紙の本
「外」の世界
2011/10/10 19:19
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Tucker - この投稿者のレビュー一覧を見る
ブルーバックスのシリーズでは珍しく出版後、3ヶ月以上経っても、新聞に広告が載るほど人気がある本書。
SFの世界では「パラレルワールド」というアイディア自体は、それほど珍しいものではない。
だが、それが事実かもしれない、としたら?
宇宙論の世界は、観測も難しいので、理論や式の解釈一つで大きく宇宙の構造が変わってしまう世界だ。
それだけにSFと現実の境界線がはっきりしない世界でもある。
好きな人には、そういう所が魅力の一つでもあるだろうし、興味のない人には、胡散臭い話とあしらわれてしまう。
本書では前半で、これまで分かってきた宇宙論を解説し、後半でタイトルにあるとおり「多元宇宙」の説明をしている。
そもそも何故、「他の宇宙」とかいう考えが注目されてきたのだろうか。
それは計算の間違いを認める事(=理論のほころびを認める事)と宇宙の「外の世界」を認める事を天秤にかけた結果である。
相対性理論や量子力学の理論にほころびがある、という可能性は、ありえないことではないが、これまでさんざん「追試」を受けてきたので、ちょっと考えにくい。
対して、「外の世界」は、それっぽい観測結果が見つかっている事もあるので、こちらを考えた方がよさそう、と考えられたから。
「多元宇宙」が事実にせよ、間違っているにせよ、まさに「事実は小説より奇なり」だ。
紙の本
これまで信じられてきた宇宙の概念が覆されるかもしれません!
2020/02/07 13:19
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、高度な知識を私たちの教養として身に付くように、分かり易く説いてくれる人気の「ブルーバックス」シリーズの一冊で、同巻は宇宙について語られた画期的な宇宙学の入門書です。同書は、まだまだ謎に包まれている宇宙について、現代の科学で解明されていることを中心に展開された科学書です。同書によれば、宇宙の全体では、目に見える物質は5パーセントにも満たず、残りの約95パーセントは正体不明の暗黒物質と暗黒エネルギーだということです。そして、その正体を突き止めていくうちに不可思議な現象にぶち当たるというのです。すなわち、宇宙は多次元で、いくつも存在するのだとしたら、どうでしょうか。これまで信じられてきた宇宙の概念を覆すかもしれない最新の宇宙論が展開されます。とっても興味深い一冊です!
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宇宙論は人生学にも通ずる
2017/06/03 14:29
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投稿者:nobita - この投稿者のレビュー一覧を見る
宇宙から見るとなんと人生は短い。くよくよするのはあほらしい。
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買って良かったです
2015/11/13 15:02
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投稿者:あお - この投稿者のレビュー一覧を見る
宇宙については、大変興味を持っているので、さっそく村山先生の本を買いました。内容は宇宙物理学の最前線について書いてあります。初心者も理解できるように、大変分かりやすく書いてあります。図も豊富で内容を理解するのに役立ちます。
電子書籍
面白かったです
2017/01/15 21:45
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投稿者:Kabaty - この投稿者のレビュー一覧を見る
普段何気なく生活していますが、この本を読むと自分たちの存在が不思議に思えてきます。どんどん、想像力が沸いてきて、わくわくしてきます。ますます、宇宙ことを勉強するのが楽しくなりました。
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宇宙の大半は「暗黒物質」と「暗黒エネルギー」で占められている。
最近までの研究で謎の物質やエネルギーがどこまで明らかになっているのかがまとめられた本。
暗黒物質に関しては今後10年以内にはっきりしそうだが,暗黒エネルギーはまだ謎のままらしい。
異次元からきたんじゃないかとか,SF漫画にありそうな設定を,トップクラスの科学者が真剣に議論しているらしい。
「見る」こともできないことを研究するって,かなり根性が必要そうです。
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多元宇宙とか燃える。
本書に出てくるドーナツ型異次元の分かりやすい例 → http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1108/05/news036.html
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大変興味深く読みました。
宇宙の構成物質の中で原子は5%にも満たない。残りのほとんどは暗黒物質と暗黒エネルギー。
