紙の本
思い入れ
2012/02/05 21:24
3人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ヒットエンドラン成功 - この投稿者のレビュー一覧を見る
刺身のツマをプラスチックにして使いまわしにするか、食材からていねいに作るか、作品への思いに対する評価が見て取れる。
同じように、その本自体への思い入れがブックカバーだったり、しおりだったりする。けっして自ら主張することはないけれど、よくみれば、すてきな主張がそこにある。そんなしおりがいっぱい載っている本でした。
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明治から戦後に渡って使用されてきた数多くのしおりをテーマごとに紹介していく楽しい図鑑。
小さなしおりから日本近代史の裏側が透けて見えてくる。
オールカラーで本書に収録されている300を超えるしおりは、編者の1人である羽島知之氏のコレクションが主体となっているのだという。羽島氏は4000枚を超えるしおりの他にも10万点の新聞のコレクションもしていたそうで、新聞の方は「日本新聞博物館」に寄贈されているのだそうだ。個人の力でそこまで集めたということに、まずは敬意を表したい。
膨大な収集品を整理して本にまとめるというのもまた一仕事だが、こちらは羽島氏を含め、複数の人たちが行っている。
「乙女」「(中原)淳一」「風景」「こどもの世界」「メッセージ」「戦時」といったカテゴリーに分けられたしおりは往時を彷彿とさせる。
雑誌の付録として手頃であったこともあり、しおりには、少女や女性に関するものが多いという。
開戦後は乙女テイストは徐々に消えていき、プロパガンダ風のものが増えていく。中原淳一は『少女の友』の表紙画で知られ、付録のしおりも数多く手がけているが、戦時は「時局に合わない」として降板させられてしまったのだという。しおりにも国旗が描かれたりしていく。こんなところにまで時代の空気というのは流れていくのだな・・・。
個人的には、型抜きや趣味創作しおりが興味深かった。バナナの形の販促目的のもの、車の形で裏返すとメカニズムの紹介になっているもの、万年筆のものなど。自分が持っていたらきっとお気に入りになっただろうなと思う。絵はがき風のもの、花札をつないだような形のものも独創的で楽しい。
ところどころに挿入されたエッセイも楽しい。
*一部、印刷がずれていて、「ん?」と思ったが、本書の印刷が悪いのではなく、発行されたしおり自体の印刷がずれているということに思い当たった。これもまた時代を感じさせて楽し。
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モダンから懐古まで。
何も考えず目で楽しむも良し。
時代背景に想いを馳せながら眺めるも良し。
おばあちゃんと一緒に見たら楽しそうだww
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明治~昭和・戦後期のノスタルジー溢れる「しおり」。
個人コレクションを中心に、様々なしおりを紹介している。
乙女、美人、淳一、風景、こどもの世界、時間割とカレンダー、
型抜き、近代デザイン、都市と郊外、メッセージ、戦時、
映画・演劇、趣味創作しおり、以上13章の構成。コラム有り。
図版索引有り。
雑誌の付録、販促物、組セットでの販売品、その小さな紙片には、
その時代や文化、人々の生活の一端が窺える情報が存在します。
愛らしい女性の挿絵や写真は、憧れ。
映画や演劇は、当時の流行。
時間割は学生たちの本のお供。中には書き込みがあるものも。
メッセージや戦時中のものは、当時の状況が垣間見えます。
車の型等の型抜きは、子どもたちが喜んだことでしょう。
アールヌーヴォーやアールデコっぽいデザインもキレイです。
趣味家のしおりは凝っていて、手作りのもあります。
そしてコレクター。
膨大なコレクションの一部ですが、しおり紐までもきちんと
残した「しおり」の数々を保存した心意気に感謝!です(^^♪