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戦国のヒロイン江 (小学館学習まんがシリーズ) みんなのレビュー
- 万乗 大智 (まんが), 川口 素生 (監修)
- 税込価格:825円(7pt)
- 出版社:小学館
- 発売日:2011/07/01
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コミック
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紙の本
戦乱から泰平への架け橋にして、ゴッドマザーの誕生
2012/01/25 14:08
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:書痴 - この投稿者のレビュー一覧を見る
戦国・乱世の時代、幼少時に両親を喪い、政略結婚の道具として、三度の結婚、時代に翻弄されながらも、前向きに生きたお江の人生を、漫画で紹介した本書は、多感な少女時代の心理描写に、読み応えがありました。
それまで、お江といえば、徳川家の跡継ぎ問題で、乳母お福との確執や、夫秀忠に対する強気な嫁のイメージがあって、親しみやすいキャラクターとは思えませんでしたが、本書は、その辺の事情は割愛されており、むしろ、少女時代の人格形成や、母お市と二人の姉(特に長姉茶々)から受けた影響、人生観(平和への希求)に焦点があてられており、お江の勝気だが一生懸命な姿が、広く読者の共感を得られるのではないでしょうか。
ドラマッチクな展開だけに、数あるエピソードから、一見すると地味ですが、その後のお江の人間性をうかがわせるエピソードをひとつ、母お市の再婚相手で、お江との新しい親子関係に気遣いする柴田勝家をホロリとさせるシーンが良かったです。
自由意志がほとんど許されない『政略結婚の道具』としての生き方が、強調される一方で、結婚相手や嫁ぎ先の複雑な事情をよく思いやり、母親が一生毛嫌いした秀吉やかつての敵にも一定の理解を示し、状況判断の的確さをそなえ、精神的にたくましく成長するお江こそ、時代を越えて人が生きてゆく上でのヒントになると思います。
そしてついにクライマックス、長姉淀殿に対し、徳川家との全面対決の翻意を促すお江の熱い思いが、切ないほど伝わってきます。
母や姉のような悲劇的な結末を超克し、織田、豊臣、そして徳川と、平和の架け橋となったお江の柔軟な姿勢や生き方はもっと評価されてよいかと思います。
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