紙の本
ひとのえがきかたには好感がもてるが,今後については不明なまま
2012/04/16 23:15
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Kana - この投稿者のレビュー一覧を見る
東日本大震災がもたらした津波と原発事故をテーマとした本はすくなくないが,この本は震災後に著者が会ったひとりひとりの人間をえがいている. さらに,原発に関してはそれを推進してきた正力松太郎やさまざまな政治家や東電などの企業人をいきいきとえがいている. 石原慎太郎など現在の政治家には批判的だが,これらの過去のひとは冷静にえがいているところに好感がもてる. だが,「いま私たちに問われているのは,これまで日本人がたどってきた道とはまったく別の歴史を,私たち自身の手でつくれるかどうかである」と書きながら,これからどこにどうやってむかっていけばよいかについては,ほとんどふれないままになっている.
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ここには、確かに生の声がある。―津波ですべてをさらわれた三陸沿岸の住人・憤る気力さえ奪われた原発労働者・“安全安心”な原発と共に生きてきた双葉町住民―ノンフィクション作家が描く、目を背けてはならない3.11の真実。
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「日本人」の語が頻出し、最後には「高齢大国ニッポンの世界に冠たる本当の底力」なるフレーズまで飛び出し、果ては『津波てんでんこ』の山下文男の一種の「転向」を書き立てるあたり、皮肉混じりとしても鼻白まないではないが、「東電OL殺人事件」や正力松太郎という「巨怪」を描いたノンフィクション作家こそが迫りうる、日本列島の原発ならびに浜通りという「原発銀座」の起源が、関係者へのインタヴューをつうじて説得的に浮き彫りになっている。同時に、現在無残な廃墟をさらけ出している構造が、いかに戦後復興と、さらには近代天皇制と結びついているかも示唆されている点、興味深い。とくに、原子炉導入と絡んでちらつくアメリカの影については、広島の復興大博覧会の問題を考える意味でも、もう少し見通しを得たいところ。そうすれば、フクシマ、ヒロシマ、オキナワを照らし合わせて、現在を問う思考の道筋が開かれよう。
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東日本大震災のドキュメント。取材対象の多様さで引き出されるリアルな証言、エピソードが胸に迫る。日本に原発が導入されてから、今日の事態に至るまでの経緯、背景がよくわかる本。「原発労働はなぜ誇りを生まないか」という指摘にドキリとした。(7/18)
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実際震災現場に行って記したレポートであるため説得力がある本書。どのような経緯で日本に原発が出来たか、そしてなぜ福島なのかも説明している点もよい。当時の政治家の行動力を見るにつけ、よくも悪くも現代政治家の行動力のなさを虚しく感じました。
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http://bar-trilce.no-blog.jp/tenmablog/2011/07/post_4394.html
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AD%A3%E5%8A%9B%E6%9D%BE%E5%A4%AA%E9%83%8E
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前半は被災地ルポ。後半は福島がいかにして原発が建ち並ぶ地となったのか、その過程を追っている。
畜産農家の慟哭にやり切れなさを感じた。
著者の知人である被災者、元共産党幹部や、元は新宿でバーを営んでいたオカマやらを訪ねて行く場面が秀逸。やはり人間とは面白いものなのです。
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2011年3月11日、東北地方を襲った未曾有の大震災。その中でも強く生きる人たちの証言と日本は如何にして原発を受け入れたきたのかというリアルな記録。
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全体は見えないし,速報性もないけど,こういう仕事はこれからも残っていくんだろうな,と思わせる一冊。もちろん,商業ルートに乗るための力量要件はずっとシビアになるだろうけど。あとがきの天皇論が印象に残った。今の天皇制は都市化していて,皇室のお言葉では東北の被災者を救えないというのは,面白い視点だと思う。
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元日共幹部を「転向」させた自衛隊員の優しさ《赤松正雄の読書録ブログ》
大震災から五ヶ月が経った11日に、たまたま陸前高田市出身の黄川田徹氏と会う機会があった。家族の殆どを失った、壮絶なまでの犠牲を強いられた代議士である。「昨日ようやく妻の遺体が見つかったのです」―明るい笑顔で、そう言われた。「これで吹っ切れました」との言に、力強く手を握り返した。衆議院に議席を持っている議員のなかで、恐らくは最も優しい人だとの見たてで衆目が一致する彼を襲った、最も過酷な運命。衆議院東日本大震災復興特別委員長として個人の悲しみを乗り越えた采配ぶり。東北地方の復興に彼の使命の全開を期待したい。
佐野真一『津波と原発』は、震災直後に書かれたルポとして、今後長く読み継がれていくであろう出色の作品だ。全てをそぎ落とした、事実のみを持って語らせる吉村昭の手法と異なり、多彩な関係者群への徹底したインタビューで事実の背後に横たわる真実を掘り起こす佐野さんの手法。今回も見事なまでに成功しており、一気に読ませた。
震災後一週間経った18日に現地入りした佐野さんは、その日最後に陸前高田市を訪れる。そこから始まった元日共文化部長の話はなかなか印象深い。病院でフルチンにされた彼を「孫のような若い隊員が冷え切った身体を毛布で包んでくれ、そのうえさすってくれた。その優しさに泣けた。鬼の眼に涙だ」と語るこの話ほど自衛隊員の最前線での頑張りぶりを描くものはない。同氏は「自衛隊配給の毛布の暖かさに自衛隊は憲法違反だと言ったのは間違いだったと主義主張をかなぐり捨てて『転向』した」と語る。勿論、オーバーに語っているのだろうが、在野の津波研究者として著名な人物だけに説得力はある。病院の医療費の請求書が事細かに書かれて突きつけられたことへの怒りを表明したくだりと共に忘れがたい。
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前半は被災地の生の声、後半は原発の黎明期からその推進の歴史・経緯をまとめたもの。
被災地の声(何人かのインタビュー)は迫力だ。その一方、原発で何が起きたのか、なぜ事故に至ったのかという側面の記述はない。
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前半は津波の話、後半は原発の話。ざっくり言うと。未曽有の大地震直後に、突き動かされるように佐野さんは被災地へと向かう。前半、佐野さんは思い出した様々な人を追い、見つけ、ヒアリングをしながら被災地を巡る。行き当たりばったりに見えかねない道程を行き、少しの偶然にも感激する。佐野さんをそこに連れ出したのは何だったのか。直感的に、書かれていることが本当の理由ではない気がする。後半はいつもの佐野さんらしい、綿密に調べ上げられた原発関連のルポ。この時期にこれだけのルポがあったことに驚く。
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岩手県沿岸の津波被災地編と福島原発編の2章立て。この本を読むと他の震災関連本の内容の薄さがわかります。読んでて息苦しくなりました。オススメです。
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日本に、どうやって原子力が根付いていったのか、
どうして「福島」だったのかが検証されています。
前半部分の被災地レポートも必見です。
【熊本大学】ペンネーム:ラバ子
☆この本は熊本大学附属図書館中央館にあります。
請求記号 369.31 Sa,66
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この本で学んだことは与えられる事を前提に生きている人間はいつまでたっても成長しないという事。まぁ既得権を持ってるやつにはわからないことだと思うし、彼等はいつも新しい波に怯えている。
そんな自分の事しか考えられない連中に向かっても津波が必要だと思った。