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夏休みに、少し苦手なおばあちゃんの家へ一人で泊まりにいった瞳子(とうこ)は、近くの神社のお社で一頭だけの狛犬を見る。
どうして右側の狛犬がいないのかな。
そこらへんでは何百年に一度、真西から風が吹く夜、“雨ふらし”というお化け蜘蛛がほこらから這い出てきて子どもを食べるという。
被害を阻止するため(瞳子は消極的)、子どもの頃のお母さんになって、狛犬「あ」と雨ふらしの後を追う―それは、神社にいた狛犬「ん」が瞳子に見せた夢だったのだけれど。
瞳子は「ん」がお母さんの気持ちをおばあちゃんに伝えたくて、自分に夢をみせてくれたんだと思う。
お母さんは、離婚して自分を手放したおばあちゃんを今でも嫌っているのだ。
瞳子の夢の話で、お母さんの本当の思いを知ったおばあちゃん。
きっとおばあちゃんとお母さんの間にも新しい風が吹くでしょう。
瞳子はたいした小5の少女です。
狛犬「あ」は雨ふらしが出てこないよう、今でもほこらを自分の体でふさいでいるらしいです。
あっという間に読めます。
小学校中学年向き。
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狛犬が出てくるお話って、なかなかないかな?最初はあんまり好きじゃない展開かな?と思ったけど、良い意味でその予想は外れ、なかなか面白いな。と思いました。
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まず、タイトルが素敵!
だって、『狛犬「あ」の話』ですもの。
「あ」が登場人物(人じゃないけど)なんて、
それだけでワクワクするってもんでしょ。そうでしょ。
読み始めてすぐに気付いたのだけど、
多分これ、前作があるのよね。
ウッカリそこまでは調べずにこの作品のみ購入してしまった。
これだけでももちろん充分楽しめたのだけど、
先に前作を読めていたら、もっと思い入れとかも違って、
より一層物語に入り込めたのかな、と少し残念に思う。
主人公の女の子が、昔話の研究をしている元大学教授のおばあちゃんに会いに田舎に行くって設定もワクワクするし、
更に伏線として、そのおばあちゃんとお母さんとは仲が悪いという設定もある、
それらの要素がみんな絡み合って、ひとつの冒険譚として完成されている。
最後、色々な要素がどんどん繋がって、
新しい真実が目の前に繰り広げられていく感じは正に鳥肌もの。
キャラクターにも力があるし、
田舎の夏の懐かしくもちょっと怖い感じが良く醸し出されていて楽しい。
自分の子どもの頃をふと思い出して目を細めてしまう。
この設定で、もっと高学年向きのボリュウムある作品が読んでみたいなぁ。
とりあえず、前作を早速読んでみようと決意した読後3分後の私であった。
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切ない…。前巻でお母さんは常識人だからおばあちゃん毛嫌いしてるのかと思ったけど、お母さんが遭遇した事態を思うとそんな簡単な話じゃないよなあと思いました。大人でもドヨ〜ンとなりそうなのに子供の時にこんな問題に遭遇したら尚更だよなあ…。「もう人間なんか増え続けてるんだからあげちゃえば?」とか思ってしまって反省しきり。他人に対してこんな思いの人が多いから今の世は生きにくいのかもね。そしてその人間の業を、狛犬「あ」が犠牲になることで問題解決…その身体の上には新興住宅街が…。なんだかものすごく悲しくなりました。
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おばあちゃんとお母さんのすれちがいやそれをつなぐ孫の様子に心あたたまります。
また、私たちは勝手にいないと思い込んでいるだけで不思議な存在はいまもいるのかもしれないとも思いました。