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とても綺麗な本を見つけました。言葉のひとつひとつが柔らかく磨かれていて、読んでいると陽だまりの中にいるような気持ちになります。ほんとうに宝石のような掌篇たち。誰かの夢を覗き見ているようです。
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ときに詩的で漂うようにゆらゆらとした雰囲気が独特。ゆったりとした時間の流れる世界を切り取って、丁寧に一つ一つのストーリーに起こしたみたい。ひとつの長編小説というわけではないようで、ひとつひとつが繋がった物語ではないが、これはこれでよかった。
イラストも合っている。特に表紙の青色がすごくきれいで、目を引く。収録されているイラストも繊細で美しいと思う。
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絵本のような、小さくてのんびりした話がたくさん。
楽しそうで、怖そうな日常もあって、こんな所にいれば
きっとのんびりとした日々が送れるのではないでしょうか?
24話の、誰が主人公でもない、その場所を切り取ったかのような話で
どんな所で、どういうもので…と想像するのが楽しかったです。
最初にカラーイラストもあって、きれいでした。
とうもろこし迷路は、どれだけの規模なのでしょうか?
ちょっとやってみたいものがありますw
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架空世界を舞台にした散文のようなメルヘン短編集。イラストがさすがのあづみ冬留さんで綺麗。夢のように儚く、どこか懐かしい柔らかな世界観はとても好みなのだけど、物語の主視点をどこに定めたらいいのか最初なかなか解らず、ストーリーに入り込むまで時間がかかった。
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“だけど、東へ行く道と、西へ行く道は、それぞれ逆向きに地球をぐるっとまわり、半周したところでふたたび出会う、ということはないだろうか。
歩きつづけて、いつか長い年月が過ぎ、別の時代の、別の場所で、僕たちは必ずもう一度出会う。
そこは、また別の橋の上かもしれない。薄暗くてにぎやかな地下のレストランかもしれないし、コンサートが始まろうとしているホールのロビーかもしれないし、銀色の宇宙船の発着する夜の港かもしれない。”[P.29_いつか別の場所で]
ふわふわと。
視点がふっと変わるのでそこで若干混乱。
「笛を吹く少年」が特に良かった。
“「すべての鳥は帰る枝を知っています」
何かの詩の一節でも暗誦するような口調で、女の人がそう言うと、重ねたいちばん上の本が、すうっと浮き上がり、表紙を開いて、優雅に羽ばたきながら二段上の棚へと飛んでいった。
続いてもう一冊。また一冊。本たちは棚のあちこちへぱたぱた飛んでいくと、おとなしく紙の翼を閉じて、するりと列の間におさまる。そこが自分の居場所だと知っているように。
抱えた本が全部なくなると、女の人は僕のほうを見て、人差し指を口にあて、内緒だよ、というようにいたずらっぽく微笑み、そのまま棚の角を曲がって……消えた。”[P.69_サンクチュアリ]
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忌憚なく言えば綺麗な本だしお話もとても素敵なのだけど、装丁が残念な気がする。スタンダードな絵本のように、少し大きめでハードカバーだったら良かったかな
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好きなイラストレーターさんだからと借りてきた人に、すぐ読めるからと薦められる。
きれいな絵、短いけれどつながっているような不思議な世界の短編集。
前のほうにイラストがあって、「○○」よりと注釈がついている。
絵本のような感じで、イラストとそこにこっそり描かれたような控えめの文字でお話を読むことが出来たらと思いました。
最後のページのような感じです。
雑誌か何かで1話ずつ読んでいたとしたら、もっと1話1話に想像をめぐらせて、浸れたのかもしれないですが、急ぎで読んだためそうはできませんでした。
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絵本作家の竹下文子さん。連作短編集って感じの童話です。絶版になってて手に入らない本なのだとか。ヤングアダルト向けかな?幻想的なモチーフが凝りすぎずどれも想像しやすくて、さすがあれだけたくさん児童文学書いてる作家さん。
なんですけど…ううむ、これはわたしの勝手な印象というかワガママで言うんですが、表紙や挿絵はこの絵じゃないほうが良かったなと。
このイラストそのものはすごくきれいだし上手だしファンタジーテイストもあって、むしろ好きなタッチなんですが。
でも、わたしは、あくまで物語を楽しむためのイラストならこれは一緒にしないほうが良かった、と思いました。ごめんやで…
頭の中で想像する前にどうしてもあのイラストに引っ張られてしまうんですよ
装丁考える人は読者をもっと信じてほしい…
(あと字が青で印刷されてるのも効果狙いすぎな気がした、普通に黒のほうが良かった)
文章から自分なりに想像ふくらませるのが醍醐味じゃん…そしてこの竹下さんの文章にはそれだけのじゅうぶんな力があるんだもん…
百歩譲って絵と物語とのコラボを楽しませたかった企画っていうなら逆に絵が少なすぎるしさ…
ライトノベルとかジュニア文庫ならいいんですよ、むしろライトノベルとかはイラストが魅力のひとつだしむしろ必要不可欠な要素だと思う。
でもこのおはなしは内容的にやっぱりこの絵じゃないなあと。
児童文学のちょうどいい挿絵ってむずかしいかもしれないけど、それがぴたっとハマってると本当に物語を広げてくれるので…
理想の挿絵は工藤直子さんの「ともだちはうみのにおい」の長新太さんのやつ。
この物語もそういう抑え目の絵が良かったなあとおもいましたです。