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開発コンサルに就職した七波は、裏金作りにはまっていくが・・・
政官財の癒着とか、ODA利権のカラクリとか、いかにもありそうな話。
えげつない事している割には、あまりドロドロ感も無く、ちょっと物足りないかな。
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服部真澄は興味があるテーマとそうでないものにはっきりと分かれる。
この本のテーマと言うかバックグランドは「ODA」や「開発コンサルティング」。NGOや国際機関で国際協力に関わっている人がすべて社会を変えたいという動機で働いているわけではない。
人間がやることだし、いろんな角度からみないとね…。
架空の設定にはしてありますが援助の裏側をかなりしっかりと人間の感情や動きを軸にして良く書いていると思う。
「国際協力」や「援助」に純粋な部分のみ憧れでみている人には、小説のかたちであれ、是非読んで欲しいと思う。
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ODA裏面史やね。小説だけど、海外援助の実態なんてこんなもんだろうな。JIC*だって本当は何してんだか。最後の告発はちょっとぶったまげたけど(汗)
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お金に魅せられてコンサルに就職し、ドロドロな世界に身を置いて私腹を肥やし、重役にまで登りつめる女性の物語。政治家の裏金がODAから捻出されているなんて・・・信じられないような世の中の裏側を覗けます。
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貧乏から脱出しようとした京大出の黒谷七波。大学で発展途上国支援協力金ODAの実態を嗅ぎつけ、そのおかげで黒い金の渦めく中に入っていく。ベトナムのODAにより、どんどん荒稼ぎをしていく。
途中、外国公務員贈賄防止条約が厳しくなり、遂に黒い金の入手に潮時となって日本に帰ってきた。最後には結婚子供もできて将来は荒稼ぎをして得た金で明るいかと思われた矢先に…
本当に日本のこう言ったODAは役に立っているのか、立っているけど、そこに利権が発生するところは今の自分のいる国でも同じだ。
きれいではない、国際支援の裏側が書かれている。
一読の価値がありです。
服部真澄只者ではありませんね。
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読みはじめる前に、著者略歴をみる。
「龍の契り」の作者さんか! これは面白かった記憶があるので期待大。前評判もいいしね。
……と思ったのが悪かったのか。
ODAの金の流れやら不正の仕組みなど、複雑な流れは分かったし読みやすかった。スケールは大きいし、何が起こるか分からない勢いがあり、ぐいぐいと読ませるんだけど、主人公が何をしたいのかがよくわからないので読んでいていまいち乗れない。
実在の事件も、社会正義も、添え物になっている気がした。
私視点では、欲望を主軸としていると思うんだけど、主人公が冷静に分析しすぎる。もう一人のダークヒーローの凋落っぷりももう少しみたい。そして何より、ヒーローは必要か? こんな王子様みたいなキャラヒロインに当てがっても興ざめ、な気がする。なんで美貌で有能で欲深いヒロインが、情けないヒーローにふらっとするのか謎過ぎた。
いっそヒロインが不細工で壮絶な方が好みかも。手に入らないものがたくさんあって、金で賄おうとする。赤裸々で分かりやすい欲望的な。
もしかしたら、私が社会派小説の読み方を間違えているだけなのかも。
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「龍の契り」「鷲の驕り」が面白かった記憶があったため、著者名を見て購入。しかし、内容にはガッカリ。ODA絡みの汚職というありふれた設定はよしとしても、その構造の細部に切り込むこともなく、お金を真ん中にした人間模様を色濃く描くこともなく。主人公が女性という設定もなんら活かされず。結末も唐突で盛り上がりに欠ける。残念。
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見ることのできないODAのことについて、やや大げさではありますが、語られているのがとても興味深く面白かったです。
海外に進出している企業やコンサルはそのような状態があるのですね。
(今はそこまでは出来なくても、何かしら抜け道がありそうな気もします)
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【出会い】
出張先でチームリーダーに借りて。
【概要】
開発コンサルタント会社に入った主人公がゼネコンとつるんで裏金街道をひた走る。フィクション。
【感想】
開発コンサルが槍玉かと苦笑。
実際の事件がモチーフにされていたりとリアリティをもって書かれているものの、読みやすさやストーリー展開から当然それなりのデフォルメはされている。
小説としての造形や展開として腑に落ちない点はありながらも、けっこう大きな分量をダーッと読めました。
それにしても、帯の「おいしいですね。ODAは」ってかなり刺激的な・・・。
開発コンサルタントの世界は「生き馬の目を抜く」世界らしいですしね。。
ところで、カバー写真は大石芳野さんなのですね。
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ODAや開発コンサルティングに携わる主人公が、その裏側を知り良心の呵責と戦うお話。
こういう類のお話ってむしろ苦手だったからとっつきにくいかなって思いながら読んだけど全然そんなことなくてどんどん読めた。
特に終盤のどんでん返しは、え!えー!って感じですごくおもしろかった。
刺されたあとどうなったかが気になる。
こんなお金の流れ方があるのね。
こわいけど少しうらやましいって思ってしまった。
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力作で五百ページを超すが、最後まで興味深く読めた。主人公の育ち、両親との関係性、生活感についてもかなり細かく描写されており、その面では女性作家ならではのリアリティが感じられる。貪欲さに引きずられていく物語ではあるが、そこにはあまり葛藤らしいものは見られない。その行きつく先としての主人公の最期は、もう少し深く描いてほしいと思った。
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★★★★1/2かなあ。
久しぶりにおもしろかった、服部真澄。
私の中ではODA=善だったので
その周りで色々な悪が起こりうる可能性すら
全く想像つかなかった。
だから、このストーリーはとてもおもしろかった。
もうちょっと私にODAと政治に関する知識があれば
もっとこの作品にリアリティーを感じることが
できただろうに、その点が残念。。。
服部真澄の次作も今から、期待してます。
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ODAがらみのコンサルタントと建設会社の裏金を作る男と女の話。善意の海外援助が実は日本に還流されていて、懐を肥やしている奴がいるというのはいかにもありそう。
物語の舞台は面白いし設定も面白いけど、人物に思い入れできなし。
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大学の卒業論文がODAだったので、ストーリーはフィクションでもすっごくリアルに感じる小説。本は分厚いけど、スラスラ読める。
筆者の入念な取材の跡が感じられる。
主人公の黒谷七波がとった最後の行動は、自分への戒めよりも散々甘い汁をすった建設会社やコンサルティング会社、そして政治家に対するあてつけとなった。
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ODAだけではないが、巨額資金が動く海外ビッグプロジェクトの舞台裏が、腹立たしい怒りや情けなさとともによく分かる。読んでいて楽しくはないが、ボランティアや募金の胡散臭さまで考えさせられた。