紙の本
これは興味ある神様の話
2024/01/02 14:19
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投稿者:ハナ - この投稿者のレビュー一覧を見る
神様と称される手塚治虫先生ですが、そればかりが先行してしまっていて、実際のお人柄が雲に撒かれた様になっている現在。
どの様な人柄だったのか知ることのできる漫画です。
鉄腕アトム、ブラックジャックを書いていた漫画家さんのお話です。
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手塚治虫執筆時の数々の奇跡
2016/08/25 02:58
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投稿者:あずきとぎ - この投稿者のレビュー一覧を見る
手塚治虫が、「ブラック・ジャック」を連載していた当時の関係者の証言をもとに、その創作(執筆)作業の実態を描いている。
証言者としては、当時の手塚担当記者、手塚プロのスタッフ(マネージャー、チーフアシスタントなど)、更には石ノ森章太郎、永井豪、松本零士といった巨匠マンガ家や、手塚のアシスタントを経てマンガ家になった者(三浦みつる、寺沢武一、石坂啓など)と、実に広くカバーされ、よく取材されている。
中でも、強烈なキャラを発揮しているのが、当時の少年チャンピオン編集長壁村耐三である。
他を威圧するような風貌とヤクザのような言動は、今でも語り草らしい。
スランプに陥り、虫プロが倒産し、「手塚は、もう終わった」と言われていたとき、手塚に声をかけ「ブラック・ジャック」を連載させたのが、この壁村編集長であった。
以後、手塚は復活し、「ブッダ」「三つ目がとおる」などのヒット作を生むことになった。
さて、多くの証言で語られるのは、「天才」「マンガの神様」と呼ばれた手塚の、正に天才的・超人的な数々のエピソードである。
復活後、絶えず多くの連載を抱えるようになり、各社の締切に追われながらも、驚異的な速さ・分量で原稿を描き上げた、とか。
締切直前に完成間近の原稿を「面白くない」とボツにし、8時間で20ページを描き上げた、とか。
100ページの原稿を三日半で描き上げた後、「ブラック・ジャック」の打ち合わせに入り、即座に3つのストーリー案を提示した、とか。
しかも、その3案をボツにし、全く異なる4案目を考え出し、一日半で描き上げた、とか。
圧巻は、原稿に手を付けずアメリカ旅行に出てしまい、帰国日が最終校了日と重なっているのにも関わらず、現地でのペン入れが終わらなかったときの驚くべき対処方法だ。
詳しくは、本書にて確認されたい。
このように、天才手塚の人間離れしたペン入れの速さや、ろくに睡眠をとらずにこなしていく仕事量の多さ、湧き出して止まないアイディアとその創造力が、驚きと感動をもって描かれていて、どちらかといえば、手塚賛美の内容になっていると言える。
しかし、見方を変えると、これは天才手塚に周囲の人々が振り回された記録でもある。
締切ギリギリまで原稿が上がらないのは、当然、担当記者や出版社、場合によっては印刷会社に多大な迷惑が掛かっているのだ。
実際、原稿を落としてしまう(締切に間に合わない)こともあり、一部の編集者からは「遅虫」「嘘虫」と揶揄されていたという。
これらは、手塚の、より質の高いものを求める完璧主義に起因するようだ。
一度仕上げた後でも、「もっと面白くなるんじゃないか」「もっと良いものが作れるんじゃないか」と飽くなき探求を続けることで、締切ギリギリまで完成に至らない事態になってしまうのだ。
いつの世も、天才と呼ばれる人の周囲は振り回されるものだ。
だが、この完璧主義にに基づいた飽くなき探求心があったからこそ、手塚作品は面白くまた感動させられるのだ。
ぜひ、本書を通して、手塚治虫の創作の現場を知ってもらいたい。
手塚作品を読む際に、また違った感慨を持つようになるかも知れないから。
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吉本浩二の泥臭い絵が雰囲気とマッチしていて大変良い。
まんがの神というより漫画の鬼といった形容がしっくり来る。
しかしエピソードがいちいち面白いな!
