるせない事件や背景ばかりだが
夏目の眼差しは決してそらされることなく
常に温かくそして厳しい。
【図書館・初読・7/19読了】
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娘が襲われ植物人間になってしまった時、少年鑑別所の職員だった男は刑事になった。刑事には向いていない男だからの視点が犯人を追いつめていく。面白かった。
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法務技官として事件を起こした少年たちと向き合ってきた夏目信人。
しかしある事件をきっかけに警官へと転身し、今では刑事となっていた。
そんな彼が出会った7つの事件。
「オムライス」「黒い履歴」「ハートレス」「傷痕」「プライド」「休日」「刑事のまなざし」収録。
密かに新作を楽しみにしている作家さん。
今回は連作短編集でしたが、ミステリの仕掛けに富んだ作品ばかりでとてもクオリティの高い短編集でした。
特に冒頭の「オムライス」。
推理作家協会賞短編部門の候補作となったそうで。納得の作品にして一番のお気に入り。
内容はこれまでと同じく、非常にやるせない物語たちでした・・・。
夏目自身を襲った事件。
これはお話が進むにつれ、だんだんと明らかになってきます。
そして「刑事のまなざし」で試される夏目。
罪の償い。被害者遺族の想い。
ラスト、取調室で夏目が叫んだセリフ。これが薬丸さんの想いなのかな。
でも夏目が清廉潔白すぎて、少々物足りない。もう少し黒いところも描いてほしかったかな。
とはいえ、今回もまた考えさせられました。
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最終章は書き下ろしで、そこまでは一話完結の連載のかたち。
最終章までの各章は、最終章まで盛り上げていく。
徐々に、背景が明らかになっていく。
書き下ろしの最終章は、期待された解決はあるものの、それだけにとどまらずよくできていると思う。
連載時に読んだ人も、最終章を読まなければならないというビジネスモデルなのだろうか。
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法務技官から転職し、刑事になった夏目を主人公とした連作短編集。娘が犯罪に巻き込まれ、植物状態になってしまった夏目刑事が追う事件の数々。
「天使のナイフ」「虚無」「悪党」と、薬丸さんの描く作品は犯人と被害者遺族の目線が多くあります。今回もその姿勢は変わらず。短編なので少し和らぐものの、後味の悪さ、迫ってくるやるせなさ、悲しみは衰えずでした。
それぞれの話がまとまり、ラストは夏目の娘が巻き込まれた未解決事件の謎が・・・。
面白かったですが、やっぱり重たくても長編でじっくり読みたい作家さんかな、と思います。
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とある事情で法務省技官(少年鑑別所で少年に対応する)から刑事に転職した男の短編7編。どんでん返しが基本ですが、その出来自体はまぁまぁ。でも、6編は小説現代で連載しておきながらキモの7編目が書き下ろしという商売はいかがなものかと。ま、図書館で借りている俺が文句言う筋合いでもないんですけど。
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自分の娘を通り魔事件で、植物人間にされてしまった夏目は、法務技官から警察官へと転職し、少し変わった切り口で事件を解決していく…
決して、つまらくはないけど、やはりこの作家さんは長編の方が面白いし、主人公が加賀恭一郎とだぶる。
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自分の娘を連続通り魔に襲われ、それがきっかけで法務技官だった父は警察官に。夏目信人が解決する7編の短編集。
「新参者」の加賀恭一郎とダブるところがあって、夏目自体は新鮮な感じはあまりしなかった。
ひとつひとつは大どんでん返しがあり楽しめたが、短編という性質上すぐに事件が解決されてしまい少し不満もある。
最後の表題作などはもっと夏目自身の心をもっと露わにしてもよかったのではないかと思う。
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短篇集なので期待はしていなかったけど予想外によかった。
心に傷を負った夏目刑事の存在感がすき。
「ハートレス」はちょっと泣けた。
(映画になるなら堺雅人さんにやってほしいな~)
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短編。
しかし、内容は関連あり。
夏目刑事の落ち着いて冷静な感じに好感が持てる。
心乱されることなく仕事に打ち込めたら気持ちいいだろうなぁ。
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事件の被害者家族となり、刑事へと転職をした主人公。
この主人公が、独特の目線で事件を解決していく短編。
最後には、娘の事件も解決するのだが、全ての事件の裏にが悲しい話があり、すっきりしなかった。