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佐々木中さんの公演を聴けることになったので、では一冊くらい著作を読んでおかなくては、と思い図書館で借りたのがこれ。
面白い。いいかんじにとんがっていて、生意気で、刺激的だった。
確かに佐々木さんの言うことを読んでいると、「文学が終わった」なんて言う人たちに怒りを覚えるようになった。
まだまだ歴史は始まったばかりで、可能性は広大すぎてわかったふりをするのはおこがましい。未来を悲観するふりをして、次の世代の首を絞めることはするな、と私も同調したくなった。
けれど、読んでいて佐々木さんが対談の相手によって話振りが違うのがすごく伝わってきて、ちょっと苦笑。
保坂さんとの対談なんて、すごく気を使っているなぁ、というかんじ。対して、宇多丸さんや坂口さんとの対談は、ざっくらばんで気負っていない様子で、本音で話せる仲なんだろうなぁ、とほほえましくなった。
ちなみに、実際の講演会のほうはあまり切れ味を感じなかった。対談形式ではなかったせいか、ちょっと話が偏り気味で、バランスがあまりよくなかったのかも。
でも、覚悟というか・・・気迫みたいなものは、びりびり感じる人だった。ああ、この人は本気なんだな、本気で自分の信念を貫いていく覚悟があるんだな、みたいなことは、思いました。