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完結直前の平安ロマンティック・ミステリー
2011/07/08 00:57
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:りん - この投稿者のレビュー一覧を見る
あと一冊で完結予定の物語ですが、気になりつつも、今まで手を出していなかったのは
ひとえに氷室先生の「なんて素敵にジャパネスク」や「ざ・ちぇんじ」と比べてしまいそうな自分がいたから。
・・・なのに、読み始めたら、そんなことはどこかに忘れて楽しめました。
ミステリー部分もちゃんと描かれていて、なによりキャラクターがそれぞれ魅力的。
とくに、ヒロインの宮子と馨子は性格がはっきりと違っているからこそ、お互いに相手の長所を生かし、欠点を補いあっていろいろな事件や恋愛に絡んでいくのが、上手いなあ。
二人が立場を取り替えた理由も、馨子の九条家そのものの逞しい性格のなせる業だし。
宮子をめぐる恋愛面もまた、東宮である次郎君と、筒井筒の仲である無位無官の真幸
という恋敵ふたりの立場と性格の対照が上手く設定されていて、面白かったです。
「初恋と挽歌」では、東宮のそばにいることを選んだ宮子が、表向き異母姉にあたる藤壺の中宮との別れを経験することになりますが、そこにはすでに身代わりとしての形式だけでなく、心から中宮の死を悲しみ、その後に起こるであろう九条家内部の争いに心を痛める宮子がいました。
それゆえに、東宮である次郎君のお妃として遇されることにこだわろうとしない宮子に対して、
あくまで彼女への愛情から正式の妃にしようとする東宮と、宮子個人の幸せと将来を考えて、彼女を妃にして欲しいと望む真幸。
宮子と二人の男性の考え方の違いがまた面白いなと思いました。
すでに宮子は「九条の姫」としてすべき選択を、受け入れてしまっているわけですね。
人は、こうありたいと努力すれば、意識が変わり、思考が変わり、言動が変わる。
たしかに、嘘つきは姫君のはじまり・・ですね。
個人的にはこのシリーズ最初から読んでいくのが、ベストだと思います。
馨子の女房として、市で糸を値切り倒していた最初の宮子とのあざやかな対比が見事です。
それと、やっぱり東宮の「宮子大好き度」が巻を増すごとに甘くなっていくのが、
見どころのひとつでしょうか。ふたりのいちゃつきシーンは本当に甘いです。
あの時代の女性の結婚年齢はたぶん12歳くらいからだろうから、数えで16歳は
十分結婚適齢期なんだろうけど、それにしても東宮の求愛がなんとも手馴れていて
最初は読んでいるこちらが慣れなかったのに、この辺りまで来ると、次郎君だからなーと割り切れちゃうのが不思議。
史実を元にしているということですが、そこはライトノベルのお約束ということで、
来月発売の完結編で全員がハッピーになってくれるといいなと思います。
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