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2007年、甲子園優勝を果たした佐賀北こと、佐賀県立佐賀北高校のその軌跡。
淡々と語られる中で秀逸なのは監督と部長の稀有さだ。彼らの目指すべき野球スタイルを、生徒らが実行した。それだけだった。
反骨感溢れる生徒も、また監督を信頼しているからこそ辛らつな言葉を浴びせたり、ぶつかっていったのだと思う。
実際にこの年の甲子園は全く見なかったのだが、それだけの奇跡が起こり得るのが甲子園だとしたら、かなりのマモノが住み着いているなと思った。
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2007年夏の甲子園優勝校・佐賀北の軌跡を追うドキュメント。
広陵との決勝戦での疑惑のストライク判定が有名だが、何故そうなったのかが、中村氏の緻密な取材で明らかになる。
魔物が住むという甲子園。今年も熱い闘いが始まった。
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現場で当日見ていただけにまた思い出された!!とってもいい試合だったなぁ...
また、こんなチームが出てきて欲しい!!
まだ、幼かった頃の松山商業と三沢の試合を想い出した。
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お盆に旅行中、佐賀の本屋で見つけた。
野球の話というより、野球部の話。
帯の推薦文が「もしドラ」の方だったのもあって、「チーム」話として読んだ。
その年の甲子園はテレビで見てたが、もう一度試合の様子を映像で見みたくなった。
試合のことを知ってても、わくわくドキドキしながら読んだ。暑い季節にいい。
乗りに乗ってるときは、周囲の他人すら巻き込んで味方に引き込んでしまう。
それって、スポーツの世界で公平になるのかは、スポーツに打ち込んでいない私には疑問。
私の少ない経験上、トップとナンバー2の息が合うか合わないか、って人数束ねる上で重要と思うので、
佐賀北の監督と部長の息の合い方は、結構理想。
読後、監督がリーダーとしての理想像、に思えたがそれは、筆者の筆に惑わされてる…か?
しかし。四球とバントでつなぐ野球。負けない野球。それは戦略の一つとわかっても、そんなチームが増えたら、
野球に詳しくなく、特に野球が好きというわけじゃない私は、見ていてあまり楽くないかも…とも思った。
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当時は佐賀北の優勝というものに全く注目していなかったが,自分も同じ九州の公立校出身ということもあり本屋で本書を見つけて思わず購入.スポーツも勉学も私学優勢の流れの中で,田舎の公立高校が世間を驚かす結果を残すことができたのはなぜか.いろいろな巡り合わせや時の運もあったが,何よりも信念を持ったぶれない指導者の存在が大きいと感じた.
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野球が好きな人はもちろんのこと、
野球にあまり興味が無い人もどちらも感じ取る物が多い本だと思います。
感情移入が少なく事実がきちんと整理された内容だけに、
心に響く一冊に仕上がっているんだなと感じました。
仕事のうえでも子育てのうえでもとても参考になる一冊。
お薦めです!
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飛行機での移動中、2時間ほどで読破。
生徒の爆発的な成長があったから、全国制覇できた。
本書を読んで、これは間違いないと思った。
でもそれだけじゃない。
百崎監督と吉富部長の、図ったような絶妙のバランス。
これがあったから、生徒の心を掴んだ。
高校野球好き必読。面白い。
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あの夏、なぜ佐賀北が全国制覇できたのか?あの劇的な試合の背景として、佐賀北の中で何が芽生えたのか?
