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この人の絵は、いいなあ。
まるでエッチングのような線の重なりで全てを表現する。
登場人物の表情や台詞、物語自体もそうなのだけど、
温かくて、荒削りで、でもとても丁寧で。朴訥な世界。
独特の画力は、驚嘆に値すると思う。
こんな風に世界を見、接することができるというのは羨ましい。
戦時下の人々の生活というものが、よく分かる。
きっと、ほとんどがこうして淡々と、日々をただ暮らしていたのだろう。
いかなる時にも、生活がある。それが人間社会というものなのだなあと思った。
反戦を声高に叫ぶのではなく、戦時下をドラマチックに彩るのでもなく、悲惨さを訴えるのでもなく、こんなにも普通の情景に、普通に戦争が入り込んだ作品は、初めてだった。
楠公飯の回がお気に入り。
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すずの知らない遠いところではじまった戦争は、だんだんとすずの生活に迫ってきます。少しずつ失われていく大切なこと。それでもいまある日常を、一生懸命生きるすず。そして、戦争が終わったときの、すずの強烈なことば。
派手な戦闘も、戦場も出てきませんが、真に迫る戦争の記録です。けっして声高ではないけれど、じんわりしみてくる恐ろしさがありました。一番失いたくないもの、失わせてはいけないものが、ここにありました。
扉には「この世界のあちこちのわたしへ」。いまでも戦争や争いは絶えず、犠牲になった人たちにはそれまでの生活がありました。今でも「すず」は世界中のどこかの片隅で、日々を送っているのです。
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亡き祖母と父が呉の出身なので、個人的思い入れいっぱいで読んでしまう。懐かしい広島弁の響き。
祖母が昔語っていた、機銃掃射の話とか読んでいて思い出した。
すずさんが普通の人すぎて、だから悲しい。
映画化されたら父と見に行きたい。
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今まで戦争ものの資料はたくさん読んできたが、日常生活を舞台に市民の普段の生活が描かれて、脅かされて、戦争に巻き込まれていく日常はとても斬新であった。
映画もとてもよかったが、やはり原作である漫画の方が話がつながり、わかりやすかった。
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水原!!!好きだったんだなあ。周作さん行っちゃった。手。左手で書いた世界。最後にあの不思議なのまたでて来てびっくりした。この世界の片隅に。映画観たくなった。
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映画を読んだ後に、このマンガを読む。
映画では入ってなかった伏線があって、漫画も読んだ方がいいと感じた。
具体的には、周作さんと白木リンとの関係がはっきり描かれていた部分が心に残った。
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なんか、もともと好きだった人と
結婚出来ない時代だったんだなー
でも、それでも結婚した人のことを
愛するようになるんだなー
前半後半読んで、
こーゆうふわーってしたお話を
退屈に思う方だったけど
周作さん素敵な旦那さんだったと思う
すずちゃんがずっと普通の素朴な
ふわっとした女の子→女性になってったけど
戦争で心が荒んでいくとこが悲しかった
けど、周作さんがおったけん
少しずつ取り戻したんかな
最後のカラーの絵のとこで
なんでか泣いてしまった
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広島から少しだけ視点をずらし、呉から見た戦争風景を描くことで、”はだしのゲン”とはまた違った残酷さを炙り出すことに成功している。絵のタッチと相俟って、無辜の市民のほんわか日常をベースに物語が展開されるだけに、気付かぬうちにどんどん非日常へと追いやられた当時の状況が、リアルに映し出されている。
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戦中戦後の世相を、軍都呉へ嫁いだすずを主人公に柔らかなタッチで描きだす一冊。
いろいろあってもすずさんの朗らかさが印象に残る上巻とちがって、空襲・原爆・身近な人の死にすず自身に降りかかる災いと、悲劇の色は隠せない下巻。怒り、慟哭するすずさんには驚いてしまった。
みんなどこかに苦しみや悲しみ、世の中や自分自身への違和感を隠しながら生きている。それでも人の心の温かさと未来への希望を残して物語は終わる。
その日常へ涙と変わらぬ微笑みを。
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前編よりもさらに追い込まれていく生活の中で、スズさんの身の回りでもさまざま起きて、心苦しい時があっても真っ直ぐ生きるスズさんは強いな。
戦争の意味を、実態を知った人たちは本当にどれほどの気持ちだったのか。
鬼いちゃん、どんなことになっても鬼いちゃんなのが笑えて泣ける。
最初のばけものや、リンさんの物語、いろいろ繋がっているのが面白かった。