紙の本
肉親による肉声の味わい
2012/03/30 16:14
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投稿者:ががんぼ - この投稿者のレビュー一覧を見る
そろって世界的なファッションデザイナーであるコシノ三姉妹。そのお母さん、綾子さんの生涯を描いたNHK朝ドラ『カーネーション』は、いよいよ明日が最終回だ。
これが面白い。面白いので録画して全部見るというふだんやらないことをした。このあとは総集編が楽しみ。
面白いので、もとになる事実も知りたくなって、綾子さんが自らを語る『コシノ洋装店物語』も読んだ。これも面白い。女傑である。
一方ドラマはといえば、当然ながら、後半、とくにその最初の方では、自立してゆく子供たちの比重が大きくなってくる。こうなると子供たちの話も聞きたくなる。実際、ヒロコさんやジュンコさんが母親について書いた本が読めるのである。とりあえず、一番綾子さんに似ているとされる次女のジュンコさんのこの本を先に読むことになった。
これまた面白い。生きてきた時代の違いのせいもあるのだろうが、母親以上に素朴な、気さくな語り口で読みやすい。
母親の本を先に読んだ後では、新しい情報というのはさほど多くはないし、ある程度年代順の記述ではあっても、それほど系統だった書き方ではないので、コシノ家の全貌を知りたい読者には、この一冊だけでは不足かもしれない。とはいえ、そこには娘の目からならではの母親像というものが出ているし、その意味で、いわば肉親が肉声で語ることの味わいがある。母娘の絆による親しみ、率直さ、ユーモアなどがあって、楽しく興味深く読めるのである。
綾子さんが語る本と合わせて読むことをお勧めしたい。
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朝ドラのモデルである小篠綾子さんの前向きな豪快人生を、
世界的なデザイナーで次女であるジュンコが語る。
商売人としてのセンスや、仕立屋としての
技術の高さなど知られざる顔も垣間見せる。タイトルは、口癖から。
まとめると『肝っ玉 母ちゃん育てた 3姉妹 それぞれの味 それぞれの服』といったところでしょうか?
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本書は、大阪岸和田を舞台に三人の娘を世界的デザイナーに育てた母・小篠綾子の姿を、ユーモアを交えて綴っている。「さあ、人生これからやで」。80歳を過ぎてもなお、これが口癖だった母・綾子。ファッションデザイナー・コシノ ジュンコの原点が垣間見える一冊。
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小篠綾子さんの本を読み終わって、続いて娘のデザイナー・小篠順子さんの本を読みました。
順子さんの半生が書かれているというよりは、順子さんの反省を通じて綾子さんのエピソードが書かれているという感じですね。
戦争で夫を亡くし、女手一つで娘三人を育てた綾子さん。
働くこと・洋服が大好きでとにかく忙しくしていないと落ち着かないという性格らしい。
そんな綾子さんのおもしろエピソードが書かれていました。
印象に残った物を書いてみます。
東京オリンピックの年、当時サラリーマンの月収が平均2万円だった時代に、子篠親子は初めての海外旅行をしたそうです。
30万以上のお金がかかったとのこと。
さすが、一流デザイナー一家ですね。
入国審査カードを書いていたときのこと、とある欄で綾子さんの手が止まった。
「SEX」の欄です。
性別を書く欄ですね。
「何でこんなこと聞くんやろ?そんなもんあらへんわ。困ったな・・・」
と。その話を後から聞いた順子さんは興味深々で
「で、何て書いたん?」
と聞くと、お母ちゃん
「しかたないから0って書いといた」
て。うけました。
もう一つ。
順子さんがデザイナーになって東京の青山で自分のお店を構えるようになったときのこと。
綾子さんが手伝いに来てくれていたらしいのですが、岸和田の言葉はどうもきつく聞こえるらしいと分かった綾子さん。
「私、会話教室行くわ!」
と意気込んで岸和田に帰って行ったそう。
で、綾子さんが行った「会話教室」とは!
吉本主催の「関西弁講座」だったらしい。
えっ!?東京弁じゃないの!?
と思った。綾子さんにとって
「きれいな言葉とは、きれいな関西弁だったんですね」
と順子さんは書いています。
こんな「おもしろい大阪のおばちゃんエピソード」も交えながら、働くこと・続けることの大切さを感じました。
小篠綾子さんは着物が主流だった時代に洋服の魅力にひきこまれ、それを作るということに生きがいを感じていた人。
職人だなぁと思うエピソードが満載でした。
どこまでもバイタリティがあって、次の目標を探して生きていた人なんですね。
90歳になったときに
「さぁ、人生これからや!」
と言っていたらしい。
(92歳で亡くなりました)
人の生き様が書かれた本、大好きです。
笑わせてもらって、勉強になった一冊でした。
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NHK朝のテレビ小説「カーネーション」
その主人公のモデルになった小篠綾子さんの事を書いた本。
著者は、娘のコシノジュンコさん。
あのドラマを見ていたからか…
この本は、読むと元気になります。
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センスという言葉、
それは総合的な力量であり、判断力でもあるのです。
親の心、子知らず。離れてはじめて、それがわかるんですね。
無償の心をもちなさい。
受くるより、与うるが幸いなり。
上記は抜粋メモ。
来てみなきゃわからないことがあるとする。
ゴールだと思っていたラインが、実はまた新しいスタートラインなのかもしれない。
自分の目標と外部環境が絡み合い、そのラインを見つけるたびに、今とこれからを生きる。
扉をノックし続けよう。
人生、常に、これからや!
やっぱり僕は大阪人が好きだ。