ずっと読みたかった本。
個人的には広陵との決勝戦より、帝京戦の試合が気に入ってる。
百崎監督が、そういうキャラだとは思わなかった。見掛けによらない。本を読んでビックリ。
予選真っ只中な、今日、あの夏に思いを馳せる。
2013.7.16読了
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毎年甲子園には4000以上のドラマが詰まっている。
公立高校でありながら,並み居る強豪を抑えて全国制覇を果たす下剋上的なストーリーはなんともドラマティック。
なんとしても,勝ってやろうという気力が最後は物をいうのだな。
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百崎監督の監督方針というのは、言うのは簡単だけど、続けるのは難しいだろう。
派手で目立つプレイではなく、勝つ為に効果的なプレイを監督以下のチーム全員が意識をしてゲームを進めることが出来るというのは、どうしたらそんなことが出来るのか想像すら出来ない。だからこそ奇跡なんだろうね。
監督の日誌に掛ける意気込みというか……正しく強いまっとうな学生より、監督の方を向く(従うと言う意味では無く、向き合うという意味)というのは、尊いなぁ。
しかし、もともと体育会系の人間では無いので「なぜそこまでして勝利を求めるんだろう」という根本的な疑問がやまなかったのもひとつ。
チームプレイというものが分かっていないのかもしれない。
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百﨑「妥協しないこと。これに尽きるんじゃないですかね。ついつい許してしまうとか、渡してしまうとか、そういうことをしないことが大事。365日もあると、一日ぐらい、まあいいかって許してしまうときがある。でも、靴をそろえていないのを見たら、それだけは許さんぞと。綻びなんて、いつでも最初は小さいものじゃないですか」(p.38)
百﨑「そこで気づかされたんですよ。どういう結果があろうと、そこからプラスになることを掬い上げていくと、結果が違ってくるなって。結果を求めずに、今を楽しむということを初めて知りましたね。それまでは、俺がこんだけやってんのにって、人のせいにばっかりしているところがあった。よく『不運の監督』とか言われる方がいるじゃないですか。選手もいる、環境も整っているのに勝てないという。そういう方を観察していると、やはり愚痴が多いんですよね」(p.41)
スイカに塩を振ると甘さが増すように、高校野球に塩をかけて味わう中村の態度が、青春の甘さがをより引き立てている。(解説:p.239)
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2012年の佐賀大会決勝での佐賀北高校勝利を報じた7月26日付け新聞記事。
他紙が打線の爆発とかエースの踏ん張りとか、いかにもわかりやすい勝因をあげる一方で、朝日新聞の見出しは「がばい手堅い7犠打」。写真も2回1死1、3塁で2番打者のスクイズしようとするバットにボールが当たる瞬間。佐賀北の百崎監督が各紙を見比べて「俺らのこと本当にわかっとるな」と感じたのは、朝日の記事だったに違いない。
朝日の記事はこう続く。「佐賀北の攻撃に派手さはなかった。『長打はいらない。逆方向に打て』百崎監督の指示は明確だ。」
この本の121ページに、これとよく似たエピソードが出てくる。「百崎にはメディアの取り上げ方に少々不満がある。宇治山田商との再試合では6犠打とバントを試みた場面はすべて成功した。…だが、どういうわけか…そういった自分が会心だと思える試合ほど、佐賀北の優勝をまとめたダイジェスト映像ではカットされてしまう…」百崎は言う。「監督が采配し、きっちり勝ったという試合ほど、話題にものぼらない。」
高校野球の定石とは何だろう?投手に松坂大輔、野手に松井秀喜、清原和博etc.といった超高校級を擁することが、甲子園で優勝するための必要条件か。たぶん著者も、佐賀北の優勝から、それに対するアンチテーゼを見つけたかったのではと思う。
ファインプレーも出てくるものの、佐賀北優勝への軌跡の核となるのは、決してミラクルじゃない。核は監督の徹底的な“こだわり”だ。それは選手が自分自身で応えられるようになるまで徹底管理される。
しかし管理といってもガチガチに高校生を縛るのではない。ここでいう管理とは、監督が“囲い”を作るということ。その囲いの中でなら、選手は自分の力を好きに発揮できるしくみ。
監督にはわかっていた。高校生には“伸びしろ”という大きな可能性があることを。管理野球でも、のびのび野球でもない、その両方の「いいとこ取り」が、監督から選手に伝わり、選手はあえて大技に挑まなくても、監督の采配に従い、自分たちの技量を生かした小技の積み重ねが結果につながると知ることとなり、試合を重ねるたびに、力が伸びていく。
著者の部長、監督、当時の選手への多角的な取材によって、小さなエピソードが丹念に集められ、まるで「キャプテン」(ちばあきお)を読むようなドラマを感じることができる。もちろん、生の人間関係をしっかりと描き込み、美談化しないよう配慮されている。
高校野球が好きでたまらない人にとって、また新たな視点が加わるお薦めの一冊。
(2012/8/6)
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弱くても勝てます、という本があったけど、これは少し強いだけで甲子園で優勝できます、といった感じか。
甲子園で優勝するためにギラギラした感覚も無く、気がついたら優勝した。
もちろんその影には弛まない努力があってのことだろう。とても素晴らしいチームだと思った。
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第89回全国高校野球選手権大会(2007年)で優勝を遂げた佐賀北高校のドキュメンタリー。審判の不明瞭なジャッジが物議を醸した決勝戦だったが、最後の結末が偶然ではなく、実力で掴み取ったものであることを記している。彼らの一戦一戦の緻密さや成長度合いを知ることができる一冊である。
少し寂しいのは、佐賀北の選手たちには松坂世代の様なチームを超えた絆は生まれなかったようだ。決勝で敗れた広陵の野村(現広島)、小林(現巨人)といったメンバーと佐賀北の元選手たちの交流は、当書に取り上げられていないだけでなく、他のメディアを通じても聞こえてこない。いつか時を経て、この大会を選手たちが振り返られる日が来たら幸いである。
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2007年の夏の甲子園で「がばい旋風」を巻き起こし全国制覇を成し遂げた佐賀北高の軌跡をまとめたノンフィクション。
監督も選手もこのチームだったから全国制覇できたのかもしれないなと思えるくらい個性的で面白かった。