紙の本
生きている者には明日が続かなければならない
2011/12/27 20:28
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投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
修学旅行中、バスの転落事故で死んでしまった二年三組の24名の生徒たち。事故に巻き込まれてただひとり生き残った鬼塚輝美は、死んでしまった彼らの魂をその身に宿し、成仏してもらうために彼らの最後の瞬間の願いを叶え続ける。もうひとり、修学旅行に行かずに生き残った灰吹清隆と共に。
柘植忠明は祖母との約束のために。園芸部部長の西川武夫は、三隅理沙に伝えたかった言葉を薔薇と共に伝えるために。夏来朱莉と渡瀬信弥は、女優と脚本家という夢に区切りをつけるために。輝美と清隆は、死者の想いを叶えると同時に、残された人々の心に区切りをつけ、新たな一歩を踏み出させる。
これは死によって始まる物語。しかし、残された者には明日が続いていく。ゆえに、彼らは死者の望みをかなえるだけでなく、生きているものを絶望の淵からよみがえらせ、希望を与えなければならないのだ。そしてこの生きているものには、彼ら自身も含まれなければならない。
ラノベのレーベルから出版されているからという理由でこれを読まないヤツは、本読みではないと思う。
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意外というと作者に失礼かもしれないが、大変面白かった。
既に死んだ生徒達が相手の話ではあるけれど、そこを上手く生きている人達の糧に変わるような展開になっている。
今後は鬼塚自身がどう変わっていくのか?全員の望みを果たした後彼女の身に何が起きるのか?というのが気になるし、やっぱ灰吹君とはどうなる?ってのも楽しみです。
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あの時どうして言葉を伝えられなかったのか。どうして行動を起こせなかったのか。
生きてれば誰しも嫌というほど思うことですが、死んでしまうとその想いすら虚空へと霧散してしまうわけです。
本来であれば失われるはずであったその想いを背負い、クラスメイトの最期の願いを叶えるために行動する鬼塚輝美のお話です。当然、辛く悲しくもありますが、やさしさにあふれた物語です。
大きな喪失感や無力感を乗り越え、明日への一歩を踏み出す彼ら、彼女らを見ていると、自分が今できることは何だろうかと考えさせられます。
翻って、己の過去の行いを恥じたり悔いる羽目になったりもしますが、それでも生きている以上、自分のなすべきことを模索し行動しようという気持ちを奮い起させてくれます。
こんなにも読者の気持ちを揺り動かせる物語はなかなかないんじゃないでしょうか。
テルミーシリーズや、一作目の超人間・岩村を読んでも思ったことですが、滝川さんは「どうして、ではなく、どうする」というようなニュアンスのメッセージをとても誠実かつ押しつけがましくなく読み手に伝えてくれるなぁ、と感じます。あくまで個人的にですが。これらの物語は一読の価値がある小説だと確信しています。
願わくば、この作者の物語がもっと多くの人に読まれると良いなと思います。
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まさか次巻がこんなに早く出るとは!!
読み切りが並んでいる感じで読みやすい。
ただ感動するシーンが途中にあるけど、長く続かない。
あっさりと章が終わっていく。
でもこういったもの特有のモヤモヤした終わり方じゃなく、しっかり終わっているのでスッキリ感がいい!
このまま最後までいってほしい。
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物語は良い。良いお話だ。素晴らしい寓話だ。しかしまぁなんとも、地の文がひどいというか気持ち悪い部分がある。これはどうしようもないけどそれでも気に入らない。それがちょっと残念だ。
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25人の鬼塚テルミー,にさつめ.
死者の代弁者として
交通事故で亡くなった24人の心残りを解消していく.
今回も面白かったわー.
しかしアレだ
死者の代弁者だなんていうと
ドクペ大好きの某ニート探偵が出てきそうだな.
アレとは違って
コレはホントに死者の言葉を伝えているわけですが.
代弁していないクラスメイトがまだまだ居るし
続きも出るのでしょうか.
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中途半端に終わってしまった前巻の続き。内容は前巻と同じく、死んでいった人たちの最後の願いを叶えるお話。
前巻と違い方向性が決まってきたのか、だいぶ話にまとまりができてきた。
ただ、仕方のないことだが一人一人に時間を割くので完結までの巻数が多くなりそう。10巻程度か。
全体的に内容に整理も付いてきて感動もできたので良かった。