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ムラート(白人と黒人の混血)やユダヤ系アメリカ人など、異なった複数のエスニックまたは人種に属する人。決して完全に相互浸透し、融合することのない2つの文化の周辺にいる人。二重の忠誠を求められる。自分は何者なのか。アイデンティティを確立しにくい。統一的な価値体系に基づく思考や行動ができない。2つの世界に住み、そのいずれの世界においても異邦人である。ロバート・パーク『人の移動とマージナル・マン』1928
※スラムは産業文明から脱落した人々が集まる社会的廃棄物の集積所。
内的な同一性、連続性を維持しようとする個人の能力と、他者に対する自己の意味の同一性、連続性とが一致したときに生じる自信。アイデンティティ。▼アイデンティティは他者に承認されることで安定する。▼社会は青年に「自分とは何者か」を考える猶予期間(モラトリアム)を制度化している。猶予期間は今日、延長される傾向にある。青年期を過ぎたのに「自分とは何者か」が分からない人もいる。E.H.エリクソン、1977
差別や偏見の対象になっている集団アイデンティティは必ずしも自尊心を下げない。黒人が就職に失敗した場合に「人種差別のせいだ」と言い訳ができる。Crocker & Major, 1989
アイデンティティは社会の中で「自分は抑圧されている」という感覚により喚起される。依拠する集団は固定的なものではなく変化していく。アイリス・マリオン・ヤングYoung『正義と差異の政治』1990
人はより大きな集団に所属することで、みなと同じになり安心したいというassimilationの欲求をもつ。同時に、人は他人とは異なる独自の存在でありたいうdifferentiationの欲求をもつ。小さな集団を選択した方が、他者との違いが鮮明になる。assimilationを犠牲にして、differentiationを上げる。相互に拮抗するため、需給のように最適なところでバランスされる。Brewer, 1991.
少数集団は目立ちやすいため集団アイデンティティを意識しやすい。男性ばかりの職場にいる女性は、性別アイデンティティをより強く意識する。McGuire & Winton, 1979; Deaux, K. 1991.