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明治維新にともなって、士農工商の更に下の人たちに出された解放令について。史料を読んでいく風なつくり。
上の人が「開明しましょう」「人道でしょう」と勝手にやったことではなく、弾直樹の当事者運動的な部分もちゃんと見なければという指摘がある。
その一方で、新政府が税金を「平等に」取り立てるために上から押付けた「解放」であるという指摘もある。
新政府への不満を募らせた農民たちによる一揆で、仮想敵とみなされた「新平民」の村が襲われる部分は現在を連想させて恐ろしくて、愚昧な農民どもへの怒りが募る。
が、愚かな反革命にしか見えない暴動の裏にある農民たちの苦しみや、権力に抗ってでも守りたいものについても思いをはせる。
こちらからとあちらから、違った角度の見方を提示してくれる。
「現在」や現在も続いている一方的な見方への警鐘として受け取るべきなのかな。
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明治維新にともなう解放令により、大きな影響を受けた被差別部落の現状についての克明な解説。歴史の教科書では教えられない貧民層の話が分かる。
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歴史の授業で明治になって穢多非人身分が解放されました、と教わる一行の中に含まれる大きな渦とうねりを詳しく知ることができる。穢多が百姓と一緒になるということは、百姓が穢多になることだと起こる反対運動、建前上身分は一緒になったものの実質の差別がなくならない上生業を奪われることになった穢多身分などなど、多面的に明治期の解放令を解きほぐす好著。