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結論、手塚治虫は神。
アメリカ旅行に行く話はほんまに!?って思うくらいとんでもない事をやらかしてて、この人の頭の中はどうなってるんだ!?と思った。
凄いんだけども、周りの人々がかわいそうすぎる…笑
きっとなんにでも興味持って、なんでもやりたがるせいで、締め切りに追われまくってしまったんですね。
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異常な努力と才能を抜いたらただのダメ男だ! そこまで一旦落としてからマジ異常な努力と才能、と持ち上げる手管! 泥臭い絵柄がまた合う。
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以前、手塚治虫がマンガを描いている映像を見たことがある。鬼気迫る顔で、魂を削るようにして原稿に向っていた。
「ああ、この人は体力じゃなくて命削ってるんだなぁ」と思ったことを覚えている。
このマンガは手塚治虫にかかわった人たちのインタビューを基にしたマンガである。その中の手塚治虫の創作に対する渇望感は想像を超える。このひとすごいわ。
今まで「早くなくなった」と思っていたんだけど、むしろこれをよむと「よくここまで生きたな」とも思う。もっと前に倒れそうである。渇望感……気力でやってきたのだろうか。
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手塚先生の、漫画に対する情熱は常軌を逸しているようにすら見えてきます。どこまでもどこまでも、本当に漫画が好きだったんだなと。好きだから、とことん追求していくし、文字通り寝食を忘れて漫画に打ち込んでおられたのでしょう。
あくなき探究心とか、尽きない好奇心は、モノを作り出す人間には必要不可欠なもの。
「創作を志す者が、完璧をめざさないでどうするんですか!!」という手塚先生の言葉に背中をどやしつけられたような気持ちになりました。
それにしても、やっぱ手塚治虫、ふつーじゃねえな(笑)
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手塚治虫の天才っぷり(ただの天才じゃなくて想像をはるかに超えた努力家)の一面を知ることのできる一冊。だけど、絵が怖い。
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手塚治虫と共に仕事を夢中でした人々のエピソード満載のマンガ。みんな真剣に仕事に打ち込む姿をみて、熱い気持ちになれる話が満載です。オススメ。
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チャンピオンの元編集者が手塚治虫について書いたマンガ。ものスゴイ仕事量をこなしていたことが分かる。天才というかマンガ好きというか、能力だけでなく、執念がないとやれないこと。この突き抜けた感じには脱帽。ベレー帽と眼鏡は外向きということにも驚き。
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手塚治虫がブラックジャックを描いていたころのエピソードを当時の編集者へのインタビューを元に描く漫画。
漫画の神様はただの天才ではなかった。その漫画への情熱は異常なほど。週に何本も連載を抱えている状態がいかに大変なことかが改めてわかる。
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岡田斗司夫氏のニコ生ゼミ11月号ラストで絶賛されていたので(笑)すぐにアマ〇ンで取り寄せ!
確かに、話半分としてもこれは面白いわ(笑)
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『ブラック・ジャック』連載当時の手塚治虫さんのエピソードを
関係者の回想録という形で紹介した作品。
「マンガの神さま」手塚治虫の、
「神さま」どころではない人間的な凄さと魅力が伝わってきます。
はっきり言って、周囲にとってかなり大変な部分も
たくさん持ち合わせていた方だったのだなぁと思う反面、
没後20年以上経っても
このような好意的な回想録が出るということに、
やはり周囲から愛された存在だったことを実感しました。
神さまは、人間的な情熱と魅力なくしては
神さまにはなれなかったのでしょうね。
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手塚治虫の偉業は没後20年経った現在も色褪せない。むしろ、復刊やアニメ化、異ジャンルとのコラボレーションなどを経て様々な形で姿を変え、今も読者に鮮烈な印象と漫画の力強さを教えてくれる。
漫画の神様と言われた1人の男について、当時の担当編集者、アシスタント、漫画家仲間などの回想をまとめた作品。
特に医療漫画の最高峰「ブラック・ジャック」が描かれていた時代に焦点が当てられている。
全編を通して強く感じるのは「神様」と呼ばれた男のなんと人間臭く、無邪気で屈託のない事か。
メディアでよく目にするベレー帽にチェックのスエードのスーツ、温厚そうな笑顔に垣間見る知的なイメージはこの漫画を読んで一辺に覆された。
神様もひとりの人間であり、ひとりの表現者であった。そして、あの時代の神様とまわりを取り巻く人間の漫画にかける情熱と精神力たるや、誰もがみんな、漫画に命を捧げていたのだ。
この漫画の凄さは、手塚治虫の人間像を数々の印象的なエピソードを使って描いている所。描ききれない逸話やエピソードも沢山あったとは思うが、手塚治虫という人間にほんの少し触れられた気がした。
漫画黎明期にこんなにも熱い、ひとりの男がいて、「漫画の神様」とまで呼ばれている事。その男を影で支えたアシスタントも、今や漫画界の大御所と言われる名だたる漫画家に成長し、その男に時には振り回され、追い立てた担当編集者の努力と根気、そんな数々の男達が今の漫画界を作っている。
この時代の男達の熱い血潮にただただ圧倒されるばかりだ。
漫画は「ナニワ金融道」青木雄二の弟子でもあった吉本浩二が手がけている。雑多な描きこみと独特な迫力の絵柄があの頃の空気感を絶妙に描き出していて、漫画全体の雰囲気もとても良く仕上がっていると感じた。
一読の価値はありだと思う。
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手塚治虫の天才ぶりを改めて分かる大変面白い漫画だった。人格的には本当に破綻しているんだけど、天才ってのは周りを惹きつけてしまう圧倒的な魅力があるんだなあ。辛いんだけど、でもこのまま一緒にやっていたいってのが印象的だった。