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週刊東洋経済の「知の技法」の連載から、読書の部分だけを抜き出して大幅に加筆訂正して再構成した本。
佐藤優氏だけあって、高校時代や大学の読書歴だけを見ても、凡人とは違うなあと思ってしまう。これくらいの読書量があればこそ、あのような知識を踏まえた評論が書けるのだと個人的には納得してしまった。
具体的な内容は、本をどのように読むか選別する方法、熟読の方法、速読の方法、読書ノートの作り方、基礎知識が足りな人への高校教科書・参考書の使い方、小説や漫画の読み方、また、いつ、どこで読むべきなのかなどが、佐藤優氏の実例で書かれている。1つの実践例として参考になる
もちろん全てのまねはできないが、参考にするべきところは参考にするようなスタンスで読めばよいのではないだろうか。
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具体例が多くて良い。
教養を身につけるために、どうやって、何に当たれば良いかがきちんと書かれている。
ただ、読書ノートの書き方は、著者の手書きの掲載はない。著者の手書きを掲載して欲しかったという個人的な要望はある。そうはいっても、指南は分かりやすくかつ十分になされており、これから実践しようと思わせてくれる。
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月平均300冊、多い月は500冊以上の「書籍」に目を通されるという、
元外務省情報分析官・佐藤優さんが、ご自身の読書術についてまとめられた一冊です。
- 筆者は、本書を通じ、読者に、読書の有用性について訴えたかった。
貧乏性な私はどうしても、一通り目を通したくなってしまう傾向があるので、
"超速読"、"速読"、"熟読"の区分がとても興味深く、いい刺激になりました。
といっても、全てを同じ枠組みにはめて"読む"というわけではなく、
まずは、自分にとって有益かどうかの区分けをしてはどうか、と仰っているのだと思います。
- 大雑把に理解・記憶し、「インデックス」をつけて整理する
まずは「自分にとっての位置付けを判別するための"超速読"」、
店頭での立ち読みと同じ感覚でしょうか、、ふむふむ。
その上で「概要だけ抑えればいいとの判断であれば"速読"」、
問題提起と結論を抑えれば十分な書籍は、こんな感じで。。
さらに、「自分にとっての「基本書」になるであろう一冊を読み込む際には"熟読"」、
これはかなりコッテリとした読み方を示唆されていました、、ノート必須。
ちょうど今年は、学術系の本を読む環境にもあり、とても参考になりました。
全てをコッテリと読んでいたら、とてもではないですが終わらないので。。
なお興味深かったのは、そうやってインフォメーションした"情報"について、
- テーマを決め、週に1回書評の会合を行う
との形でエクスフォーメーションする事を推奨している点でしょうか。
これは、同じ一冊の「本」に対する解釈を比較してもいいでしょうし、
同じテーマ対するアプローチを、様々な「本」を題材に比較しても面白いでしょう。
また、日々の生活の中で面白いと感じた「本」をただアウトプットするのも楽しいかと。
いずれにせよ、自分の頭の中でもやっとしているコトなども、
他者に伝えようと意識することで、整理されていくのだと思います。
もう一つ印象的であったのが、次の一片にまつわるトピック。
- 歴史書や哲学書、さらに小説など、意外な本を挙げないとならない。
なんでも、優れた情報専門家はすべからく読書好きとの事で、雑談していると、
専門分野とは別の、歴史書や哲学書、小説などの意外な本に興味を持つことが多いそうで。
さらにはこの意外な本がどこかで仕事につながることもあるとか。。
本棚で人柄も推し量れたりもするので、そうやって判断材料にしてるんだろうなぁ、、と。
確かに「座右の書」というものは、その人の心根を投影している気もします。
今後機会があったら、人間観察の手法の一つにしてみよう。。
なんにせよ、教養はどこの世界でも大事なんだなぁ、と改めて実感です。
そんなこんなで読みたくなった本がさらに増えてしまいました。。
『古典ギリシャ語初歩』
『想像の共同体』
『ネイションとエスニシティ』
『高校世界史B(教科書)』
リベラル・アーツをきっちりと修めるには、ギリシャ語の素養が無いとダメなのでしょうか。
ん、英語でさえ四苦八苦している自分にとってはなかなかに高いハードルです、、なんて。
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読書術と名の付く本は玉石混淆あるが、読書以外のところでも実用的な内容があるケースが多い。
まして外務省のラスプーチン著なら、とりあえず手に取らざるを得ぬ。
のっけからの常人離れした読書遍歴。おいおい、いきなり凡人を置いてきぼりにするつもりか!と思いきや、意外にも高校の学習参考書を挙げて、読書基礎力をどうやって補うかに結構なページ割いてたりする。
中でも現代文と数学はオモロー。鳩山由紀夫のイミフな行動も微分的な要素で説明出来るかもみたいなところ、ぜひ一冊の本として仕上げてもらいたい。