それがないと、今の宇宙の成り立ちや観測されるデータを説明できないそうです。例えばビッグバンのあと、宇宙の膨張はだんだん減速してくるはずなのに観測データではすこしずつ加速している、と。
これを説明しようとすると暗黒物質や暗黒エネルギーが5次元か6次元の世界から次元を越えて注入されている、としか説明できない(かも)と。
何故この世に人間が生存できているかという説明のための仮説ですが、実は多元世界は無限にあり、その大半は人間の生存に適さないもの。そのうちのたった一つが我々のいるこの世界(かも)とします。
物理学の最新理論を解り易く解説します。
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中国の故事に杞憂というのがある。空が落ちてこないかを心配する男を笑う話だが、この杞憂を真面目に考えている学問がある。それが理論物理学者の考える宇宙に関する理論である。この分野の学問では、宇宙の始まりから、今後の運命までを理論的に解明しようとする。
近年、宇宙にはまだ人間がその本質を理解しえていない暗黒物質なるもがあることが分かってきたと言う。暗黒というだけにそれは何もないのではなく、確かにあるのだが分からないものなのだ。この存在を認めると宇宙のさまざまな現象が理解できると言うのだ。
さらに興味深いのは本書のタイトルにもなっている多元宇宙論だ。宇宙は10次元の世界からできており、宇宙はその発生の際はさまざまな可能性をもって生み出されていく、しかし3次元空間を保つことができる可能性のある宇宙はかなり限られている。私たちがいる宇宙のようなものが他にもいくつも生み出されている可能性はあるのであり、実は宇宙は一つではないというのである。
理論の積み重ねからできた摩訶不思議な話であるが、どれもが真剣に研究されている結果でありSFではないのが面白い。
本書はサブタイトルに「最新宇宙論入門」とあるように一般に向けた啓蒙書であるが、あとがきにこの分野の学問をミュージシャンにたとえ、学問が好きになればどれだけでも学問に打ち込めブレークスルーの機会も生まれるだろうし、自分が学者でなくとも、この分野へ関心をもつ人が増えれば研究者にもやりがいが生まれ、よりたかい研究心を持つことができるだろうといったことが書かれている。
確かに本書はきわめて分かりやすく書かれているとはいえ、肝心な点が直感的に理解できない。何を言っているのか本当に理解できないうちに、それを前提とした理論がさらに積み重なっていく感じがどうしても否めないのである。別の言い方をすれば、それこそがこの分野の特徴であり、魅力なのかもしれない。
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最高に面白い。宇宙科学がここまで進んでいたとは。異次元の宇宙なんて今までSFだけの世界だと思っていたけど真剣に研究されてるんだね。すっかり最新宇宙論のファンになってしまった。ブルーバックスはまだまだ健在!
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若い頃の宇宙がなぜ、大事なのでしょうか。その頃の宇宙の様子を私の同僚の杉山直氏は宇宙交響曲と表現しています。なぜかといえば、宇宙の初期は音に溢れていたからです。p.71
暗黒物質の正体はまだわかっていない。暗黒物質は、私たちの知っている原子や素粒子ではない。中には、暗くて見えない天体ではないかと考える人もいる。例えば、褐色惑星とかブラックホール。これをふざけて「マッチョ」と呼ぶ。英語では、Massive Compact Halo Objectの頭文字をとったもので、「銀河のハローにある重い天体」の意味。p.80略
暗黒物質は冷たくないといけない。これは別に人情がないという意味ではありません。p.81
量子力学の多世界解釈。p.178
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現在の科学ではまだ検証できないことがたくさんあって、最後は哲学のよう。
言葉は易しいものの、どうも説明になっていないように感じるところがいくつかあった。でも面白い。
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宇宙物の世界につい先日、彗星の如くデビューした村山斉センセイだが、相変わらず説明が旨い。分厚い単行本一冊を使って敢えて判りにくく説明する本が多いのだが村山さんは難しいい話しも要点を絞って説明するので非常に判りやすい。内容的にはヒモ理論の多重宇宙論を最後に説明しているところから題名が付いたと思われるが、多重宇宙に逃げ込まれると宇宙の神秘が遠のいてしまうので個人的には好まないのだが。
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現在の物理学・天文学が暴いた宇宙の姿、そこから考えられている理論・モデルをなぜそこに至ったのかを交えながら一般読者にもわかりやすく解き明かしている。
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今年出たばかりの宇宙論概論。専門的な用語・数式もなく、とても読みやすいが、最後は駆け足紹介になる。物足りない。
グールドやグリーン、ペンローズのような大部な本は、日本では無理か。