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宇宙の大半は「暗黒物質」と「暗黒エネルギー」で占められている。
最近までの研究で謎の物質やエネルギーがどこまで明らかになっているのかがまとめられた本。
暗黒物質に関しては今後10年以内にはっきりしそうだが,暗黒エネルギーはまだ謎のままらしい。
異次元からきたんじゃないかとか,SF漫画にありそうな設定を,トップクラスの科学者が真剣に議論しているらしい。
「見る」こともできないことを研究するって,かなり根性が必要そうです。
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多元宇宙とか燃える。
本書に出てくるドーナツ型異次元の分かりやすい例 → http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1108/05/news036.html
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大変興味深く読みました。
宇宙の構成物質の中で原子は5%にも満たない。残りのほとんどは暗黒物質と暗黒エネルギー。
それがないと、今の宇宙の成り立ちや観測されるデータを説明できないそうです。例えばビッグバンのあと、宇宙の膨張はだんだん減速してくるはずなのに観測データではすこしずつ加速している、と。
これを説明しようとすると暗黒物質や暗黒エネルギーが5次元か6次元の世界から次元を越えて注入されている、としか説明できない(かも)と。
何故この世に人間が生存できているかという説明のための仮説ですが、実は多元世界は無限にあり、その大半は人間の生存に適さないもの。そのうちのたった一つが我々のいるこの世界(かも)とします。
物理学の最新理論を解り易く解説します。
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中国の故事に杞憂というのがある。空が落ちてこないかを心配する男を笑う話だが、この杞憂を真面目に考えている学問がある。それが理論物理学者の考える宇宙に関する理論である。この分野の学問では、宇宙の始まりから、今後の運命までを理論的に解明しようとする。
近年、宇宙にはまだ人間がその本質を理解しえていない暗黒物質なるもがあることが分かってきたと言う。暗黒というだけにそれは何もないのではなく、確かにあるのだが分からないものなのだ。この存在を認めると宇宙のさまざまな現象が理解できると言うのだ。
さらに興味深いのは本書のタイトルにもなっている多元宇宙論だ。宇宙は10次元の世界からできており、宇宙はその発生の際はさまざまな可能性をもって生み出されていく、しかし3次元空間を保つことができる可能性のある宇宙はかなり限られている。私たちがいる宇宙のようなものが他にもいくつも生み出されている可能性はあるのであり、実は宇宙は一つではないというのである。
理論の積み重ねからできた摩訶不思議な話であるが、どれもが真剣に研究されている結果でありSFではないのが面白い。
本書はサブタイトルに「最新宇宙論入門」とあるように一般に向けた啓蒙書であるが、あとがきにこの分野の学問をミュージシャンにたとえ、学問が好きになればどれだけでも学問に打ち込めブレークスルーの機会も生まれるだろうし、自分が学者でなくとも、この分野へ関心をもつ人が増えれば研究者にもやりがいが生まれ、よりたかい研究心を持つことができるだろうといったことが書かれている。
確かに本書はきわめて分かりやすく書かれているとはいえ、肝心な点が直感的に理解できない。何を言っているのか本当に理解できないうちに、それを前提とした理論がさらに積み重なっていく感じがどうしても否めないのである。別の言い方をすれば、それこそがこの分野の特徴であり、魅力なのかもしれない。
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最高に面白い。宇宙科学がここまで進んでいたとは。異次元の宇宙なんて今までSFだけの世界だと思っていたけど真剣に研究されてるんだね。すっかり最新宇宙論のファンになってしまった。ブルーバックスはまだまだ健在!