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実際にやっていたら、ノートへの書き写しは、時間がかかる・・。。
そのために、速読をマスターする必要あり。
全体的に、インプット方法として参考になる。
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Kindle版を購入。1575円→1143円
この本は想像以上に私をモチベートしてくれた。
ただ単に、この本を読んで終わりではなく、ここ本から派生して学びたいこと、そして学び方がはっきり見えてくる。そんな本。
私の場合は、理系の高校だったため知識の偏りが激しいことを改善したかったのだが、基礎知識を学び直す動機付けとその方針を与えてくれた。
普段読んでいる本の他に、月3,4冊の熟読本を選びじっくりと身になる読書を行っていきたいと思う。
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自分の読書を見なすつもりで購入。
自分知識の欠損部分を知り、それを補うこと。
自分の学力を客観的にとらえることができず、
消化できない専門書に取り組んで時間を浪費している例が多いなど、
自分にも当てはまる点があり、見直すいいきっかけをいただいた。
また、熟読をする本を精査するために速読が必要であり、
熟読によって知識を身につけることができるとあり、
速読でたくさんの本を読むことを中心に考えてきた自分にとって
少し考えさせられた。
知識を身につけるためには、読書が必要であることは間違いなく、
これからも続けていこうというモチベーションにつながった。
さあ読むぞー!!
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先日、本屋でワゴンに平積みされてて即買い。我ながら読書法の本、大好物。
熟読の方法がとても参考になった。最近はすっかり書き写すのとか面倒でしなくなったけど、手を動かすことで消化するというのは確かにあると思った。カラー写真で実際の著者のノートが掲載されててこれも参考になった。
あとは高校の教科書をつかった勉強も。現代文や政治・経済はちょっと取り組んでみようかな。
それと得た知識を消化して自分のものとして使えるようになるのに半年くらいかかるという点、自分もそうなので、やっぱりそういうことってあるんだなと思った。
2015.2.1再読
ここ1-2年の自分の本の読み方が速読に偏ってて、本を読んでも身についてないのではないかという気がしたのでじっくりと再読。
基礎知識がない中で何を読んでも身に付かないという点を再認識。初心に戻って、高校レベルの勉強をちゃんとやろうと決心した。
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読書を知識をためるための作業として考えた場合の、効率的かつ実践的な手法を提案している。
全ての本を読む際に通じる手法ではなく、【読書】=【勉強】の場合に役立つ手法。
本書を読んだあと、その手法はすぐに実践している。
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我流で今までやっていた速読法がかなり近かったので、その点については自信がついた。
小説のレビューは書きやすいし、読了もあげやすいし、読んでいるか否かについて問われがちだけど、小説こそが読書ではないというところに切りこんでいるところには拍手。
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本を買うスピードと読むスピードでは、前者の方がはるかに早い。結果積読本が部屋を埋め尽くすわけだが、買った限りにおいて、目を通したいと誰しも思うもの。しかしできない。これが多くの人の悩みではないだろうか。
また、仕事場の情報処理量は半端なく増え続け、メール、FAX、ハードコピーによる会議資料、回覧資料、プレゼン資料、得意先からの資料などが机を埋め尽くしているはずだ。
そうした現代社会の中で情報処理術は必須であり、中でも速読術を身につけたい方は多くいることだろう。私の経験からしても、佐藤氏が述べるp「…その本に書かれている内容についての基礎知識がなければ、そもそも読書にならず、指で本のページをめくっているに過ぎない。」(同著、p.27)ということに賛同する。世にある目を早く動かすとか、イメージで記憶するとかいう方法より、佐藤氏の方法の方が私は実用的だと考えている。
また、下記のような個所に私は囲み線を入れたが、こうした指摘に少しでも心を動かすものがあるとすれば、購入することをお薦めする。
「人間が一生の間に読むことができる本の数はたいしてないのである。この熟読する本をいかに絞り込むかということが読書術の要諦なのである。」(同、p.51)
「重要なことは、知識の断片ではなく、自分の中にある知識を用いて、現実の出来事を説明できるようになることだ。そうでなくては、本物の知識が身についたとは言えない。」(同、p.58)
