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哲学史がわかりやすく説明されていて、かつファンタジーの要素も入っていてとてもおもしろかったですが、哲学の部分はやはり難しかったです。
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ソフィーとヒルデが対話する辺りは、ミヒャエル・エンデの「はてしない物語」を連想する。あまりにソフィーとヒルデのキャラが被っているのも混乱の種だね。
最後にはソフィーもアルベルトも、クナーグ少佐(「ソフィーの世界」の作者であり、ヒルデの父)の物語世界から無事に飛び出して自由を得た(と僕は解釈した)のでした。
創造主(それは物語の作者かあるいは神か)のお作り給うた世界から飛び出すという発想は、マトリクスも連想したが、その領域に到達するために「あなたはだれ?」という問いから出発するのは、なるほどと思わせた。前編から打って変わって後編は単調だった物語のどんでん返しにフォーカスが当たる。
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戦慄のミステリーでしょうか、哲学史の指南書としても秀逸ですし物語としてもぐいぐい引き込まれていきます。ヒルデとソフィーの交錯がなんとももどかしい。
キェルケゴールあたりの実存主義は全くノータッチだったので、大前提としてそこにあるのであって、生きる意味といった根本的な真理は存在しない、個々人がそれぞれに見出さなければならないのだといった思想の到達点だと知れただけでも有意義。そこに暗澹たる雰囲気とシュールレアリズムが内包されているけど、どうも自由を付与されたことでがんじがらめになって指針を無くした個人主義たる現代に通ずる空気をびしびし感じます。
占いや霊媒師やらなんやらのオカルト物に関する痛烈な批判、生きることとはその生まれた時代ごとにアジャストした思想を構築していく、そんなことが大切なのではと思ったり。娘に将来お勧めしたいリストに加えねば。
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さらに哲学を学びたいと思わせてくれる作品。今後、何度も読み直すと思う。子供が生まれたらぜひ読ませたい一冊。
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一番読書をしていた小学生の頃に読もうと思って2度も挫折した本書でしたが、それから何年も経ちふと大人になってから読んでみました。
それがとっっても面白い!哲学の通史について分かりやすく説明されているし、小説の中で教えられた哲学の考えが小説全体の構造にまで練り込まれて作られているという、二重に楽しみのあるとても良い本でした。
またふとしたときに読み返したいです。