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若い頃の宇宙がなぜ、大事なのでしょうか。その頃の宇宙の様子を私の同僚の杉山直氏は宇宙交響曲と表現しています。なぜかといえば、宇宙の初期は音に溢れていたからです。p.71
暗黒物質の正体はまだわかっていない。暗黒物質は、私たちの知っている原子や素粒子ではない。中には、暗くて見えない天体ではないかと考える人もいる。例えば、褐色惑星とかブラックホール。これをふざけて「マッチョ」と呼ぶ。英語では、Massive Compact Halo Objectの頭文字をとったもので、「銀河のハローにある重い天体」の意味。p.80略
暗黒物質は冷たくないといけない。これは別に人情がないという意味ではありません。p.81
量子力学の多世界解釈。p.178
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現在の科学ではまだ検証できないことがたくさんあって、最後は哲学のよう。
言葉は易しいものの、どうも説明になっていないように感じるところがいくつかあった。でも面白い。
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宇宙物の世界につい先日、彗星の如くデビューした村山斉センセイだが、相変わらず説明が旨い。分厚い単行本一冊を使って敢えて判りにくく説明する本が多いのだが村山さんは難しいい話しも要点を絞って説明するので非常に判りやすい。内容的にはヒモ理論の多重宇宙論を最後に説明しているところから題名が付いたと思われるが、多重宇宙に逃げ込まれると宇宙の神秘が遠のいてしまうので個人的には好まないのだが。
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現在の物理学・天文学が暴いた宇宙の姿、そこから考えられている理論・モデルをなぜそこに至ったのかを交えながら一般読者にもわかりやすく解き明かしている。
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今年出たばかりの宇宙論概論。専門的な用語・数式もなく、とても読みやすいが、最後は駆け足紹介になる。物足りない。
グールドやグリーン、ペンローズのような大部な本は、日本では無理か。
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暗黒物質と暗黒エネルギー
全宇宙の96%を占めながら正体不明の存在
宇宙が膨張してるのは知っていたが、その速度が加速度的に増えているのにびっくりした。そこに暗黒エネルギーが関係してるらしい。でないと説明がつかない。
宇宙は知れば知るほど謎が深まる
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この本の内容と関係する発見が昨日発表されている。「【9月23日 AFP】素粒子ニュートリノが質量を持つことの最終確認を目指す国際共同実験OPERA(オペラ)の研究グループは22日、ニュートリノの速度が光速より速いことを実験で見出したと発表した。確認されれば、アインシュタインの相対性理論に重大な欠陥があることになる。」「フランスの物理学者、ピエール・ビネトリュイ氏は、ニュートリノが4次元(空間の3次元+時間)とは別の次元への近道を見つけたのかもしれないと話した。あるいは、光速は最速とわれわれが思い込んでいただけなのかもしれないと述べる」この本の著者の村山氏も「現代の理論物理がよって立つアインシュタインの理論を覆す大変な結果だ。本当ならタイムマシンも可能になる」と述べている。相対性理論と矛盾しないように「超光速」を説明する考えもある。この本に書かれている「異次元」の存在だ。私たちの宇宙は、前後、左右、上下の3次元に時間を加えた4次元の世界だ。もし、5次元や6次元といった、別の次元があり、そこを近道して粒子が通れば、見かけ上、光よりも早く着いたように見えてもおかしくない。
果たして宇宙は本当にひとつなのだろうか。私にはこの本は難しかったが、今回の発見が事実なら面白いと思いつつ、読了。
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http://wildhawkfield.blogspot.com/2011/09/blog-post_26.html
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最近、理論物理学、天文学に対してにわかマイブームになっていて、本書もその流れで読んでみました。これまで、アインシュタインや暗黒物質、暗黒エネルギーに関する本を読んでいたので、割とすんなりと内容を把握できたように思います。
しかし、ブラックホールはもうほとんど理解されていて、今は宇宙は多次元に渡って存在するということが最新のトレンドだそうで。いやはや、3次元の宇宙のひとつのそのまた小さな星に住む人間のなんとチッポケなことか。人間存在の小ささに気づくことが天文学のひとつの効用だな、と思います。
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最新の宇宙論の解説書。2011年のノーベル物理学賞は、宇宙の膨張速度が加速しているという発見であったが、この本はその詳細が解説されている。この時期にこの本に出会えたのは非常にタイムリーであった。
ダークマター、ダークエネルギーとそれを理論的に説明するために導入された多次元宇宙や多元宇宙というアイディアについてその一端を知ることができた。
スイスにあるLHCという装置により光速近くまで加速された陽子を衝突させることにより多次元世界の存在を確かめようとしている。2つの陽子が衝突してブラックホールができれば多次元宇宙の存在が確認できる。多次元世界は実は目に見えないくらい小さい可能性もある。
宇宙物理学と素粒子物理学から宇宙の謎が徐々に解き明かされつつある最新の研究動向が理解できる良書である。