「「時間は有限であり希少財である」という大原則を忘れてはいけない。…速読が熟読よりも効果を上げることは絶対にない。」(同、p.88)
「10冊の本を読み飛ばして不正確な知識を何となく身につけるより、1冊の本を読み込み、正確な知識を身につけたほうが、将来的に応用が利く。」(同、p.101)
☆を4つとした理由は、哲学・思想に関する手引きの部分がないことと、p.200から始まる【偏微分で鳩山元首相の行動様式も理解可能】という部分は理解しがたいからだ。一応ORも金融工学の基礎的な部分(マルコフ過程を含む)を学んできた身からしてもこの思考の飛躍はちょっと行き過ぎだろうと感じている。
フォトリーディングなどを試したけれど、全くうまくいかないと言った感想をお持ちの方には是非本書を紐解き、実践し、テクネーとして身につけるまで熟読されることをお薦めする。
(完)
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本書を一言で要約するなら「大学受験の勉強をやり直せ」という事だろう。という点で読書の技法というよりは知の技法というか勉強の技法になっており、読書家向けの本ではなく、読書を仕事に生かしたいサラリーマン向けの本になっている。特に現代文の受験問題を解くこと重要性については日頃から感じていた事なので、著者がこの点を強調しているのはとても納得。歴史や政治・経済の勉強も受験参考書が最適だろう。
1~4章は所謂読書法の紹介だが、特に目新しいものはない。多読の必要性については同意するものの、1冊5分の超速読の有用性には疑問があるし、そのために本を購入はしないだろう。速読の毎日3~4冊が限界としても、仮に毎月100冊購入するには15~20万円程度が必要であり、これでは家賃並かそれ以上になってしまい、非現実的である。著者は否定的なようだが、図書館利用を前提とした方法を提示すべきだ。6章の小説の読み方についての記述が少ないのが残念。代理体験の重要性についてもっと論じてほしかった。また全体的に引用が多く、やや冗長なのは難点。著者の読書量の多さに圧倒され溜息が出ると共に、人生は有限である、何を読むか?は非常に重要な問題であるというのを再認識した。
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この読書法をもっと早く知りたかった。
熟読と速読の使い分けや熟読する時の方法が説得力ある。
電子書籍版の熟読方法も知りたいが、著者は電子書籍読まなそう。
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他の人がどんな本を読んでいるか気になっても、どんな風に本を読んでいるかは知らないものだ。たくさん読むにはどうするかを語る本であり、たくさん読む方法を知るには良い本である。佐藤氏は月に300冊読むそうだが、ここまでは無理だとしても参考になる本だ。
昔、立花隆氏も自身の読書について書かれていたが、より実践的な本と言える。立花氏の方は、本の内容の紹介が多く読む本を探すのに役立った。
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最近仕事をしていて、メモをすること、ノートを取ることの重要性をようやく実感として感じられるようになってきた。これまでも様々な方からメモをとることの重要性を教わってきたし、また自分自身でも「メモを取ることは大切だ」と思っていたが、それは偏にそのように指導されてきたからであって、自分の実感に基づくものではなかったように思う。
社会人になると学生の時ほど時間に余裕がないし、またすぐに頭を(論点などを)切り替えなければならない場面が頻繁に出てくる。そのような経験を積み重ねる中で、自分の思考もある種の非連続的な側面があると感じるようになった。昨日の自分と今の自分は違うものだし、極端なことを言えばさっきの自分と今の自分もやはり完全に同じ存在ではない。であるとすれば、必要なものについては、今と異なる”自分”に対して何かしらの痕跡を残しておかなければならない。
また最近は、一つ一つのアクションに対して、学生の時とは比較にならないほどコミットしていることに気付く。つまり、意味のないことはしない、それぞれのアクションには、それ相応の覚悟を持っているということだ。
メモにしても、以前は漫然とメモを取っていたが、今は一つ一つのメモに「なぜその記述をするのか」という自覚を伴っているケースが多くなっている。
読書も同じようなものかもしれない。これまでは漫然と知的好奇心に基づいて読むことが多かったが、娯楽としての読書は別としても、目的を持った読書であれば、やはりもっとテクニカルに、多量に読みこなしていく必要があると感じた(精読すべき著書とのバランス、見極めも重要)。
著書を通して感じたことは、速読とは①前提となる基礎的知識を有した上での②高度な情報の取捨選択であるということである。決してごく一部の人間のみが有することのできる特殊な技能ではない(相応の努力は必要だけど)。速読をしている人はそもそも「本を読む」ということに対しての考え方が異なるのだと感じる。自分もこれまでの読書の仕方を少し見直してみたい。